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ツール・ド・フランス2024のコースが明らかに! パリを離れニース個人TTで閉幕

ツール・ド・フランス2024年大会のコースが10月25日に発表され、3週間に及ぶ壮大な“旅”の全容が明らかに。オリンピック開催のため、大会としては60年ぶりに首都パリ以外での閉幕となるほか、総距離3492kmの中には急峻な山岳はもとよりグラベル区間の採用など、いつも以上にタフなコース設定がなされることとなった。

大会序盤からアルプスへ。グラベルやピレネーステージも高難度

パリで行われたコースプレゼンテーションには、男女合わせて多くのトップ選手が出席。それぞれの2023年大会覇者であるヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)とデミ・フォレリング(チームSDワークス、オランダ)も参加し、連覇がかかる次回大会の詳細を見守った。

©️ A.S.O./Maxime Delobel

男子ツールについては、イタリア・フィレンツェ開幕ならびにニース閉幕は既報のとおり。注目されたのは、この2つの街をつなぐ3週間のルートがいかなるものであるか、だった。

開幕からの3日間はイタリア国内を走行。第1ステージはフィレンツェ・ミケランジェロ広場をスタートし、1930年代から40年代にかけてツールを席巻したジーノ・バルタリを称えるルートがとられる。大会初日から獲得標高3800mを超え、途中では小国サンマリノにも入国する。

第2ステージは、マルコ・パンターニの故郷チェゼナティコをスタート。続く第3ステージが今大会最初の平坦ステージにカテゴライズされる。

ツール・ド・フランス2024第2ステージ

第4ステージからフランスに入り、いきなりの本格山岳。アルプスの山々を行き、最後はガリビエからヴァロワールへと下る。以降は北西に針路をとり、第7ステージで今大会1つ目の個人タイムトライアル(25km)に挑む。

ツール・ド・フランス2024第4ステージ

大会第1週最大の見ものとなりそうなのが、第9ステージ。199kmに設定されるレースにあって、47km地点からグラベル区間へ。全14セクションあり、とりわけ最後の6セクションはフィニッシュまでの35kmに詰め込まれる。個人総合争いにおいては、山岳やTT以上の試練となる可能性をはらむ。

ツール・ド・フランス2024第9ステージ

第2週は、パリから130kmほど南に位置するオルレアンから。第10ステージは平坦ではあるものの、風が強まると厳しいレースに。中央山塊を走る第11ステージは、獲得標高4350mの本格山岳。

ツール・ド・フランス2024第11ステージ

2つの平坦ステージをはさんで、ピレネー山脈へ。第14ステージは50年前にレイモン・プリドールがエディ・メルクスを圧倒したサン=ラリ=スランのプラ・ダデへ。続く第15ステージがフランス革命記念日(7月14日)にあたり、獲得標高4850mを数えるコースの最後はプラトー・ド・ベイユの頂上で迎える。この上りは登坂距離15.8km・平均勾配7.9%で、マイヨ・ジョーヌ争いを動かす1日となることが予想される。

ツール・ド・フランス2024第15ステージ

運命の大会第3週は、南仏からアルプスへと戻るルーティング。終始上り基調の第17ステージから最終盤の山岳決戦が始まると、丘陵コースの第18ステージをやり過ごしたのちに南アルプスへ。第19ステージでは標高2000mを超える2つの上りをこなしたのちに、これまた2000m超のイゾラ2000の頂上へ。

ツール・ド・フランス2024第19ステージ

マイヨ・ジョーヌ争いはまだまだ終わらず、第20ステージでは133kmに急峻な4つの上りが待ち受ける。締めは登坂距離15.7km・平均勾配7.1%のコル・ド・ラ・クイヨールの頂上フィニッシュ。

ツール・ド・フランス2024第20ステージ

いつもであれば第20ステージを終えた時点でマイヨ・ジョーヌの行方は決着しているところだが、2024年大会は「いつものツール」とはまったく異なる趣きに。ニースでのフィニッシュによって実現するのが、モナコから同地までの34km個人タイムトライアルによる最終決戦。ラ・トゥルビー(8.1km、5.6%)とエズ峠(1.6km、8.1%)、2つの上りをこなし、長くテクニカルなダウンヒルを経てニースのフィニッシュラインへと達する。個人総合上位陣が僅差だと、劇的な幕切れとなることは必至である。

ツール・ド・フランス2024第21ステージ

会期は6月29日から7月21日まで。全21ステージの内訳は、平坦8・丘陵4・山岳7・個人タイムトライアル2。総獲得標高は52230m。各ステージでは、フィニッシュ上位3選手に10秒・6秒・4秒のボーナスタイムが付与されるほか、コース途中に8秒・5秒・2秒のボーナスポイントが置かれることも決まっている。

選手たちの反応は?

