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スコアアップに直結するコースマネジメント術|プロキャディが教える攻略のポイント

INDEX

良いスコアを出す上で、良いショットを打ち続けることは必須ではない。いかにリスクを避けてプレーを組み立てるか。 つまり、コースマネジメントを考えることがスコアメイクの決め手だ。プロキャディがツアーで実践しているコース攻略の準備について学ぼう。

【解説】杉澤伸章(すぎさわ・のぶあき)
1975年生まれ、愛知県出身。21歳で横田真一の専属キャディとなり、2002年からはプロキャディとして丸山茂樹と契約して渡米。米PGAツアーを転戦した。2011年からは宮里優作と契約し、2013年の日本シリーズ優勝をサポート。現在はツアー中継の解説やリポート、企業向けの講演などでも活躍している。

ツアープロはスタート前にパットの練習から始めている

スタート前はパットの練習から始めると、その日のフィーリングやクラブの重さを利用してスイングする感覚がつかみやすい。

スタート前の準備として、しっかり練習しておくことはもはや常識です。問題は練習の手順です。

多くのアマチュアは最初にショットの練習をして、それから練習グリーンへと移動していると思います。一方、ツアープロのほとんどはパッティングから練習を始めます。いきなりドライビングレンジへ行くことはなく、パット→ショット→アプローチ→パットという手順で練習する選手が圧倒的です。

その理由は、プレー当日のフィーリングを一番感じ取りやすいのがパターだからです。クラブの重みや手に感じるフィーリングを通じて、何のリキミもない中でボールを転がして自分の感覚を呼び覚ましてあげるのが目的です。

転がす距離はグリーンの大きさによります。グリーンが大きいコースなら10メートルくらい、グリーンが小さめのコースなら5〜6メートルのミドルパットの距離が中心です。

そこで距離感をつかんでから、ドライビングレンジでショット練習をします。ゆっくりと打ち始めて、次第に力感とスピードを上げていきましょう。こうしたプロたちの練習手順は、アマチュアにとっても良い方法だと思います。

ツアープロはパッティングの練習に時間をかける。グリーンの大きさによって、重点的に転がす距離は変わる。

「ちょっと嫌だな」と思ったら自分の一番得意な球で攻めよう

ティショットを安全確実に打つにはOBや池、バンカーなどハザードのないエリアを狙うのが基本的な考え方ですが、自分が気持ちよく打てるホールなのか、そうではないホールなのかを見極める必要があります。

ティーイングエリアに立ち、ホールのシチュエーションを見た時の第一印象はゴルファーによって異なります。自分の球筋や見た目の感覚などで、攻めやすそうなホールなのか、そうではないホールなのかの印象度が変わるからです。

もし「ちょっと嫌な感じがする」と思った時は、自分の持ち球で攻めることを第一に考えましょう。つまり、自分の得意な球筋です。ツアープロも毎回同じようにドカーンと打っているわけではなくて、ホールのシチュエーションに合わせて高いドローボールを打ったり、低いライナー気味の球を打ったりと球筋をコントロールしています。

皆さんも「嫌だな」と感じるホールを攻略するために、自分の得意な球筋に磨きをかける練習をしっかり積んでおきましょう。また、普段よりもクラブを短く握って、コンパクトにスイングするのも有効ですのでぜひ試してみてください。

フェアウェイが狭かったり、ティーイングエリアに立った時に「何か嫌だな」と感じたりした時は、自分の勝負球で攻めよう。

上手なゴルファーはコース設計家と対話する気持ちでプレーしている

ティショットを打つ時は、目標をしっかりと絞って打ちます。当たり前のことですが、この際の注意点としてまずコース設計家の意図を考えてみましょう。なぜフェアウェイがこのようにうねっているのか?どうしてそこにバンカーがあるのか?といったことを考えるのです。

例えばバンカーはハザードですが、必ずしもトラップとは限りません。下のイラストのように、フェアウェイの右サイドにバンカーがあって、左サイドが広くなっているホールがあるとします。そういうホールの多くは、グリーンの左手前に難しいバンカーが配置されています。ティショットを、右のバンカーを避けてフェアウェイの左サイドに打つと、セカンドショットがバンカー越えになってしまうわけです。

つまり、このようなホールのティショットは、広い左サイドではなく右サイドのバンカーの近くに運べたら最高なのです。グリーン方向から考えると、ピンやグリーンセンターと花道を結んだ延長線上のエリアにショットを運んでいくのがコース攻略のセオリーです。そこがティショットの本当の狙いどころになるわけです。

