牛正肉部位大図鑑|マイナー部位まで完全網羅!
buono 編集部
- 2020年09月28日
INDEX
あなたは牛肉が好き?
牛肉好きを名乗るならば、やはり押さえておきたいのは部位名。
マイナー部位が広まった現在だからこそ、知っておきたい各名称と特徴をここに一挙紹介する。
(分割方法や呼称は主に関西地区で用いられているものを基準としています)
肩ロース
肩ロース顔
肩ロースの中でもリブロースに最も近い部位が”顔”と呼ばれる。豊富な霜降りときめ細かく、やわらかな肉質にファンが多い。
肩ロースしん
肩ロースから顔、しん三角を外したパーツ。甘みのあるしっかりとした味わいで、しゃぶしゃぶに打ってつけだ。
肩ロースしん三角
すべての牛に発生するとは限らないレアな部位。“肩ロースしん” につながる1kgほどのブロックでステーキに最適。
肩コブ(別名:ちからコブ)
肩ロースのうち、最も背中側の細長い形をした稀少部位。硬さがあるが、煮込むことで旨味が出る。別名:ちからコブ
ネック(別名:ねじ)
ゼラチン質の多い、首まわりの部位。脂が一部分に偏在しているため塊肉で販売されることが多い。
カマトロ
トロの名は、1頭からわずか600gしかとれない稀少性から。サシが多くてジューシー、かつ甘みが強く味わい深い。
はねした(別名:ざぶとん、もみじ)
肩ロース下部のあばら骨側にあり、肉質はきめ細かく、霜降りはびっしり。すき焼きにおすすめ。
ひも
ネックと骨につながるスジの多い部分。一般に流通することは少なく、プロは煮込みやシチュー、スープストックに用いる。
肩引き
読み方は「けんびき」。牛の頭を支えるスジで、圧力鍋を用いてもやわらかくならない。食感を楽しむ通好みの部位である。
ウデ(カタ)
とうがらし
ウデからとれる細長い塊肉。しっかりとした肉質で、適度な大きさと均一な太さがあるため、ローストビーフにぴったり。
うわみすじ
名前の通り、みすじの上に付いている赤身。食感がハラミに似ているため、斜め切りで焼肉に、厚切りでステーキに使われる。
やり
ロースに負けないほどのサシが入ることで知られる部位で、脂が多く華やか。匂いが少ないため食べやすい部位とされる。
うでちまき(別名:うでまくら)
形の良い塊部位で扱いやすく、サシの入り方も美しい。脂が程良い赤身として焼肉、煮込みに用いられる。
みすじ
肩甲骨の内側に位置する稀少部位。肉質はきめ細かく、とろける食感はステーキからすき焼き、しゃぶしゃぶまで用途多数。
くり
みすじとつながる稀少部位で、きめ細かく美しいサシの入り方が特徴。厚みもあるためローストビーフにおすすめである。
ラム(ランプ)
イチボ
味が濃く、噛むほどに旨味が広がる。サーロインへとつながる臀部の骨周りに位置する。H born(エイチボーン)が語源。
ラムじり
イチボの端で、サシがしっかりと入っている。わずかに硬さを感じるこの部位は、しゃぶしゃぶ用に販売されることが多い。
ラムしん
“赤身の中で最もやわらかい”と称されることもある部位。脂が少ないため、ビフカツや炒め物に向いている。
ラム本体
ラムしんと隣接する大きな部位で、クセがなく食べ飽きにくい。使用用途は広いが、中でもローストビーフに最適とされる。
外平(外モモ)
まくら
モモ肉の中でも運動量が多い部位であるため、肉質はやや硬め。だが、噛むほどに野趣溢れると称賛するツウも多い。
はばき(別名:だきちまき)
スネ肉につながる部位で、手間をかけてスジ引きすることで美味しい赤身肉がとれる。
外平本体
外平の中では外側に位置する、まくら、はばきを外した赤身部位。肉質はラムじりに、食感はイチボに似て、用途は幅広い。
千本筋
はばきの中心にある部位で、文字通りスジが入り乱れる。牛1頭から500~600g程度しかとれない食感の楽しい超稀少部位。
内平(内モモ)
小モモ
後ろ股の付け根の内側にあたる脂肪分の少ない部位で、キメは粗いがやわらかい。噛めば弾力があり、安価なのも嬉しい。
