浅草の銘店『龍圓』特製、究極のXO?! その作り方を大公開

中華料理の美味しさを会得する最速で最良のアイテムが『醬』だと言われている。その醬の中でも最上位に君臨するのが『XO醬』だ。店ごとにレシピが異なり、個性の決め手にもなり得る至高の調味料とも言われる。今回は浅草にある銘店『龍圓』のオーナーシェフ栖原一之氏が門外不出とされる究極のXO醬の作り方を教えてくれたので早速紹介しよう。

XO醬とはどういったものなのか?

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栖原氏によると「はっきりした定義はなく、料理人によって材料や製法、使い方も様々」なのだとか。しかし、コストのかかる乾物を主材料とするのは間違いなく、「1980年代、香港のペニンシュラホテルが始まりとされ、当時は最高級(eXtra Old)ブランデーを嗜むような富裕層しか口にできなかったようです」。今では世界各国に広まり、一般的には辛さのある塩味で知られている。

「私のXO醬は熱々のご飯や冷奴にのせるだけでウマい、子どもだって楽しめる味。干し貝柱や干し海老といった、味わいたっぷりの良い食材を使うのに、あえて辛くする必要があるのかなと。好みもありますが、大切なのは旨味を引き出すこと。目的に合った切り方や最適な調理順を守れば、調味料としてだけでなく単品でもイケる、最高に染みるXO醬ができあがるはずです。作る際は可能な限り材料は完璧に。加熱時に焦がさないことも重要です!」と熱く語ってくれた。

『醬』を極める3食材はこれだ!

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干し貝柱(写真・右)
外国産とはレベルが違うため、青森を中心に国産のみ使用。仙台『KUROMORI』が自作した逸品を譲り受けることもある。

干し海老(写真・中)
国産だと粒が小さく味の深みにかけるため、香港で仕入れることが多い。海老卵を乾燥させた高級食材の蝦子(シャーヅ)も使う。

エシャロット(写真・左)
玉ネギや長ネギだと加熱時に溶けてしまい、食感を生かせない。ネギ系の甘みと香りを盛り込むには国産エシャロットが最適なのだ。

『龍圓特製XO醬』そのレシピを大公開!

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料理人と同じ数だけ存在し、門外不出とされることが多いXO醬のマル秘レシピを公開! 龍圓が実際に使用している素材と手順を、寸分違わずに再現してもらった。

【材料】 作りやすい分量
・干し海老 ……250g(戻した状態)
・ニンニク ……70g
・エシャロット ……250g
・米油 ……1kg
・蝦子 ……10g
・干し貝柱 ……350g(戻した状態)
・塩 ……10g
・砂糖 ……10g
・ラー油 ……60g

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1、干し海老はセイロで20分ほど蒸し、水気をとって包丁で刻む。ミキサーだと食感と風味が落ちる。
2、剥いたニンニクの粒を真ん中で割り、爪楊枝で芯を取る。匂いが手に移らないようゴム手袋を推奨する。
3、2をフードプロセッサーにかけ、粗めに砕く。ちなみにニンニクは香りの強い国産皮付きが理想だ。

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4、エシャロットをみじん切りに。水分が抜けないよう鋭い包丁をつかうこと。叩き切ってはダメだ。
5、米油を鍋に入れ、エシャロットがはじけない程度の温度、約140度にして、水分の多い材料から投入しよう。
6、4→3の順に鍋へ入れ、泡が小さくなったら引き上げる。焦げ付きやすいので撹拌を忘れずに。

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7、鍋に干し貝柱と1、蝦子、砂糖、塩、ラー油を投入。ラー油も自家製を使うと格段に風味が増す。
8、焦げ付きに気を付けつつ、油が澄んできたら6を再び鍋に。長期保存するなら長めに火を通して。
9、水分が飛んで油が澄んできたら火を止める。一晩かけて冷ませば完成。急激に冷やすのは御法度だ。

それでは最後に、醬が主役の一品を紹介しよう。

シンプルな料理で醬の魅力をダイレクトに食材へ!

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チンゲン菜のXO醬炒め
【材料】 2人分
・チンゲン菜 ……2株
・XO醬 ……小さじ1
・醤油 ……小さじ1
・塩 ……少々
・水 ……少々
・水溶き片栗粉 ……少々

【作り方】
1、チンゲン菜を軽く塩茹でする。
2、XO醬の油を鍋に引き、少し火を通す。
3、XO醬の具を②に入れて軽く炒めてから、1を投入して炒める。
4、醤油、塩、水、水溶き片栗粉を3に加えて炒め、味をなじませて完成。

様々な旨味の詰まったXO醬はチンゲン菜をはじめ、食感が良く彩りの良い青野菜と相性良し。無闇に凝った味付けをせずとも、両者を馴染ませるように炒めれば、立派な一品が出来あがる。ポイントは歯応えを残すこと。シャキシャキ感が海鮮の香りと旨味を引き立て、XO醬の底力を実感させてくれるだろう。

究極のXO醬、いかがだろうか? 作るためには面倒で地味な作業が多いが、全てこなしてこそ繊細で深い風味が実現できるのだ。是非一度、試してみてほしい。

【DATA】
●龍圓(リュウエン)
住所:東京都台東区西浅草3-1-9
電話番号:03-3844-2581
営業時間:12:00~14:30(日曜~14:00)、17:30~21:30(日曜~21:00)
定休日:月曜

●栖原 一之
21歳から都内の上海料理店で研鑽を積み、1993年に地元浅草は花川戸に「中国小菜龍圓」オープン。1998年に現在の地へ移転した。下町を代表する名料理人の一人。

(出典:『プロ式 中華料理の作り方』

(ヤマダタケシ)

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