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【発酵】りんご畑に囲まれて作られる、りんごの発泡酒「シードル」

明治期にりんご栽培が始まり、日本一の生産量を誇る青森県・弘前市。2014年にハウスワイン・シードル特区に認定され、市内各所で個性豊かなシードル作りが盛んに行われている。その先駆けとして誕生した「弘前シードル工房  kimori」を訪ね、りんごの発泡酒「シードル」の製造方法と楽しみ方を伺った。

りんご畑から生まれるフレッシュな味わい

弘前市りんご公園内にある白い三角屋根が工房の目印。

青森県・弘前市の郊外に広がる弘前市りんご公園。その岩木山を望むりんご畑に白い三角屋根の建物が佇んでいる。後継者不足などの課題を抱える中、りんご産業を未来へつなぐことを目的に若手りんご農家が集まり、シードルづくりに取り組む「弘前シードル工房 kimori」だ。

現在、弘前市では市内各所でシードル作りが行われ、工房をめぐりながら個性豊かな味を飲み比べできる“シードルの街”として新たな魅力を発信している。「kimori」はその先駆けとして「りんごの木の下に人が集い、りんごのお酒を楽しく飲める場所をつくりたい」という想いを原点に誕生した。

りんごをよく洗った後、皮ごとすり下ろす工房内での作業。

シードルは、りんごの果汁を発酵させて作る醸造酒。「kimori」では、メンバーの畑や公園内の共同畑で栽培されたりんごを原料に使用。ふじをベースに王林やジョナゴールドなどの品種をシードルを仕込む時期や季節に合わせてブレンドし、酸味などの味のバランスを調整している。

製造では丸のまま皮ごとすり下ろしたりんごをプレス機にかけて果汁だけを取り出し、そこに白神山地の原生林から採取された弘前大学白神酵母を加え、温度管理に気を配りながら3週間ほどかけて発酵させていく。最初の1週間でアルコール度数がある程度上がったら、温度を一気に0度くらいまで下げて発酵を一旦ストップさせ、しばらく寝かせてからタンク内に沈んだ澱を取り除くひと手間も雑味のないすっきりとした味わいに仕上げるポイントだ。

りんごの風味を強く感じるやさしい味わいが広がる。

その後、タンクを密閉した状態でさらに2週間かけて二次発酵を行うのも「kimori」ならでは。飲んだ時にシュワシュワと穏やかに弾ける炭酸は人工的に加えたものではなく、二次発酵中に発生した二酸化炭素がシードルに溶け込んだもの。また、シードルの発酵温度は15度くらいで行うのが通常だが、「kimori」で使用している弘前大学白神酵母は低温に強く、8度という低い温度でじわじわと時間をかけて発酵させることができるため、発酵臭や酵母の香りが残らず、りんごそのものをかじっているようなフレッシュな味と香りのシードルに仕上がるという。

りんごの美味しさを丸ごと味わえる無濾過製法

「シードルを通して地元りんご産業を盛り上げていきたい」と話す代表の高橋哲史さん。

「kimori」代表の高橋哲史さんは、「私たちの工房では、シードルはりんごの加工品という意識はなく、畑から生まれた農産物の延長にあるものと考え、りんごになるべく近い状態で味わってもらいたいと思っています。そのため、水などは加えずに果汁のみを使用し、無濾過製法で仕上げているため、グラスに注いだ時に濁っているのが特徴。りんごの美味しさを丸ごと味わえるシードルです」と話す。

シュワシュワと発泡する、きめの細かい炭酸。

また、シードルの楽しみ方として、塩辛やしめ鯖、ブルーチーズなどやや癖のある素材と合わせると、りんごの風味が際立ち、意外なペアリングを発見できるとのこと。「シュワシュワ感はなくなりますが、ホットで飲むと体が温まります。スパイスを加えても美味しくいただけます。シードルはスイーツとも相性がいいので、りんご同士で仲良くアップルパイと味わうのもおすすめです」。

 

■DATA

弘前シードル工房 kimori
青森県弘前市大字清水富田字寺沢52-3(弘前市りんご公園内)
営業時間:9:00〜17:00
定休日:水曜
TEL.0172-88-8936
http://kimori-cidre.com

⽇本⾷の未来地図をデザインするために、発酵醸造に特化したシンポジウム。「Fermentation Future Forum(F3)」が2022年再始動します。
http://fermentationfutureforum.org/

当記事に掲載されている情報は、2017年にスタートした「F3|発酵醸造未来
フォーラム」の活動で取材された当時のものです。

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buono 編集部

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使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。

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