とくにドッグレッグのホールは、コース設計家と対話する気持ちでプレーすると攻略ルートが見えてきます。

ティショットでバンカーを避けると第2 打が難しくなるケースがよくある。どうしてそこにバンカーがあるかを考えてみよう。

コースを「逆走」すれば攻略のベストルートがつかめる

プロキャディは、初めてのコースでは練習ラウンドの前日から現地に入ってコースの下見をすることがあります。その際、私は18番グリーンから1番のティーイングエリアまで「逆走」していました。そのほうが各ホールのベストルートを把握しやすいですし、コース全体の攻略法をつかめるからです。

アマチュアの皆さんも、何度もラウンドするようなコースの場合は、ホールアウトした後にそのホールを振り返って見ると良いでしょう。グリーンの奥から、グリーンの中央と花道を結ぶ線をフェアウェイ方向までなぞり、グリーンからティーイングエリアまでを逆算するのです。

そうすると、「だからあそこにバンカーがあったのか」、「だからフェアウェイのあそこが広くなっていたのか」、「だからあそこはツマ先上がりの傾斜になっていたのか」といった多くの情報が得られて、そのホールの攻め方が見えてきます。

コース設計家はゴルファーの知恵を試しています。フェアウェイが緩やかな左傾斜のホールは、セカンドショットがツマ先上がりから打つことになってフックしやすいですよね。そういうホールはグリーンの左サイドに深いバンカーや難しいライが待ち受けています。こうした設計家の意図を見抜くには、グリーンの奥から振り返ってホールを見る方法が有効です。

グリーンからティーイングエリアを「逆走」すると、そのホールのベストルートが見えてくる。こうした経験の積み重ねが大切だ。

フェアウェイの広いホールは「2本の木」をイメージしよう

フェアウェイが広いホールでは誰もが気持ち良く飛ばしたくなります。そのため、飛ばすためのポイントを一生懸命に思い出そうとして、スイングばかりに意識がいってしまいがちです。また、フェアウェイが広いとターゲットに対してフォーカスしにくくなるため、アバウトに狙いがちです。その結果、ミスショットが出やすくなるのです。大切なのは、フェアウェイが広いホールであってもターゲットを明確にして、そこを狙う作業に集中することです。

例えば、あなたが林の中にボールを打ち込んでしまったシーンを想像してください。木と木の間を抜こうと必死になるはずです。フェアウェイが広いホールでも、同じように木と木の間のスペースをイメージして打つようにしてください。

そうすると目標が絞られますし、出球が安定します。2本の木の間を抜くイメージによってフォロースルーへの意識が高まり、しっかり振り切れて飛距離も出ます。目線がボールの先にあったほうが、クラブヘッドを加速しながらボールをヒットできるのです。

フェアウエイの広いホールこそ、自分が打ちたい方向に対して木を2本植えることを意識しましょう。

フェアウエイの広いホールは目標意識が曖昧になりがち。2本の木をイメージして、その間の狭いスペースを抜くように打とう。

レイアップもスコアメイクの積極的な戦術と考える

ドライバーで打った結果、キャリーが出すぎるとバンカーや池などのハザードにつかまる危険性がある時はレイアップしよう。

レイアップとは、皆さんもご存知のようにショットを刻んで打つことです。距離が短くてフェアウェイが狭いパー4のホールや、両サイドにOBがあるホール、ティショットが飛びすぎるとバンカーや池などのハザードに入ってしまいそうなホール、ドッグレッグのホールなど、距離を落としてでも安全なエリアに運んでおきたい時は、レイアップが選択肢に入っていきます。

ところが、ティショットを刻もうと決めて5番ウッドやユーティリティを持っておきながら、ドライバーのように飛ばそうとする人をよく目にします。結果、安全に刻むつもりがミスになってしまうケースは少なくないのです。

原因の一つは、レイアップや刻むというワードがネガティブな発想につながりやすいからでしょう。「ドライバーを持たない=勇気がない」という思考はもたないことです。レイアップは「逃げ」ではありません。スコアをつくるための攻略法の一つなのですから、「攻め」と考えてください。

いかに距離を出すかではなくて、狙ったターゲットへと運んでいく意識が大切です。ティショットを刻むと決めたなら、手にしたクラブの飛距離を打つことに専念しましょう。

ティショットで使うクラブはドライバーだけではない。飛ばし屋のダスティン・ジョンソンもアイアンで打つことが多い。

18ホールのすべてを「パー3の連続」と考えよう

これは私の考え方ですが、アマチュアゴルファーの皆さんには18ホールのすべてを「パー3の連続」と意識してもらいたいと思います。

パー3のホールは当たり前として、パー4のティショットであれば、自分のドライバーの飛距離をベースにした長いパー3を想定し、セカンドショットもパー3を想定します。この時に重要なのは、リスクが少ないエリアを中心としたパー3を設定することです。

