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ミランがスプリントで第2ステージ勝利、新城が牽引役で貢献|ジロ・デ・イタリア

ロードレースの2023年シーズン最初のグランツールであるジロ・デ・イタリアは現地5月7日、第2ステージを実施。この日からロードレースステージが始まり、202kmの平坦路を進行。ステージ優勝争いはスプリントになり、ジョナサン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)がジロ初勝利。レース終盤は新城幸也がトレインを率いる場面が目立ち、それに報いる大きな白星になった。レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)は、前日手にした個人総合首位の証であるマリア・ローザをキープしている。

新城の集団ポジショニングでミランの勝利につなげる

6日に開幕した大会は、個人タイムトライアルによる第1ステージを終えて、この日からロードレースステージへ。マリア・ローザは、世界王者にして前日の個人TTで衝撃的な走りを見せたエヴェネプールが着用する。

202kmのコースはテーラモを出発してサン・サルヴォまでの行程で、おおむねフラットなレイアウト。途中2カ所ずつの4級山岳と中間スプリントポイントを抜けてからは、スプリントに向けた各チームの動きが見ものになる。

ファーストアタックからの流れで決まった5人の逃げは、最大で3分10秒ほどの差でしばしのリード。メイン集団はトレック・セガフレードやアルペシン・ドゥクーニンクのペースコントロールで、全体的に淡々と進行した。

©️ LaPresse

4級山岳と中間スプリントはいずれも逃げメンバーが上位を占め、ポール・ラペラ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)が84.5km地点と130.3km地点に置かれた山岳ポイントを1位通過。このステージを終えた時点での山岳賞ジャージ確保を決める。また、101.5km地点と130.3km地点に設定された中間スプリントは、どちらもステファノ・ガンディン(チーム コラテック・セッレイタリア、イタリア)がトップで通過。しばらくおいてメイン集団でもポイント争いがあり、フェルナンド・ガビリア(モビスター チーム、コロンビア)が先着し全体5番目で通過をしている。

これらのチェックポイント通過後、逃げからラペラが下がって集団へ。やがて3人になった先頭パックに対して集団の勢いが上回り、フィニッシュまで34kmを残して吸収となった。

©️ LaPresse

それからはスプリントに向けたチーム単位での位置取りが本格化。たびたびやってくるラウンドアバウトでは集団が左右に割れ、それを機に各チームのポジションが大幅に変化。トレック・セガフレードやイネオス・グレナディアーズが主導権を奪い合うが、残り20kmを切ったあたりからは新城がバーレーン・ヴィクトリアストレインを率いて集団前方へ。たびたび先頭へ引き上げる場面が見られ、前線での争いに身を置いた。

©️ LaPresse

多くのチームが入り乱れて最終盤に突入するが、フィニッシュまで3.8kmで大規模なクラッシュが発生。マックス・カンター(モビスター チーム、ドイツ)、ダーン・ホーレ(トレック・セガフレード、オランダ)、マーティン・トゥスフェルト(チーム ディーエスエム、オランダ)ら数人が落車し、彼らの後ろにいた大多数の選手が足止めとなる。

これを回避し前に残ったのは約50人。後続を待つことなくフィニッシュへと急ぐと、チーム ジェイコ・アルウラーやアルペシン・ドゥクーニンクが先頭を固めて最終局面へ。残り1.4kmのラウンドアバウト、残り1kmの直角コーナーをクリアしてからも態勢は変わらず、そのままスプリントへと持ち込まれた。

©️ LaPresse

リードアウトマンからのお膳立てでカーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク、オーストラリア)が残り200mでスプリントを開始するが、その脇からガビリアも加速。さらにはパスカル・アッカーマン(UAEチームエミレーツ、ドイツ)も上がってくる。しかし、最も冴えたのは最後の100mで伸びたミラン。ダヴィド・デッケル(チーム アルケア・サムシック、オランダ)も別サイドからスピードに乗せたが、軍配はミランに上がった。

