
バイク&装備を割り切って軽量化! キャノンボール達人baruさんの実践装備を公開

Bicycle Club編集部
- 2022年10月19日
大阪から東京まで約500kmライドに編集長 山口がチャレンジ。キャノンデール・ジャパンの山本和弘さんとともにキャノンボールをイメージして走ってみた。いつかはやってみたい500kmのチャレンジ、その道中の楽しみや本物のキャノンボールのノウハウをお届けする。
山口と和さんの2日ライドとは違い、24時間で走り切るキャノンボールはノンストップ。そのため、装備の考え方が同じ長距離ライドのブルべとも違う。ここではキャノンボールの達人、baruさんの機材を紹介する。
キャノンボールの基本装備とは
基本方針は「安全に配慮しつつ、装備は最小限にする」こと。キャノンボールでは信号停止からの発進が100回以上発生するため、装備が重すぎると発進時のタイムロスと疲労が少しずつ積み重なっていく。これを防ぐため、装備は最小限を心がける。さらに着替えなどのゴール後にのみ使うものは、ゴール(自宅またはゴール最寄りの郵便局)に宅配便で送ってしまい、持って走らないようにしよう。
また、車体に付けるバッグ類は、大きすぎず空気抵抗の小さいものを選びたい。そのため大型サドルバッグは不要だ。
キャノンボールではトラブル対策グッズも最小限。挑戦の時間内で対処可能なトラブルはパンク修理1回程度が限界。ワイヤー切れやスポーク折れなど、パンク以上のトラブルは諦めて再挑戦すべきだろう。その時に備え、輪行袋(エマージェンシー用のものでいい)は必ず持つこと。とはいえ、トラブルでのリタイヤは出来れば避けたい。
サイクルコンピューターは事前に引いたコースを地図上に表示できるものがいい。24時間のチャレンジなので、24時間稼働するものを選ぶようにしよう。
ウェア類は幅広い気温に対応できる組み合わせを選ぶ。昼夜+標高で、道中の気温差は20℃に達することもある。薄手のネックウォーマーが1枚あると冷え込みやダウンヒル時に役立つ。
ミニマム装備で空気抵抗と重量を減らす
24時間の旅路に十分でありつつ、荷物を持ちすぎないことを意識して装備を選択する。一見すると「ちょっとそこまで」に見えるくらいの装備でちょうどいい。ただし、ライトやサイコンは長時間稼働するものを選ぼう。




最低限の荷物をサドルバッグに工具類はツール缶に
BB脇に取り付けたツール缶には、最低限のトラブルに備えた対策グッズを格納。パンク修理用具(チューブ・パッチ・携帯ポンプ)、ワイヤーロック、携帯工具(タイヤレバー付き)、チェーンカッター。バックポケットには、スマホ充電用の小型モバイルバッテリー(5000mAh)を持つ。
- 小型モバイルバッテリー(スマホ充電用)
- 携帯工具(タイヤレバー付き)
- 予備チューブ2本(傷防止のためラップで包む)
- ワイヤーロック
- 小型チェーンカッター
- 携帯ポンプ(ツール缶に入る小型サイズ)
- チューブ補修用パッチ

輪行袋は必ず携帯!
容量0.8Lの小型サドルバッグに三角反射板を取り付けて被視認性を高める。中身は輪行用具(スプロケットカバー・エンド金具)と防寒グッズ(ウインドブレーカー・ネックウォーマー)。超軽量タイプの輪行袋はボトルケージに格納する。
ブルベとキャノンボールの装備の違い

ブルベは開催日が決まっているため、天候を選べない。このため、雨具を持って走る必要があり、そのための大型サドルバッグが必要になる。一方、キャノンボールは決行日を自分で選ぶため、晴れの日を選べば雨具を持つ必要はない。結果として、バッグも小さいもので済む。また、ブルベでは店や自販機のない区間を走ることが多いため、補給食を多めに持つ必要がある。baruさんはフロントバッグに食べ物を満載している。キャノンボールはルート上にコンビニや自販機が無数にあり、補給食を余分にストックする必要はない(休憩を減らすために持つ戦略もある)。バックポケットとトップチューブバッグに入るぶんで十分足りるはずだ。

教えてくれたのはこの人
baruさん
かつてはキャノンボール、いまはブルベを中心に走るロングライド系サイクリスト。2010年、大阪→東京を23時間02分で達成。翌年に東京→大阪を23時間18分で達成。双方向での達成を機に、攻略情報をまとめたブログ「東京大阪キャノンボール研究」を開設。
※この記事はBiCYCLE CLUB[2022年5月号 No.443]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
- BRAND :
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- CREDIT :
- TEXT:baru PHOTO:猪俣健一
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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