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ポガチャル28km独走でアルデンヌクラシック初戦を圧勝|アムステル・ゴールドレース

アルデンヌクラシックの初戦、アムステル・ゴールドレースが4月16日にオランダで行われ、この大会4年ぶりの参戦となったタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)が独走で初優勝。残り94kmでみずから先頭グループを形成すると、フィニッシュまで28kmを残したところでアタック。これを決めて終盤はひとり旅になった。

マチューのアドバイスを頼りに勝負どころを定めたポガチャル

今回で57回目を迎える大会は、オランダ南部・リンブルフ州の丘陵地帯をめぐるレース。同地やベルギー南部を走るアルデンヌクラシック3連戦の皮切りとして定着していて、次々とやってくる急坂と「1000のコーナー」ともいわれるテクニカルなレイアウトが特徴。春のクラシックシーズンが大詰めを迎えていることを感じさせるレースでもある。

253.6kmに設定されたルートには、33カ所の登坂セクションが詰め込まれる。これまでから部分的にコース変更がなされており、この大会の名所であるカウベルグは3回から2回の登坂に減っている。

序盤に7人の逃げが決まると、メイン集団はポガチャル擁するUAEチームエミレーツがコントロール。スタートから100km進んだ頃から集団のペースが上がったこともあり、フィニッシュまで110km以上残しているところで逃げを吸収。どこで新たな展開が作り出されるかが焦点となった。

©️ UAE Team Emirates / sprintcyclingagency

その状況は早い段階で訪れ、残り94kmで集団のスピードアップによって分断が発生。16人が先行する状況となり、ポガチャルやトーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)といった優勝候補がジョイン。やがて、このパックは11人に落ち着き、メイン集団に対して30秒ほどのリードでしばらく推移した。

先頭11人
トーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)
マグナス・シェフィールド(イネオス・グレナディアーズ、アメリカ)
ジャンニ・フェルメールス(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー)
タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)
ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト、アイルランド)
スタン・ファントリヒト(スーダル・クイックステップ、ベルギー)
ラルス・ファンデンベルフ(グルパマ・エフデジ、オランダ)
ケヴィン・ゲニエッツ(グルパマ・エフデジ、ルクセンブルク)
アクセル・ザングル(コフィディス、フランス)
アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・カザクスタン チーム、カザフスタン)
アンドレアス・クロン(ロット・デスティニー、ベルギー)

メイン集団は先頭グループにメンバーを送り込めなかったユンボ・ヴィスマやトレック・セガフレードが牽引し、前線合流を図るがなかなかうまくいかない。残り52kmでは大規模な落車が発生し、ドリアン・ゴドン(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)、ニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト、アメリカ)といった有力選手が巻き込まれてしまう。落ち着きを取り戻せぬうちに前を行くメンバーとのタイム差が少しずつ開いていく。

先を急ぐ前のグループでは、残り40kmでポガチャルがパンクによってバイク交換。ピドコックがスピードアップを試みていたタイミングだったが、ポガチャルは自力で前線復帰。すると、残り36kmで迎えた最大勾配13.2%のアイセルボスウェグでポガチャルがアタック。これにすぐ反応できたのはピドコックただひとり。上り終えたところでヒーリーも追いついて、先頭は3人に絞られる。

©️ UAE Team Emirates / sprintcyclingagency

それからは、ポガチャルとピドコックが主に先頭交代のローテーションを図り、自チームのエースクラスが追撃を目指しているヒーリーは付き位置で待機。ただ、この流れも長くは続かず、残り29kmで訪れたケウテンベルグで再びポガチャルがアタック。ヒーリー、ピドコックの順に振り切ると、いよいよ独走態勢に。フィニッシュまで残す距離は28.2km。

©️ UAE Team Emirates / sprintcyclingagency

ヒーリーは上り終えてからピドコックに追いつき、2人で追走するが20秒前後の差が変わらないまま。残り15kmでヒーリーがピドコックを引き離して単独で追走を始めるが、ポガチャルとの差は徐々に拡大していく。

後続の変化をよそに逃げ続けたポガチャルは、最後までリードをキープ。過去2大会は写真判定までもつれ込むなど、数人のスプリントによる優勝争いがこれまでも多かったが、今回は力でもって違いを示した絶対王者がひとりでフィニッシュまで到達した。

©️ UAE Team Emirates / sprintcyclingagency

結果的に先頭グループでレースを進めた3選手が表彰台を確保。最終盤はそれぞれ独走状態になったが、順位を保った。22歳の新鋭ヒーリーはポガチャルから38秒差の2位に入る殊勲。3位ピドコックも23歳で、優勝したポガチャルの24歳と合わせてヤングライダーが上位を占めた。

©️ UAE Team Emirates / sprintcyclingagency

3人の後ろでは、クロンとルツェンコが猛追しピドコックに迫るもわずかに届かず。最後まで追い切れなかったメイン集団は終盤にいくつも分断し、前方に残った選手たちが6位以降になだれ込んだ。

アルデンヌクラシックはベルギー南部・ワロン地方に舞台を移し、19日にラ・フレーシュ・ワロンヌ、23日にリエージュ~バストーニュ~リエージュが開催される。アムステル優勝のポガチャルはレース後に両レースへの参戦を明言。優勝候補筆頭として乗り込む。

優勝 タデイ・ポガチャル コメント

©️ UAE Team Emirates / sprintcyclingagency

あれだけ早く逃げグループに入ることになるとは思っていなかったし、かなり長い間スローパンクした状態で走っていた(60km以上チームカーを呼び続けていた)ので、最後に独走に持ち込めるなんて思っていなかった。

ケウテンベルグでのアタックは、マチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク、オランダ)が教えてくれた。一番難しい上りで、私に一番合っていた。彼は3日前にメッセージをくれて、アドバイスしてくれたんだ。

アムステル・ゴールドレース 結果

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア) 6:02’02”
2 ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト、アイルランド)+0’38”
3 トーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+2’14”
4 アンドレアス・クロン(ロット・デスティニー、ベルギー)
5 アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・カザクスタン チーム、カザフスタン)
6 アンドレア・バジョーリ(スーダル・クイックステップ、イタリア)+3’14”
7 マキシム・ファンヒルス(ロット・デスティニー、ベルギー)
8 マティアス・スケルモース(トレック・セガフレード、デンマーク)
9 アレクサンダー・カンプ(チューダー・プロサイクリング、デンマーク)
10 アクセル・ザングル(コフィディス、フランス)

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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