©️ LaPresse

勝ったミランはグランツール初出場で初勝利。トラックとの兼任選手で、2年前の東京五輪ではチームパシュートで金メダル。同年に世界選手権でも勝っているほか、今季はチーム・個人両パシュート種目でヨーロッパ王者に。ロードではスプリンターとして力を発揮しており、1月下旬から2月上旬にかけてい開催されたサウジ・ツアー(UCI2.1)ではステージ1勝を挙げている。そして、この勝利で一躍トップスプリンターの仲間入り。身長194cm、22歳の大型スピードマンが地元イタリアに今大会最初の勝利をもたらしている。

©️ LaPresse

マリア・ローザはエヴェネプールがキープ。総合系ライダーの多くがクラッシュを回避したが、個人総合4位でスタートしたテイオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)や同じく7位につけていたジェイ・ヴァイン(UAEチームエミレーツ、オーストラリア)、ジャック・ヘイグ(バーレーン・ヴィクトリアス、オーストラリア)らは後方に取り残され、19秒のロス。救済措置の対象となる最終3kmを前にしたタイミングでのトラブルにより、フィニッシュでの遅れがそのまま反映された形に。これにより個人総合順位に幾分のシャッフルが生じている。

ミランの勝利に直結する好アシストを見せた新城は、トップから34秒差のグループでステージを完了している。

8日に行われる第3ステージは、213kmの丘陵コース。フィニッシュ前約40kmから3級と4級のカテゴリー山岳を連続して上り、最後の10kmの上り基調。ステージ優勝争いはスプリンターが生き残れるかどうかで条件が変わってきそうだ。

ステージ優勝、ポイント賞 ジョナサン・ミラン コメント

©️ LaPresse

「チームメートが素晴らしい仕事をしてくれた。落ち着いて走るよう声掛けをしてくれて、良い位置に引き上げてくれた。自分らしいスプリントができ、本当にうれしい。フィニッシュラインを通過したときは驚きしかなかった。過去のクラッシュや苦しかった経験、家族のことを思い出した。かかわってくれたみんなにとって大きな意味を持つ勝利だ。ジロで勝てるとは思っていなかったが、準備はしっかりできていて、できるだけのことはしてみようと思っていた」

個人総合時間賞 レムコ・エヴェネプール コメント

©️ LaPresse

「このジャージカラー(マリア・ローザ)は、イタリア人なら誰でも知っているものだと実感できる1日だった。クラッシュが発生した場面はダヴィデ・バッレリーニの隣を走っていた。状況的には集団右側のスペースがなくなっていった感じで、とても残念な結果になってしまった。何とか残り3kmまではポジションをキープしようと心掛けていて、それからはスプリンターたちの動きを邪魔しないよう努めた。このあたりはスプリンターと総合系ライダーとのリスペクトにも関係してくる。クラッシュさえなければ、今日がこのジロで最もイージーなステージだったことだろう」

ジロ・デ・イタリア2023 第2ステージ結果

ステージ結果

1 ジョナサン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア) 4:55’11”
2 ダヴィド・デッケル(チーム アルケア・サムシック、オランダ)ST
3 カーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク、オーストラリア)
4 アルネ・マーリッツ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、ベルギー)
5 マリウス・マイヤーホーファー(チーム ディーエスエム、ドイツ)
6 パスカル・アッカーマン(UAEチームエミレーツ、ドイツ)
7 フェルナンド・ガビリア(モビスター チーム、コロンビア)
8 ニッコロ・ボニファツィオ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、イタリア)
9 ジェイク・スチュワート(グルパマ・エフデジ、イギリス)
10 マイケル・マシューズ(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)
125 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+0’34”

個人総合時間賞(マリア・ローザ)

1 レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー) 5:16’29”
2 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)+0’22”
3 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)+0’29”
4 シュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)+0’43”
5 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)ST
6 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+0’55”
7 アレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ)ST
8 テイオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+0’59”
9 ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ、アメリカ)+1’00”
10 ジェイ・ヴァイン(UAEチームエミレーツ、オーストラリア)+1’05”
99 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+3’07”

ポイント賞(マリア・チクラミーノ)

ジョナサン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)

山岳賞(マリア・アッズーラ)

ポール・ラペラ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)

ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)

チーム総合時間賞

UAEチームエミレーツ 15:51’30”

▼ジロ・デ・イタリア2023スタートリスト&コースプレビューはこちら
ジロ・デ・イタリア2023

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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