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マチューのリードアウトでフィリプセンがスプリント勝利|ツール・ド・フランス

ツール・ド・フランス第3ステージが現地7月3日に行われ、この日からフランスへ入国。今大会最初の平坦ステージにカテゴライズされたレースは、ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー)が混戦から抜け出して勝利。最終局面ではマチュー・ファンデルプール(オランダ)のリードアウトも機能した。個人総合成績には大きな変化がなく、アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ、イギリス)がマイヨ・ジョーヌを着続ける。

フィリプセンの走りが審議対象となるも問題なしとの裁定

開幕からスペイン・バスク自治州を走り続けたプロトンは、この日から本来の舞台であるフランスへ。アモレビエタ・エチャノを出発し、途中からビスケー湾沿いに出て、昨日のフィニッシュ地サン・セバスティアンを通過。いよいよ国境を越えてフランスに入国すると、フレンチバスクの中心都市バイヨンヌへフィニッシュする。当初の予定では187.4kmに設定されていたが、周辺地域の道路事情が関係して一部ルートを変更。193.5kmで争われることになった。

©️ A.S.O./Charly Lopez

平坦ステージとあってか、リアルスタートから主だった動きが見られないまま、山岳賞でトップに立つニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト、アメリカ)とローラン・ピション(チーム アルケア・サムシック、フランス)がリードする形に。2人の逃げはメイン集団に対して2分40秒ほどのリードを得たが、それ以上広がることはなく進行。途中4カ所に設定された3級から4級のカテゴリー山岳は、いずれもパウレスが1位で通過し、山岳賞ポイントを加算。ステージ完走が条件でありながら、マイヨ・アポワのキープを決定づけている。

© A.S.O. / Pauline Ballet

65.7km地点に置かれた中間スプリントポイントは、逃げの2人が通過したのち、しばらくしてヴィクトル・ラフェ(コフィディス、フランス)が3番手で到達。前日は劇的なステージ勝利を挙げたが、同時にポイント賞のマイヨ・ヴェールを手にしており、ジャージキープを目的に集団から飛び出していた。その後1分ほどの差でメイン集団が到達し、マッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)が先着。全体4位通過で、13点を獲得している。

©️ A.S.O./Charly Lopez

フィニッシュまで80kmほどとなって、逃げていたうちのパウレスが山岳ポイント収集を終えたことを理由に、集団へ戻る判断。ピションと健闘をたたえ合いながら、先頭から下がっていく。ピションの単独となってからは集団との差は縮まる一方で、スーダル・クイックステップなどエーススプリンターを配するチームが主導権を争った。

© A.S.O. / Pauline Ballet

長くトップを走り続けたピションは、残り37kmで集団がキャッチ。文句なしのステージ敢闘賞となって、この日の働きを終えた。

残り25kmを切ってからは、各チームが隊列を組んでのポジション争い。多くのチームが代わる代わる先頭を奪い合いながら、残り距離を減らしていく。最終盤を迎え、残り8kmを切ったタイミングでスーダル・クイックステップがもう一段スピードアップ。これにイネオス・グレナディアーズなどが加勢し、チーム アルケア・サムシック、ウノエックス・プロサイクリングチームが前線へ。残り2kmで再びスーダル・クイックステップが主導権をつかむと、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティが後ろにつけて、最後の1kmとなった。

©️ A.S.O./Charly Lopez

迎えた最終局面。多くのチームが入り乱れる中、先頭に立ったのはアルペシン・ドゥクーニンク。マチューらがスピードを上げてフィリプセンの位置を固めると、緩やかに右コーナーを利用してエーススプリンターを発射。フィリプセンの後ろからはワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)、フィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス、ドイツ)が迫ったが、勢いは衰えずフィリプセンが一番にフィニッシュラインを通過した。

© A.S.O. / Pauline Ballet

フィニッシュ直後にフィリプセンの走りがワウトへの進路妨害ではないかとの疑いが出たものの、裁定は問題なし。フィニッシュ順のとおり、フィリプセンのステージ優勝で確定している。ツールでのステージ勝利は3回目。今季では7勝目。2023年シーズンは活躍が目覚ましく、その勢いはツールでも発揮された。

© A.S.O. / Pauline Ballet

ステージ102位まではフィリプセンと同タイム扱いとなり、個人総合上位陣に大きな変動はなし。アダムのマイヨ・ジョーヌもそのままで、第4ステージへと向かうことに。その他各賞の首位も変わっていない。

次の第4ステージは、ダックスからノガロまでの181.8km。この日に続く平坦ステージで、スプリンターが主役になるだろう。フィニッシュ地点は、フランス最古の常設サーキットである「シルキュイ・ポール・アルマニャック(ポール・アルマニャック・サーキット)」だ。

ステージ優勝 ヤスペル・フィリプセン コメント

© A.S.O. / Pauline Ballet

「緊張感のある最終局面だったが、これこそがツール・ド・フランス。誰にも勝利は譲りたくなかった。ヨナス(リカールト)とマチュー(ファンデルプール)の素晴らしいリードアウト、そしてチームのパフォーマンスに本当に満足している。特にリードアウトマンにマチューがいることは心強い。彼も勝てるだけのスピードを持っている。

最後はトリッキーだったが、フィニッシュへの最短距離を押さえることを心掛けた。今大会最初のスプリントステージだけあって、みんなモチベーションが高く、緊張感のあるものだった」

個人総合時間賞 アダム・イェーツ コメント

© A.S.O. / Pauline Ballet

「良い1日だった。今日はできるだけ回復することが重要だった。ツール・ド・フランスの期間中にそんなチャンスを得るのは難しいので、少ない機会を大切にしないといけない。いつでも、大会最初の平坦ステージはナーバスになる。そんな中でトラブルやクラッシュを避け、走り切れたことに満足している」

ツール・ド・フランス2023 第3ステージ結果

ステージ結果

1 ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー) 4:43’15”
2 フィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス、ドイツ)ST
3 カレブ・ユアン(ロット・デスティニー、オーストラリア)
4 ファビオ・ヤコブセン(スーダル・クイックステップ、オランダ)
5 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)
6 マーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム、イギリス)
7 ヨルディ・メーウス(ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)
8 ディラン・フルーネウェーヘン(チーム ジェイコ・アルウラー、オランダ)
9 マッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)
10 ブライアン・コカール(コフィディス、フランス)

個人総合時間賞(マイヨ・ジョーヌ)

1 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ、イギリス) 13:52’33”
2 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)+0’06”
3 サイモン・イェーツ(チーム ジェイコ・アルウラー、イギリス)ST
4 ヴィクトル・ラフェ(コフィディス、フランス)+0’12”
5 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)+0’16”
6 ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)+0’17”
7 マイケル・ウッズ(イスラエル・プレミアテック、カナダ)+0’22”
8 ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)ST
9 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ、スペイン)
10 マティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)

ポイント賞(マイヨ・ヴェール)

ヴィクトル・ラフェ(コフィディス、フランス)

山岳賞(マイヨ・アポワ)

ニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト、アメリカ)

ヤングライダー賞(マイヨ・ブラン)

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)

チーム総合時間賞

ユンボ・ヴィスマ 41:38’45”

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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