コース発表を受けて、トップライダーたちの反応もさまざまだ。

次回大会で個人総合3連覇がかかるヴィンゲゴーは、「エキサイティングだ。特に第3週の難易度は高いと感じている。私にとってはピッタリのコース設定で、とても楽しみだ」とプレゼン後にコメント。

特に来年のツールは、最大のライバルであるタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)、レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)、そして今季までチームメートだったプリモシュ・ログリッチ(2024年よりボーラ・ハンスグローエ、スロベニア)とのマイヨ・ジョーヌ争いとなることが見込まれている。ツール史上最高レベルとも言えそうな戦いに向けても前向きで、「われわれ4人がそろえば大きな戦いになるはずだ。とても楽しみだよ」とも。

©️ A.S.O./Maxime Delobel

王座奪還を目指すポガチャルは、プレゼンこそ欠席したもののフランスメディアを通じて「コースに対する満足度は高い」と述べた。さらに、「ここ数年より難しいコースになったように思えるので、大会開幕の段階から調子を上げていかないといけない」と続ける。拠点とするモナコがスタート地になる最終・第21ステージへの楽しみも膨らんでいるようで、「ツールを勝つにはこのステージまで絶好調でないといけないね。日々トレーニングで走る道をツールで走れるなんて特別な気分。きっと笑顔で3週間の旅を終えられると思うよ」と明るい。

一方で、スプリンターにはハードなツールとなりそうだ。今季限りでの引退を撤回し、ステージ優勝記録単独トップとなる35勝目を目指す決断をしたマーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム、イギリス)は、「少しばかりショックを受けている」と語った。平坦ステージにフォーカスするためには、いつも以上に難しい山岳をクリアしていかねばならず、「いままで走ってきたツールと比べても難易度が高い。どうやって山岳ステージを乗り切るかが大きな問題になってくる。とにかくトリノ(第3ステージ)からチャレンジしていくしかない」と、できるだけ前向きに努めている様子だった。

©️ A.S.O./Maxime Delobel

ツール・ド・フランス2024 コース

6月29日 第1ステージ フィレンツェ-リミニ 206km 丘陵
6月30日 第2ステージ チェゼナティコ-ボローニャ 200km 丘陵
7月1日 第3ステージ ピアチェンツァ-トリノ 229km 平坦
7月2日 第4ステージ ピネロロ-ヴァロワール 138km 山岳
7月3日 第5ステージ サン=ジャン=ド=モーリエンヌ-サン=ヴルバ 177km 平坦
7月4日 第6ステージ マコン-ディジョン 163km 平坦
7月5日 第7ステージ ニュイ=サン=ジョルジュ-ジュヴレ=シャンベルタン 25km 個人タイムトライアル
7月6日 第8ステージ スミュール=アン=ノーソワ-コロンベ=レ=デュー=エグリーズ 平坦 176km
7月7日 第9ステージ トロア-トロア 199km 丘陵
7月8日 休息日 オルレアン
7月9日 第10ステージ オルレアン-サン=タマン=モンロン 187km 平坦
7月10日 第11ステージ エヴォー=レ=バン-ル・リオラン 211km 山岳
7月11日 第12ステージ オーリヤック-ビルヌーブ=シュル=ロット 204km 平坦
7月12日 第13ステージ アジャン-ポー 171km 平坦
7月13日 第14ステージ ポー-サン=ラリ=スラン プラ・ダデ 152km 山岳
7月14日 第15ステージ ルダンヴィエル-プラトー・ド・ベイユ 198km 山岳
7月15日 休息日 グリュイッサン
7月16日 第16ステージ グリュイッサン-ニーム 187km 平坦
7月17日 第17ステージ サン=ポール=トロワ=シャトー-シュペルデヴォリュイ 178km 山岳
7月18日 第18ステージ ガップ-バルスロンネット 179km 丘陵
7月19日 第19ステージ アンブラン-イゾラ2000 145km 山岳
7月20日 第20ステージ ニース-コル・ド・ラ・クイヨール 133km 山岳
7月21日 第21ステージ モナコ-ニース 34km 個人タイムトライアル

ウィメンズツールはアルプ・デュエズ最終決戦

ウィメンズツール「ツール・ド・フランス ファム」の2024年大会コースも発表され、8月12日から18日までの会期で全8ステージによって争われることに。

オランダ・ロッテルダムで開幕し、同地を基点に3ステージを行ったのちにフランスに向かって南下。第4ステージでベルギーに入国し、続く第5ステージで同国からフランスへと移る。

ツール・ド・フランス ファム2024第4ステージ

大会中盤以降は丘陵または山岳ステージが続き、第7ステージではル・グラン・ボルナン、そして最終の第8ステージではアルプ・デュエズの頂上にフィニッシュ。

ツール・ド・フランス ファム2024第8ステージ

総距離は946.3kmで、内訳は平坦3・個人タイムトライアル1・丘陵2・山岳2。2024年大会では連覇がかかるフォレリングはコースの印象を「(自国である)オランダ開幕にワクワクしている。また、アルプ・デュエズは今まで上りたいと思っていながら実現していなかった。ツールという大舞台で上れることが今から楽しみ」とコメント。チームメートで現在の世界女王であるロッテ・コペッキー(ベルギー)は、開幕前日にパリ五輪トラック競技のオムニアムを走っており、ツール出場は不透明だとしながらも「魅力的なコース。ベルギーを通過するのはとてもうれしいし、個人的には参加する方法を模索していきたい」と語っている。

©️ A.S.O./Maxime Delobel

ツール・ド・フランス ファム2024 コース

8月12日 第1ステージ ロッテルダム-ハーグ 124km 平坦
8月13日 第2ステージ ドルトレヒト-ロッテルダム 67km 平坦
8月13日 第3ステージ ロッテルダム-ロッテルダム 6.3km 個人タイムトライアル
8月14日 第4ステージ ファルケンブルフ-リエージュ 122km 丘陵
8月15日 第5ステージ バストーニュ-アンネヴィル 150km 平坦
8月16日 第6ステージ ルミルモン-モルトー 160km 丘陵
8月17日 第7ステージ シャンパニョル-ル・グラン=ボルナン 167km 山岳
8月18日 第8ステージ ル・グラン=ボルナン-アルプ・デュエズ 150km 山岳

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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