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UCI自転車世界選手権男子エリートロードレース プレビュー|ロードレースジャーナル

vol.61 予測不能なグラスゴー市街地サーキット
レムコ、マチュー、ワウト、ポガチャルらスーパースターがアルカンシェル目指す

国内外のロードレース情報を専門的にお届けする連載「ロードレースジャーナル」。今季の世界王者を決める戦い、「UCI自転車世界選手権」のロード種目・男子エリートロードレースが現地8月6日に実施される。今回の開催地、イギリス・グラスゴーのコースは史上稀に見るテクニカルコース。そこに、いまのロードシーンを引っ張るスーパースターが一挙集結した。世界が注目する一戦を前に、コースの特徴や注目選手を確認しておこう。

グラスゴー市街地サーキットで500回近くのコーナークリアが必要

自転車界初の試みとなる、“スーパー世界選手権”。13もの種目をひとつの街で開催し、競技全体の活性化を図っている。今回はグラスゴーが開催地だが、UCI(国際自転車競技連合)は今後、4年に一度のペースで実施していく方針を示している。ちなみに2027年はフランスでの開催が決まっている。

8月3日(パラサイクリング・トラックは8月2日に協議開始)からイベントは始まっており、ロード種目は5日に開始。同日は男女ジュニアのロードレースが行われている。そして、競技2日目(8月6日)に催されるのが大注目の男子エリートのロードレースである。

今年の世界王者を決める戦いは、271.1kmとワンデーレースの中でも長めの距離に設定されている。獲得標高は3570mで、イギリスを構成する一国であるスコットランドの首都・エディンバラを出発。アーサーズ・シートでスタートが切られると、エディンバラ城の旧市街を通過。フォース湾にかかる大型橋「クイーンズフェリー・クロッシング」などを通過しながら、グラスゴーへと向かう。

レース前半部の119.8kmはワンウェイルート。この間、大小のアップダウンはあるが、明確な登坂区間とされているのが距離5.8km・平均勾配10%のクロウ・ロードの1カ所。長いレース距離や出場国の陣容を見る限りは、この上りでプロトンが大きく崩れることはないとみられる。

ワンウェイルートを走り終えると、グラスゴーの市街地をめぐるサーキットへ。1周あたり14.3kmのコースを10周回する。次々とコーナーが連続し、道幅も広がったり狭まったりと、走る選手たちからすると対応に追われることは間違いない。オランダチームのエースを担うマチュー・ファンデルプールに言わせれば、「レースをコントロールするのが難しいコース」とのこと。さらに「コーナーからコーナーまでをレースしているような感覚で、周回に入ってからは何度もスパートすることが求められる」とも。フランスチームの監督を務めるトマ・ヴォクレールも「1周あたり48ものコーナーがあり、レースを通して500回近くクリアしないといけない」と解説している。

グラスゴー市街地サーキットでは無数のコーナーを抜ける(写真は男子ジュニア) ©︎ UCI

無数のコーナーに加えて、モンローズ・ストリートの上りも重要な局面に。登坂距離は200mと短いが、平均勾配10.8%・最大勾配14.5%の急勾配。最終周回においては、フィニッシュ前約1.5kmのポイントに位置しており、その後の下りも含めて優勝争いを大きく動かすものとなりうる。

重要なのは走力と同時に、コーナーリングとハンドリングのテクニック、そして集団内でのポジショニング。5日の行われたジュニアのレースではコーナー各所でクラッシュが相次いでおり、レースペースが高まるエリートの戦いにあってもトラブルには注意が必要。ひとたび落車やバイクトラブルに見舞われれば、前線復帰はかなりの労力を要することだろう。運も持ち合わせる必要がありそうだ。

5日に行われたジュニアのレースでは、集団から抜け出して逃げでレースを展開した選手たちがそのまま優勝争いへ。エリートでも特定のチームによるコントロールが難しくなるようだと、前線で走る選手たちが有利な形になることも大いにありうる。

9人出走のベルギーに、オランダやフランスが絡んでいく構図か

グラスゴーのコースには、いまのシーンを引っ張るビッグスターが集結する。例年であればロード世界選手権は9月の下旬開催だが、今回は8月上旬に行われるとあって、先のツール・ド・フランスを走り終えた選手から、後に控えるブエルタ・ア・エスパーニャまでを見据える選手まで顔をそろえる。時期的にも、かなり仕上がっている選手が多いことだろう。

