トレザイスが逃げ切って勝利、大会初代王者はゼイツ|マイナビ ツール・ド・九州2023
Bicycle Club編集部
- 2023年10月09日
九州各地を走ってきた「マイナビ ツール・ド・九州2023」(UCIアジアツアー2.1)は、10月9日に行われた第3ステージで閉幕。大会最終日はオーストラリア勢3選手の逃げ切りが決まり、最後はデクラン・トレザイス(ARAスキップ・キャピタル)が勝利。個人総合は前日トップに立ったアンドレイ・ゼイツ(アスタナ・カザクスタン チーム)がリードを守って初代王者となった。
また、小倉のクリテリウム、第1ステージの福岡で連勝した地元福岡出身の兒島直樹がポイント賞を獲得した。
驚異の粘りをみせた3人が逃げ切り
大会の最後を飾るのは、大分県。日田市のオートポリスを出発し、同市の大原八幡宮までの129km。序盤はオートポリスを3周し、下り基調を進んだのちに日田市街地を含む11.5kmの周回コースを5周する。
スタート直後はオートポリス内に設けられた9.3km地点のスプリントポイントに向かって、チーム ブリヂストンサイクリング勢がペースを上げる。ポイント賞でトップに立っている兒島直樹をアシストし、1位通過に成功させている。
日田市街に向かって針路をとると、下り基調かつ前夜までの雨で濡れた路面で落車がたびたび発生。個人総合3位につけていた留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOディヴェロップメントチーム)もコーナーでクラッシュし、リタイアに終わっている。
このステージ1つ目の山岳区間である4級の上津江で22選手がリードを得る。実質メイン集団が割れた形になって、2つ目の4級山岳・天瀬を通過後にベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)、ライアン・カバナ(キナンレーシングチーム)、トレザイスの3人が抜け出した。
この流れのまま日田市街地の周回コースに入り、先頭3人は後ろに対して1分30秒のリードで逃げる。集団が割れた際に後方に取り残された選手たちもペースを上げて、前のグループに合流。これで各チームの態勢が整うと、逃げる3人との差を少しずつ縮めていく。
一時2分以上あった差は1分を切り、最終周回の鐘を聞く頃には50秒差に。しかし、個人総合6位と7位でスタートしていたダイボールとカバナの利害が一致していたこともあり、先頭3人のペースは最後まで衰えず。残り2kmで25秒、最終の1kmで15秒の差で、逃げ切りが濃厚になった。
そして最終局面。ここまで先頭牽引する時間が少なかったトレザイスが残していた脚を生かして2人の前に出る。カバナが追ったが届かず、トレザイスのステージ優勝が決まる。メイン集団は8秒差で続き、この中でフィニッシュしたゼイツが個人総合優勝を決めた。
アスタナ勢はゼイツとアントニオ・ニバリで個人総合ワン・ツーを達成。留目がリタイアしたことで、ウィリアム・イーブス(ARAスキップ・キャピタル)が3位に上がった。
その他各賞は、ポイント賞を兒島が守り切ったほか、山岳賞はベンジャミ・プラデス・レヴェルテ(JCL TEAM UKYO)、ヤングライダー賞はイーブス、チーム総合ではEFエデュケーション・NIPPOディベロップメントチームがそれぞれ獲得した。
ステージ優勝 デクラン・トレザイス コメント
「勝つというチームのプランを実行でき、幸せな気分です。スプリントには自信があるんです。いい一週間になりました。来年もまた戻ってきたいです」
個人総合時間賞 アンドレイ・ゼイツ コメント
「今日は3人の逃げをチームメートが追い上げてくれたおかげで総合優勝ができました。初めて日本に来ることができ、ハッピーです。主催者に感謝を述べたいと思います。日本が好きです」
マイナビ ツール・ド・九州2023 第3ステージ結果
1 デクラン・トレザイス(ARA スキップキャピタル))2時間57分32秒
2 ライアン・カバナ(キナンレーシングチーム)+0秒
3 ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)+2秒
個人総合時間賞
1 アンドレイ・ゼイツ(アスタナ・カザクスタン チーム)9時間13分30秒
2 アントニオ・ニバリ(アスタナ・カザクスタン チーム)+25秒
3 ウィリアム・イーブス(ARAスキップ・キャピタル)+33秒
ポイント賞
兒島直樹(チーム ブリヂストンサイクリング)
山岳賞
ベンジャミ・プラデス・レヴェルテ(JCL TEAM UKYO)
ヤングライダー賞
ウィリアム・イーブス(ARAスキップ・キャピタル)
マイナビ ツール・ド・九州2023 公式ウェブサイト
https://www.tourdekyushu.asia/
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