例えば、ティーイングエリアから240ヤード先の左のバンカーに入れてはいけない場面があるとすれば、センターまでが220ヤードのグリーンを想定し、240ヤード先のバンカーまで絶対に届かないクラブを持つのです。つまりピンまで220ヤードを想定したパー3というわけです。そして、セカンドショットの残りが150ヤードなら、そこからは150ヤードのパー3のつもりで打ちます。パー5の3打目も、同じように距離の短いパー3と考えてください。

ゴルフは「縦の距離感」が一番大事で、「距離感を競い合う」ゲームでもあります。ショットごとにグリーンを想定し、そのグリーンに運ぶ気持ちで打ちましょう。そうするとクラブの選択や方向の選定を含めたショットのジャッジメント能力が上がり、スコアのロスを最小限に食い止められるようになります。

パー3 以外のホールでも「パー3 の連続」と考えれば確率の高い攻略プランがつかめる。とくにパー5ではこの思考法が役立つ。

自分の距離感で目標に運ぶ意識がマネジメントにつながる

飛んだり飛ばなかったりではスコアがまとまりにくい。平均的な距離を打てるようになることが強いゴルファーになる絶対条件だ。

18ホールのすべてをパー3の連続と考えることは、「自分の距離感でターゲットに運ぶ」という意識の明確化です。もちろんドライバーショットも縦の距離感が大事なわけで、そう考えるとドライバーが「飛ぶ」とか「飛ばない」というワードは頭から離れてきます。

米PGAツアーでも決して飛ぶほうではないマット・クーチャーやウェブ・シンプソンらが賞金ランキングの上位にいるのも、自分がイメージした飛距離を打つ技術能力が高いからです。飛んだり飛ばなかったりというのが、実は一番困るわけです。

ブルックス・ケプカは飛んで曲がらないプレーヤーといわれますが、決してそうではありません。ケプカは本気で飛ばそうと思ったら、350ヤードくらいは飛ばせます。だから300ヤード先の点を狙って打つなんて、ケプカにとってみればたやすいこと。ケプカはすべてのショットで球を置きにいっているのです。そこがメジャーに強い理由でもあるでしょう。

アマチュアの皆さんも、ドライバーを無理に240〜250ヤード飛ばそうとせずに、力をちょっとセーブして210〜220ヤードをコンスタントに打とうと思えばそれほど難しくないはずです。210ヤードのパー3を想定し、フェアウェイ上にピンをイメージしてドライバーを打ってみてください。ピンを中心にして前後左右15ヤードくらいの幅を持たせて打てば方向も距離感も安定しますし、スコアをつくりやすくなります。

状況次第では基本の風向きを度外視する例外もある

風を正確に読むのはプロでも難しい。状況次第では基本の風向きを無視した戦術が奏功するケースもあることを知っておこう。

風向きの判断は、僕たちプロキャディにとっても難しいものです。パートナーを組んでいる選手とじっくり相談し、持つクラブや狙う目標を明確に決めてから打つように心掛けています。実際にはその日の基本の風向きをベースにして判断しますが、状況によっては例外もあります。

例えば、基本の風向きはフォローだけれど、ティーイングエリア上ではアゲンストに感じられる。しかも、グリーンの手前にある大きな池の波がアゲインスト方向に流れている。そんな時は、アゲインストの風を想定する必要があります。

この場合は、少しぐらいグリーンの奥にいっても良いという気持ちで大きめのクラブを持ちましょう。本当に風がアゲインストだったら手前にショートして池に入ってしまうからです。池ポチャするぐらいなら、奥のバンカーに入れても構わないから大きめのクラブで打つほうがベストと考えるべきです。

本当は基本の風向きを信じたい。しかし、風向きの判断を間違えるとOBや池などに打ち込んで大叩きしてしまうケースが想定される場合は、最悪の事態を回避する作戦を立てましょう。

風が強い日は百戦錬磨のタイガー・ウッズ(左)も慎重になる。クラブ選択や方向設定の調整も重要なキーポイントだ。

晴れの日は自分の影を見ると風向きを判断しやすい

ツアープロやキャディが芝を千切って飛ばしている光景を見たことがあると思います。プロは感じている風を信じたがるのです。しかし、これはパフォーマンス的な意味合いも強く、その場の風向きしかわかりません

