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「ワールドツアーへのベルトコンベアでありたい」若手育成チームトリニティ・レーシング

2023年5月21〜28日にかけて行われた、日本最大級のステージレース『ツアー・オブ・ジャパン』(TOJ)。ここでの8ステージのレース中、第4ステージである美濃まで、総合リーダージャージを2度取り、ポイントリーダーと新人賞を譲らなかったチームがある。今年TOJ初出場となるイギリス「トリニティレーシング」だ。

このトリニティレーシングは、サイクルレーシングの用語で言うとU23のディヴェロプメントチーム。日本語で言えば23歳未満の選手のみが在籍できる若手育成チームである。今年のTOJでもU23選手の出場が少ない、と言う声も聞こえていたが、ふたを開けてみれば若手チーム・トリニティの選手たちが大活躍。「ワールドツアー選手を送り出すベルトコンベアでありたい」という方針のこのチームの実力を、TOJの各ステージで目の当たりにすることになった。

2023年ツアーオブジャパンで大活躍、U23だけのチームの成り立ち

TOJの第5信州飯田ステージのレースが終わった直後、チーム監督のジョン・モールド氏に、チームのあり方と現状を聞いた。

TRINITY Racing(トリニティ・レーシング)

イギリスのUCIコンチネンタルチーム、才能ある若手ライダーの育成に注力。2018年に創立以降これまでに、トム・ピドコック(イネオス)、ベン・ターナー(INEOS)、トーマス・グロッグ(ユンボ・ビスマ)、ブレイク・クイック(ジェイコ・アルーラ)、ルディ・ポーター(ジェイコ・アルーラ)、マット・ウォールズ(ボーラ)といったワールドツアー選手を輩出している。

https://trinityracing.co.uk/

ジョン・モールド(John Mould)

スポーツディレクター/Trinity Racing チームマネージャー

(プロフィール)

自身も元自転車レーサー。コモンウェルスゲーム(イギリス連邦加盟国による4年に1度のスポーツ大会)では2018年に銀メダル獲得。トラック競技ではイギリスナショナルチームに所属しいくつかのメダルを獲得し、2019年に引退して以後現職に。

チーム「トリニティ・レーシング」のコンセプト、主な目的は?

主なスポンサーであるトリニティ・スポーツ・マネージメントは、幅広いスポーツのライダーやアスリートを代表するマネジメント会社です。U23チーム、若手育成チームであることとは、彼らをワールドツアーチームやより大きなチームへと進めるのが目的です。それが私たちの役割であり、毎年行われていることです。

チームはどのようにして始まりましたか?

2018年に始まりました。トリニティスポーツとチームのオーナーであるアンドリュー・マクイッドは、心からのサイクリング愛好家です。彼はあまり直接関わりたがりませんが、このスポーツを愛するあまり、U23選手たちの育成を手伝いたい、という情熱が止められなくなりました。それがチームがここに存在する理由です。そのおかげで私たちは幸運にも、世界中を旅しながら自転車レースができます。

U23のライダーだけを集め、彼らのスキルを向上させ、次のステージへと進んでもらうことがチームの存在意義の全てです。彼らに大きく成長してもらい、教えられることの全てを伝えるのが私たちの目標です。そして、彼らが世界最高峰のレースで優勝する姿を見るのが、我々への最高のプレゼントです。

「難しいのは全ての選手に平等に機会を与えること」

ライダーはどのように選ぶのですか?

U23には素晴らしい才能が多くいます。彼らの全てが若いうちから勝利を重ねていくわけではありませんし、その進歩を辛抱強く見続ける必要があります。常にアンテナを張り、全てに目を光らせている必要があります。

ですが、その才能を選び抜くのはとても難しい作業です。そのため、今年は21人ものライダーがチームに在籍することになりました。現在はコロンビア人2人、フランス人2人、アイルランド人2人、オーストラリア人2人、ブラジル人、アメリカ人を含む世界のライダーがいます。

U23のライダーを管理する上で最も難しい点は?

