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レムコが開幕の個人TTでライバルを圧倒、マリア・ローザに袖を通す|ジロ・デ・イタリア

ロードレースの2023年シーズン最初のグランツール、ジロ・デ・イタリアが現地5月6日に開幕。大会初日は19.6kmの個人タイムトライアルで争われ、個人総合優勝候補のレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)が、ただひとりアベレージスピード55km/h台で走破。2位に22秒差をつける圧勝でオープニングウィン。今大会最初のマリア・ローザ着用者となった。

フロントギヤ60Tで走ったレムコ、今後のステージにも自信

今年のジロは総距離3481km、総獲得標高51200mを3週間かけて走る。長い旅の幕開けは、イタリア半島中央部、アドリア海に面したフォッサチェーズィア・マリーナをスタートする個人タイムトライアル。海沿いを19.6kmのコースをとって、各選手の脚を試す。ルートの大部分は平坦だが、フィニッシュ前2.8kmから約1kmは平均勾配5.4%、最大勾配8%の上り。最後の750mで再び上り基調となり、2つある鋭角コーナーや石畳もアクセントになる。

なお今大会はTT比重が高く、全3ステージ設けられる個人TTの総距離は73.2km。マリア・ローザ争いのカギは、これらステージをいかに攻略するかになってくると見られている。

第1走者ローレンス・ハイス(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、ベルギー)が出発して、ジロ2023が開幕。以降、1分おきに選手たちがスタートを切る。前半スタート組から22分台前半のタイムが連発し、最終盤の上りで猛然とスピードを上げたブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ、アメリカ)が22分6秒、スタート順後半に入って117番目に飛び出したジェイ・ヴァイン(UAEチームエミレーツ、オーストラリア)が22分4秒をマーク。総合系ライダーやこの日のステージ勝利を狙う選手たちの多くが出走順を後ろにしており、彼らがスタートを切る頃には22分前後のタイムがターゲットとなった。

最初の22分切りを決めたのは、3年ぶりの頂点を目指すテイオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)。こちらもコース後半の上りでペースを上げて21分58秒でフィニッシュ。すると、同じく個人総合上位候補のジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)も好タイム連発のチームメートに続く走りで21分47秒。一気にトップタイムが更新されて、各チーム最終走者の出番に。

©️ LaPresse

それまでの流れを一掃する驚異的な走りを見せたのは、今大会大注目のレムコ。9.8km地点に置かれた1つ目の中間計測ポイントでトップタイムを20秒更新すると、上り手前の16.8km地点の第2中間計測でもトップ。そして最終局面ではさらに力を加えて、フィニッシュは21分18秒。アルメイダの記録を29秒上回って、文句なしのトップとなった。

©️ LaPresse

レムコ以降もビッグネームが続々とコースへ。個人総合争いでレムコとの2強と目されるプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)は、第1計測から30秒近くの遅れを喫し、フィニッシュでは43秒差。ステージ優勝を狙って臨んだシュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)も43秒遅れ。マリア・ローザ着用を目指して地元グランツールに乗り込んだフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)は、ただひとりレムコに迫るペースで攻めたが、それでもフィニッシュでは22秒遅れ。

©️ LaPresse

その後もトップタイムに近づく選手が現れず、今大会最初のステージ優勝者はレムコに決定。唯一、アベレージスピード55km/h台で走ってみせた。昨年のブエルタ・ア・エスパーニャでグランツール初制覇を果たし、この直前にはリエージュ~バストーニュ~リエージュで圧巻の独走劇。今季初めからジロ狙いを公言し、万全の調整で乗り込んでのこの走りは調子の良さをうかがわせるものとなった。これでマリア・ローザにも袖を通したが、先が長い中でリーダージャージを着続けるのか、一度手放して先々の勝負を見据えるのか、その対応も注目される。

©️ LaPresse

最終的に、ガンナが2位、アルメイダが3位に続き、レムコとの直接対決が見もののログリッチは6位。その他総合系ライダーではゲイガンハートが4位につけているほか、ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)が55秒差の9位、アレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ)が同タイムで10位に位置。

日本人ライダー唯一の出走となった新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)は、2分33秒差の90位で大会初日を終えている。

7日に行われる第2ステージは、平坦にカテゴライズされる202km。スプリンターたちの争いも始まる。

ステージ優勝、個人総合時間賞 レムコ・エヴェネプール コメント

©️ LaPresse

「昨年のブエルタ以降、タイムトライアルはフロントギヤ60Tで走っている。簡単に使いこなせるものではないが、快適に走ることができれば大きな自信になる。レース前は他選手に15秒リードできれば十分だと考えていたが、それ以上のタイム差を得られて満足している。プリモシュ(ログリッチ)との43秒差はブエルタのときと同じだが、今回は距離が短い。最終局面のレイアウトも、フィニッシュに向かってスピードを上げるのに適していた。

普段のレインボージャージからマリア・ローザに切り替わるのも良い気分だ。ここからはこのジャージで毎日を楽しんでいきたい」

ジロ・デ・イタリア2023 第1ステージ結果

ステージ結果

1 レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー) 21’18″(Avg. 55.211km)
2 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)+0’22”
3 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)+0’29”
4 テイオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+0’40”
5 シュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)+0’43”
6 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)ST
7 ジェイ・ヴァイン(UAEチームエミレーツ、オーストラリア)+0’46”
8 ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ、アメリカ)+0’48”
9 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+0’55”
10 アレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ)ST
90 新城幸也(バーレーン・ビクトリアス、日本)+2’33”

個人総合時間賞(マリア・ローザ)

1 レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー) 21’18”
2 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)+0’22”
3 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)+0’29”
4 テイオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+0’40”
5 シュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)+0’43”
6 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)ST
7 ジェイ・ヴァイン(UAEチームエミレーツ、オーストラリア)+0’46”
8 ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ、アメリカ)+0’48”
9 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+0’55”
10 アレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ)ST
90 新城幸也(バーレーン・ビクトリアス、日本)+2’33”

ポイント賞(マリア・チクラミーノ)

レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)

山岳賞(マリア・アッズーラ)

ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ、アメリカ)

ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)

チーム総合時間賞

イネオス・グレナディアーズ 1:05’51”

▼ジロ・デ・イタリア2023スタートリスト&コースプレビューはこちら
ジロ・デ・イタリア2023

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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