最大の目玉は、2連覇がかかるレムコ・エヴェネプール(ベルギー)。直近では、クラシカ・サンセバスティアンで快勝。長い時間レースを支配し、最後もライバルとのスプリント勝負に勝ってみせた。レムコと言えば独走が代名詞だが、この頃はスプリント力の向上にも自信を見せており、あらゆる勝ち方ができるようになっている。

ベルギーチームは、前回レムコが勝ったことによる増枠で9選手が出走する。ワウト・ファンアールトはレムコと並ぶチームリーダーで、テクニカルな周回コースはおあつらえ向きと言えそうだ。タレントぞろいのチームはどのようにレースを組み立てるだろうか。

コース適性でいえば、前述したマチューも当然挙がってくる。前回大会はレース前夜に起きたホテルでのトラブルでとても走れる状況ではなかったが、今回はリベンジにもかけて臨むことだろう。本人によれば「コースの特性からして、ライバルをひとりに絞ることは不可能」とのこと。優勝候補筆頭に挙げる声もあるが、「多くの選手に可能性があり、私が本命とは考えられない」とも。マチュー擁するオランダチームはベルギー勢に対抗する一番手であることは間違いない。

そこに対峙するのがタデイ・ポガチャル(スロベニア)だ。ツールでの疲労によって今大会を回避することも考えられたが、調整が順調なこともあって出場を決めた。レムコと同様に独走に持ち込める力業が魅力ではあるが、レースをどう自分向きにするかは見もの。チームとしてはベルギーやオランダに劣るとされるが、ポガチャルの力としては両国に対抗することは十二分に可能だ。

©︎ A.S.O./Charly Lopez

これらスーパーエースを擁する国々と同様に、出場枠「8」を持つフランスはジュリアン・アラフィリップが中心となる。同じく8人出走のイタリアは選手層が厚い中から、テクニカルなコースに強いアルベルト・ベッティオルをリーダーに立てる。開催地イギリスはフレッド・ライトの対応力で勝負する。

人数をそろえられる国の多くで、スプリンターを配備。大会前にはスプリンターでも対応可能なコースとの見方もあったが、コースのテクニカルさと急坂に彼らがどう対応するか見もの。展開次第では、こうした脚質の選手を前線に送り込んでライバルチームを威圧したり、集団が大きく崩れることなく終盤まで進んだ際の“飛び道具”として生かすことになるだろう。

主なスプリンター系ライダーとしては、ヤスペル・フィリプセン(ベルギー)、ブライアン・コカール、クリストフ・ラポルト(フランス)、ベン・スウィフト(イギリス)、オラフ・コーイ(オランダ)、マッテオ・トレンティン(イタリア)らが挙がる。デンマークはマッズ・ピーダスン、オーストラリアはマイケル・マシューズがエースを務める公算で、彼らのスピードを生かすためにアシスト陣がレースを構築していく。

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

そのほかには、アメリカチームがアウトサイダーとして注目株。ニールソン・パウレスやクイン・シモンズといった選手たちが複数のオプションを有する。今春ブレイクしたベン・ヒーリー(アイルランド)、シュテファン・キュング(スイス)といった存在も、もつれた展開になればおもしろい存在だ。

日本からは、新城幸也が単騎参戦。コース試走も終えて、あとはレースを迎えるのみ。数的不利は否めないが、チャンスをうかがいながらレースを進めていく。

新城幸也が新日本代表ジャージで単騎グラスゴーでの世界選手権を走る|ユキヤ通信

新城幸也が新日本代表ジャージで単騎グラスゴーでの世界選手権を走る|ユキヤ通信

2023年08月05日

各国の出走数は、UCIの国別ランキングをもとに決定している。基本的には最大出走枠が「8」で、前回優勝枠を持つベルギーのみが「9」。レース展開としては、最大出走数で臨むベルギーやオランダ、フランスなどが主導権を握って進めていくものと考えられる。スタートは現地時間午前9時30分(日本時間午後5時30分)となっている。

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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