彼らは皆、本当に熱心で、とてもやる気があります。だから彼ら自身に難しい部分はありませんが、彼らへの機会を我々が見つけることこそが難しいです。

我々は可能な限り平等に機会を分け与えていくことを常に望んでいますが、時々それができないこともあります。ですが、彼らの全員が優れたライダーなので、成長を続けてくれるでしょう。

これまでのライダーで、どれぐらいがワールドツアーチームに進みましたか?

始まったときから現在まで、トリニティからは8人のライダーがワールドツアーに進んでいます。2018年からの期間全てを通してこの人数というのは、我々が目指すものがどれほど難しいのかを示しています。

つまり、その期間に結構な数のライダーがいたにも関わらず、です。確かに8人というのはとても多い数ではありますが、我々はもっと多くのライダーを送り出せると思っています。ライダー全員にそうできる能力があるからです。

今年のTOJへの参加を決めたのは?

ツアー・オブ・ジャパンからいただいた招待が、とてもいい機会となりました。チームは日本でのレースは初めてですが、レース自体も日本自体も本当に楽しんでいます。しかもここまでの成績は成功と呼んでもいいほどのもの、さらに全てをスウィートにしてくれていますね。

スペシャライズドとはどういった関係なのですか?

スペシャライズドとは親密に関与しあっています。彼らは本当にそれを気にかけてくれて、ロードバイクだけでなくマウンテンバイク・レーシングでもそうです。

我々が着る全てのサイクリングキット、そしてカジュアルなキットをスペシャライズドが作ってくれています。そしてバイクのペイントも……今ここにあるロードバイクは青基調ですが、マウンテンバイクでは、新型のEPIC World Cupを明るいピンク色にペイントしてもらっています。

2週間前のチェコ・ノヴァメストでのMTBワールドカップで、そのピンク色のバイクがエリートクラスで13位に入りました。うまくいけばシーズン終了に向けてロードバイクもそのカラーリングになるはずです。ええ、とても美しいんです。

「これを実現するために必要なすべてのものは、情熱です」

チームの次のステップは何ですか?

おそらく現状維持になるでしょうね。他の現在の全てのチームがそうであるように、我々も常にスポンサーを必要としています。もしさらにスポンサーがついてステップアップできれば、まあどこまで行けるのかはまだ想像つきませんが、それが大きな次のステップになるでしょう。

ただチームは大きくなることはありません。なぜならライダーたちは23才になると私たちから離れていくからです。それは新たなライダーを見つけることを意味しますし、我々自身も彼らをワールドツアーに送り出すためのベルトコンベアであることを望んでいます。

では、今年の最大の目標は何ですか?

チームとしては、今年は我々のライダーの多くがワールドツアーチームに行くことを望んでいます、それが全ての目的ですから、ある一つのレースを目標とすることはありません。

ただ、いくつかの大きなレースはあります。来月には、U23のライダーにとっての主要なレースである「ベビージロ」が始まり、年末にはツアー・オブ・ブリテンが行われます。さらに世界選手権といったものがあります。我々は彼らが最大限に活躍できるように、サポートするだけです。

我々が参加する全てのレースで、良い結果を出したい。繰り返しですが、本当の主な目標は、選手たちが、ワールドツアーレベルに進んでいくことを願うということです。

最後にもう一度、トリニティの存在意義を教えてください。

トリニティの利点は、ライダーのキャリア全体を管理することです。ですから彼らの面倒を見て、契約やそれに付随するすべての事柄を手伝います。

それはすべて、トリニティが彼らをより良いライダーにし、より良い契約を結び、彼らが所属するチームをより良いものにするためです。それこそが、ディベロップメントチームというものの、一部であり存在意義です。

そして世界中のほとんどのチームと同じように、これを実現するために必要なすべてのものは情熱です。それこそが、全てを可能にします。そう、それは、そういうものなんですね。

新人賞とポイント賞を獲得したルーク・ランパーティ(トリニティ・レーシング)

大会公式サイトhttps://www.toj.co.jp

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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