内平本体
小モモ同様、キメは粗いがやわらかい。塊でローストビーフにするのも良いが、しゃぶしゃぶにすればさっぱり感が活きる。
内平かわ
ブロックの段階で薄い部位であるため、スライスには不向き。赤身の切落としとして販売されることもあるのが、この部位。
丸(シンタマ)
ひうち
歯応えがありながら、歯切れが良く、霜降りだが脂にクセのないオーソドックスさが人気。丸しん外側の三角形の肉である。
丸しん(別名:しんしん、しんたま)
丸のど真ん中にあり、円柱のような棒状。厚さにムラがなく、大きさも手頃でステーキに最適。
かめ(別名:かめのこ)
丸みのある見た目からその名がついた赤身肉。カットの仕方に自由度があるためステーキに向いている。
丸かわ
丸しんを覆う部位。サシは少ないが、キメが細かくやわらかな肉質が特徴の赤身である。細切りにして炒め物におすすめ。
リブロース
リブロースカブリ
サーロインにつながる筋肉の最も肉厚な部位。派手さはないが味のバランスが良くカルビとして提供する店もある。
リブしん
その名の通り、リブロースの芯にあたる部分。サーロインと同格、またはそれ以上に霜が降り、キメ、ツヤいずれも素晴らしい。
巻きロース(別名:三角ロース)
リブしんを包み込むように存在する部位で、霜が良く振っており、ジューシーでやわらかい。
内バラ
ヘッドバラ
三角バラと内バラのつなぎ目、内バラの先端に位置することからヘッドと呼ばれる。部位内で随一の霜降りの美しさを誇る。
内バラのゲタカルビ(別名:中落ちカルビ、バラヤマ)
内バラのうち、肋骨間の肉を削ぎ落とした肉。味わいは濃厚で肉々しく、かつジューシー。
かいのみ
内バラの中で、ヒレに近い場所にある部位で、焼肉店では上カルビとして提供されることが多いやわらかな肉質のパーツ。
かいのみカブリ
かいのみを覆う部位。かいのみを洗練させるために取り除かれる部位だが、普段使いとしては十分に美味しい肉である。
外バラ(トモバラ)
たてバラ(別名:トロカルビ)
外バラの中で内側に位置する、旨味の濃厚なパーツ。脂肪分が豊富で、焼肉に適している。
ササミ
腹部にあたる、外バラの中では唯一の赤身。肉質は繊維質で引き締まっている。名前の由来は笹の葉に似ていることから。
外バラのゲタカルビ
肉質、味わいともに内バラのゲタカルビと同様であるため、大抵両者混合で販売される。違いはサイズ(外バラが大きい)。
インサイド
ハラミのような濃厚な食感がありながら外バラ特有の脂が豊富なため、アウトサイドとも呼ばれるハラミの逆の名が付いた。
三角バラ
焼肉店では特選カルビや特上カルビの名で提供されるやわらかさと霜降りを併せ持つ稀少部位。肋骨を覆っている肉である。
ブリスケ(別名:肩バラ、あばら)
前足の付け根内側にある部位で、ほかのバラ肉より肉質は硬いが脂には濃厚な旨味が詰まっている。
サーロイン
リブロースからモモ肉へと続く背中側の肉。脂の入り方が美しく、バランスが良い。ご存じの通り、ステーキに打ってつけだ。
ヒレ(別名:フィレ、テンダーロイン)
牛1頭あたり3%相当という稀少部位。内臓に近くほとんど運動しないため脂肪分が少ない。
スネ(別名:ちまき)
名前の通りスネ部分。大量のコラーゲンが含有されており、煮込むほどに旨味を引き出すことができる。
教えてくれた人
梨子木宏和さん
兵庫県神戸市の大安亭市場内にて70年以上の歴史を持つ山倉精肉店。店主である梨子木氏は、この道20年のベテランで、稀少部位への造詣も深い。
山倉精肉店
住所/兵庫県神戸市中央八雲通4-6-8
TEL/078-221-5592
営業/8:00~19:00
休み/日、祝日
http://www.niku-yamakura.com/
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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