知っておきたいコーヒー豆の挽き方
buono 編集部
- 2024年02月08日
ミルやグラインダーの種類など、豆の挽き方は様々。
粉の粒のサイズが違うだけでも味に影響がでるような繊細な一面は、コーヒーの奥深さと面白さに改めて気付かせてくれる。
ドリッパーに適した挽き方を選ぶ
豆の挽き方は、抽出する器具に合わせて変更するのがセオリー。組み合わせの相性で、味わいが大きく上下することも。ベストマッチの挽き方を身につけよう。
粗挽き
例えればザラメ糖サイズ。コーヒープレスやパーコレーターなど、お湯に粉を浸漬させる淹れ方と相性が良い。抽出するのに少し時間が必要で、酸味系のコーヒーに適している。
中挽き
一般的レギュラーコーヒーの大きさであり、ザラメとグラニュー糖の中間ほど。ペーパードリップやネルドリップ、コーヒーメーカー、サイフォンなど、多くの手段に対応可能。
細挽き
グラニュー糖感覚のパウダー。表面積が広く、マキネッタや水出しによる、苦みを楽しむコーヒーに適している。より粒子の小さい極細挽きは、エスプレッソマシンで使用を。
極細挽き
最も細かい粒度で、ドリップ系器具での抽出は困難。強い苦みが魅力のエスプレッソに使用される。均一に細かく挽くためには、専用ミルの使用が望ましい。
風味を壊してしまう熱の発生に注意して
手動・電動ミルで共通して注意しなければならないのが温度。特に高速で歯が回転する電動ミルは、摩擦により豆や粉が加熱されてしまう。熱に冒された粉はコーヒーの命とも言える香りが飛んでしまい、仕上げても雑味が非常に多い。とはいえ、手挽きミルよりも扱いやすく、時短にまで貢献する電動ミルを手放すのは惜しい。使用時にひと工夫して、熱のこもりを防ぐと良いだろう。それは、5秒回転させたら手で器具ごと振って、熱を散らすこと。5〜6回繰り返せば、熱が抑えられるだけでなく、挽き具合まで均一に揃えられる。また、ミルの手入れはブラシで払うだけで十分なのだが、水洗いしたなら、しっかり乾燥させるように。刃が錆びると挽きムラが増え、安定した味を生み出しにくくなる。
豆の挽き方のコツ
種類問わず、熱を出さない心がけが肝要。時間と気持ちに余裕を持って挑み、急いで回転させることのないように。
電動ミル
小さな電動ミルは摩擦熱による豆の劣化が悩み。回転させた5秒後にスイッチオフして、本体ごとシェイク。これを5〜6回ほど繰り返すと良い。熱を防ぐと同時に、挽きムラの減少も見込めるのだ。
手挽きミル
ハンドルをゆっくりと回すと、熱の発生が大幅に抑えられる。時間を気にせずじっくりと行いたい。粗挽きから細挽きまで、 幅広く挽けるタイプがオススメ。
焙煎×挽き方による味の変化とは
コーヒーの味わいを大きく左右するのは豆の焙煎度合い、挽き方だけではない。抽出するお湯の温度や速度も関係する。どの器具を使って淹れるかによっても多少は異なってくるが、湯温は通常、90°C以上の高温だと苦みが強く、75°C以下の低温では酸味が増してくる。また、注ぐ湯のスピードにも配慮が必要。ゆっくり入れていくと苦みが強くなり、早いと酸味が際立つ傾向にある。例えば、苦みの強いエスプレッソの場合は、高温×高速の組み合わせで抽出するのがベター。
スタンダード
中煎り/中挽き/85°C(中温)
豆の個性が程良く現れ、苦みと酸味、コクのバランスも取れている標準的味わい。好みを知るうえで基準になる。湯の抽出も標準のスピードで。
アメリカン
浅煎り/粗挽き/90°C(高温)
軽やかな香りと酸味が魅力でサラリと飲みやすい。濃いコーヒーが苦手という人にオススメだ。深煎りの豆を使うと、苦みを強めに仕上げられる。
ヨーロピアン
深煎り/中挽き/80°C(中低音)
苦みが強く香ばしさも楽しめる仕上がり。文字通りヨーロッパのカフェを中心に好まれ、ストレー トだけでなくミルクや砂糖とのマッチングも良好。
自分の好みの味わいを把握するためにも、まずは上で解説しているスタンダードな味がしっかり出せるように修練を。そこから、よりどんなテイストを出したいのか、毎回少しずつ組み合わせを変えて試してみるのが楽しいだろう。目指す方向に向かって徐々に調節していけば、いずれは理想の一杯に辿り着くことができるはずだ。
豆の種類に焙煎度合い、挽き方、淹れ方……。その組み合わせは無限大である。さらに、どんな器で飲むかによっても味わいは変化。オリジナリティある嗜み方ができるからコーヒーはやめられない。場合によっては飲むシチュエーション、気分によってもほろ苦さは変わってくる。その可能性溢れる世界にどっぷり浸って、自らのコーヒー観を探ってみて欲しい。
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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