風向きの判断の仕方としては、晴れている日限定になりますが、自分の影を見る方法もあります。例えば、4番ホールがフォローの風だったとして、折り返して戻ってくる5番ホールでアゲインストの風が吹くとは限りません。同じ方向に折り返して戻ってくるようなホールレイアウトだと感じても、上から見ればV字型のレイアウトになっていることがあるからです。

そんな時は、時計盤をイメージして考えると風向きの情報をキャッチしやすくなります。自分の影の向きを時計の12時に設定して、何時の方向から風が吹いているかを把握するのです。

例えば、前のホールで自分の影を12時とした時に10時の方向から風が吹いていたら、次のホールでも10時方向からが基本の風向きとなります。

このように自分の影を見て判断すると、ホールの向きに惑わされることがなくなります。

林間コースのように行ったり来たりするときは、晴れた日であれば自分の影を見て風向きを時計盤式に判断する方法も効果的だ。

パー5はていねいに攻めるとチャンスがやってくる

ツアープロはパー5のホールでバーディを取りやすいが、アマチュアはパー5で大叩きしやすいという話しをよく耳にします。確かにその通りだと私も思います。

パー3のホールでは、ティショットさえ上手く打てればパーセーブのチャンスが生まれます。しかし、パー5ではティショットがまずまずの当たりだったとしても、セカンドショットで長いクラブを使うことが多いため、ミスが出やすいのです。地面の上のボールを長いクラブでクリーンに打つのはとても難しいことです。

もう一つ知っておいてほしいのは、パー5の3打目はフェアウェイが急に狭くなっているケースが多いということです。ピンまで残り50ヤード圏内はバンカーが多く配されていたり、急斜面だったりと、トラブルゾーンになっていることがよくあります。

つまり、3打目は少しぐらい長い距離が残ったとしても、ハザードがない平らな場所に運んだほうが攻めやすいことがわかります。そう考えると、セカンドショットで長いクラブを使って打つ必要もなくなるわけです。

470ヤードのパー5ならティショットは220ヤードのパー3、セカンドは170ヤードのパー3、そして3打目は90ヤードのパー3という具合にパー3の連続と考えてていねいに攻めれば、スコアをまとめやすくなります。

パー5ホールは第2打で距離を欲張るためにスコアを崩すケースが多い。「パー3の連続」と考えてていねいに攻めていこう。

右と左のどちらに打つかをハッキリ決めることが大事

多くのアマチュアゴルファーはティショットを打つ時に、フェアウェイの真ん中を狙って打とうとします。真ん中に打てたら気分爽快かもしれませんが、フェアウェイの右側と左側のどっち側が安全かを見極めて打つのが上手なコースマネジメントです。

フェアウェイの右サイドがOBだとしたら、フェアウェイの真ん中から右側はNGで、真ん中よりも左側がOKと考えましょう。つまり、フェアウェイの左端あたりが真ん中になるようにターゲットを設定するのです。結果として左のラフに飛んでしまったとしても、それはミスショットではありません。

米PGAツアーのザ・メモリアルトーナメントの舞台であるミュアフィールドビレッジはジャック・ニクラスが設計したコースですが、二段グリーンの段が斜めになっています。

例えば、段がグリーンの右奥から左手前で、上の段の左奥にピンが立っている時は、フェアウェイの右側からでは距離感のジャッジがすごく難しくなります。ショートすると段の手前に止まってしまうし、完璧なショットを打ってもオーバーしやすいからです。この場合は左からのほうが狙いやすいということになります。もちろん、その逆のロケーションになるホールもあります。

皆さんもこうした戦略的なコースをプレーする機会はあるはずです。そういうホールではフェアウェイの真ん中に打とうとばかり思わずに、右と左のどちら側に打ったほうが有利かを考える習慣をつけましょう。

ホールのシチュエーションにあわせて、フェアウェイの右半分と左半分のどちらに打つのがベターかを考えよう。

クラブ選択で迷った時はその日の調子で判断する

ピンやグリーンを狙う時に、クラブ選択で迷ったらどうすれば良いか?そんな質問を受けることもあります。

例えばピンまでちょうど150ヤードだった場合に、8番アイアンで打てば145ヤード、7番アイアンで打てば155ヤードの人が、「8番でしっかり打とうかな」、「いや、7番アイアンで軽めに打とうかな」と迷ってしまうというわけです。

