
着用努力義務化が4月1日にスタート! 大切な人を守るためのヘルメットの重要性

Bicycle Club編集部
- 2023年03月03日
自転車乗車時のヘルメット着用が2023年4月1日に全世代で努力義務化される。事故の際、ヘルメットをかぶっていれば救われる命も多いが、現時点では着用が広く浸透しているとは言いがたいのが実情。この企画では、ヘルメットの重要性を再確認し、大切な人を守るためわれわれサイクリストにできることを考える。
INDEX
ヘルメットをかぶれば致死率は半分以下に
道路交通法改正で2023年4月1日に全国で自転車に乗る際にヘルメットをかぶることが努力義務となる。すべての年代が対象だ。ヘルメット着用努力義務化によって、街の様子も少しずつ変わっていくはず、とオージーケーカブトの柿山昌範さんは指摘する。
「警察官は自転車でパトロールする際に確実にヘルメットをかぶるようになります。また、交通安全運動などで『自転車に乗るときはヘルメットをかぶりましょう』と指導される機会が増えるでしょう。配送業者など仕事で自転車を使う人もヘルメットをかぶるようになるでしょう。すると次第にみんなが『自分もかぶった方がいいのかな』と思うようになり、自転車のヘルメットをかぶるのが当たり前になるかもしれませんね」
なぜ自転車に乗るときにヘルメットをかぶるべきなのか? それは、自転車事故の死因で多い頭部損傷から身を守れるからだ。
警察庁がまとめた平成29年から令和3年のデータによると、自転車乗車中に交通事故で亡くなった方のおよそ6割が頭部に致命傷を負っている。また、ヘルメットをかぶっていない場合は、かぶっている場合と比較して致死率が約2.2倍にまでふくれあがる。
交通事故の件数はここしばらく減少傾向にあるが、交通事故全体に占める自転車の事故の割合は増えている。自転車事故は人ごとではなく、いつ自分のまわりで起こっても不思議ではない。
自転車に乗るなら自転車用のヘルメットを
自転車に乗るなら、JCFやSGなどの認証シールが貼ってあるものを選ぶのがベスト。
「自転車用としてJCFやSGなどの安全に関する認証を受けたヘルメットは、衝撃吸収性試験、あごひもの強度試験、脱げにくさの試験に合格しており、事故に遭った場合に頭をしっかり守ってくれます。かつてはスポーティーなデザインのものが多かったですが、最近はシティ向けや帽子タイプなど軽快車にもなじむデザインのものが増えています。ただそんな情報をまだまだ知らない一般の方が多いので、サイクリストの皆さんがぜひ教えてあげてほしいですね。ちなみに、他用途ヘルメットは、自転車乗車時には十分な安全性能が発揮できないので、代用しないでください」
購入前には試着もお忘れなく。ジャストサイズのヘルメットをかぶれば、痛みや圧迫感を感じないだけでなく、事故などで脱げにくくなるからだ。もちろん正しくかぶることも重要だ。
「ヘルメットの重要性に気付いてもらうには、かぶっていないと危ないと自覚してもらうことが大事。もしかぶっていなかったらどうなる? などと問いかけ、一緒に考えたり。とはいえ、やはりかぶった方がすてきとかカッコイイとか、見た目から入ることも大事ですね」
知っておきたいヘルメットのメリット
頭部を守れば死亡率は下げられる
自転車乗車中死者の人身損傷主部位
(致命傷の部位/平成29年〜令和3年合計)
警察庁の調べでは、平成29年から令和3年に自転車に乗っていた際に交通事故で亡くなった方は、およそ6割が頭部に致命傷を負っていることが分かる。万一の事故の際に頭部を守るには、自転車に乗る際にヘルメットをかぶることが有効であることがわかる。

自転車乗車中のヘルメット着用状況別の致死率
(平成29年〜令和3年合計)
警察庁の調べでは、平成29年から令和3年までの5年間で自転車乗車中の交通事故でヘルメットをかぶっていなかった方の致死率(死傷者数に占める死者数の割合)は、かぶっていた方より約2.2倍高くなっている。ヘルメットをかぶれば致死率は下げられるのだ。
自転車事故の割合は増加傾向。特に未成年と高齢者が顕著
自転車関連事故件数等の推移
自転車乗用中の年齢層別交通事故死傷者数の割合
(2020年)
警察庁のデータによると、2010年からの10年間で自転車事故の件数は減り続けているものの、交通事故全体に占める割合は2016年ごろから増加傾向にある。また、自転車事故で死傷した方の年齢を見ると、20歳未満が27.1%、65歳以上が20.8%と、未成年と高齢者でおよそ半数を占めている。特にこれらの世代のヘルメット着用率を上げることが課題だ。
大切な人にヘルメットをすすめよう
安全基準を満たすものを選ぼう
ヘルメットを選ぶなら、自転車用として安全基準を満たしたものを。JCFやSGのステッカーがついているものは、さまざまな厳しい試験をクリアしているので安心だ。
ヘルメットはサイズとフィッティングが肝心。
購入前には必ず試着を!
ヘルメットは頭の形に合った適正サイズのものを正しくかぶって初めて本来の性能が発揮される。まっすぐ深くかぶり、ストラップが耳の下でV字になるように調整し、あごひもを締めたときに指1〜2本分のゆとりがあるように調整しよう。購入時は必ず試着を!



スポーツ・フィットネス以外の用途で使える
普段着になじむデザインのものも増えている

最近は普段着やスーツなどでママチャリやシティサイクルに乗るような場合でもマッチするモデルが増えている。カジュアルなデザインのシティタイプや帽子のようなデザインのものまであり、バリエーションも豊富だ。
LIBERO
価格:9680円(2022年10月発売)
問:オージーケーカブト
お話を聞いた人
オージーケーカブト 広報チームリーダー
柿山昌範さん
大阪のヘルメットメーカー・株式会社オージーケーカブトで広報を担当。自転車ヘルメットの着用啓発活動や、チャイルドやシニアに向けた製品PRなど、広報販促に携わってきた。
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- CREDIT :
-
TEXT:浅野真則 PHOTO:編集部
取材協力:オージーケーカブト
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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