結論からいえば、あまり難しく考える必要はないと思います。強めに打つのが得意な人もいれば、軽めに打つのが好きな人もいます。それも日によって違ってくる場合があるわけです。強めに打っていて流れがつくれている時は短めのクラブで強めに打つのが良いでしょうし、軽めに打って調子が良い時は大きめのクラブで軽めに打つのが無難といえます。要はその日の調子で判断するのがベストというわけです。

また、アマチュアゴルファーの多くは、グリーンの大きさをほとんど考えません。ワングリーンの場合、グリーンの大きさは直径約40ヤードほどです。40ヤードということは、縦の幅はクラブでいえば3番手ぐらいありますから、1番手程度の違いはさほど気にする必要はないのです。

クラブ選択に迷った時は、自分の心の中にいるインナーキャディと相談して「今日は大きめのクラブのほうがよく当たっているよね」、「そうだね、ここの大きめのクラブで打とう」というように気持ちを整理してから打ちましょう。

大きめのクラブか、小さめのクラブかで迷ったら、プレー当日のしっくりとくる感覚を第一に考えて使うクラブを選択すると良い。

ピンを狙うよりグリーンの広いスペースに打とう

アマチュアゴルファーはピンまでの距離を知りたがりますが、プロはまず手前のグリーンエッジまでの距離を把握します。ピンまでが150ヤードだとしても、手前のグリーンエッジまでの距離が130ヤードか、140ヤードかによって距離感のコントロールの仕方が変わるからです。

簡単に説明すれば、ピンの位置が手前の時は「プラス5ヤード」、ピンの位置が奥なら「マイナス5ヤード」と考えるのがベストです。ピンまでが150ヤードでも、ピンが手前なら155ヤード、ピンが奥の場合は145ヤードとジャッジして打つのです。そうすればピンが手前の時はピンの奥に、ピンが奥なら手前側にオンしやすくなります。グリーンの広い場所にのせられる確率が高まりますし、ミスしてもグリーンのどこかで止まってくれる公算が大きいわけです。

このように5ヤードを足したり引いたりして、仮想のピンを立てて打ちましょう。大事なのは、自分のイメージした距離を打つ意識をしっかりもつことです。155ヤードで良いと頭で分かっていても150ヤードを意識するとインパクトが緩みやすいですし、145ヤードで良いと思っていても150ヤードを意識するとリキんで左に引っかけやすくなりますので注意しましょう。

ピンまでが同じ150ヤードでも、ピンの位置で使うクラブが変わる。ピンが手前なら大きめ、ピンが奥の時は小さめに打とう。

グリーンを4分割してみると確率の高い攻め方が見えてくる

ツアープロは、グリーンを4分割にして緻密な戦術を練っています。下のイラストのようにA、B、C、Dの4つのブロックに分けて考えるのです。

ピンポジションによって、どのような球筋で攻めるか。グリーン周りの外しても良いエリアと絶対に外してはいけないエリアはどこか。リスクマネジメントを考慮しつつ、ベストルートを見出す作業をしています。

例えば、フェアウェイのライもグリーン面もフラットだった場合に、グリーン左奥のAのエリアにピンが立っている時は大きめのクラブで打つという選択肢はあり得ません。大きいクラブでミスした場合は、グリーンの左奥側に外してしまうリスクが高く、次のアプローチがかなり難しくなってしまうからです。

逆に、ピンの位置がCなら大きめのクラブでストレートボールかフェード系の球で攻めるのが効率の良い作戦です。Bは短めのクラブでしっかり打ち、Dは大きめのクラブでセンターにのせるのが基本的な考え方です。

このようにグリーンを4分割してみると、ベストルートがフォーカスして見えてきます。ミスしてもグリーン上にボールが止まってくれる確率の高い狙い方を考えるのがコースマネジメントであり、リスクマネジメントなのです。

そのためには各番手のキャリーの飛距離を知っておくことがとても重要です。自分の本当の飛距離とはランも含めたトータルの飛距離でなく、キャリーの飛距離です。自分の飛距離を過信することなく、正しい飛距離をつかんでおきましょう。

ピンの位置がA、B の時は小さめのクラブでドロー系、C、D の時は大きめのクラブでフェード系の球筋で攻めるのが確実な方法だ。

「仮想のピン」を立ててそこを狙う気持ちをつねにもとう

ピンを狙って良い時と、ピンを狙ってはいけない時の違いはどこにあるのでしょうか。

ピンの位置が右手前で、グリーンの右手前にはアゴの深いバンカーがあるとします。その状況でピンを狙っていくと、当たりが少しでも薄かったら右手前のバンカーに打ち込んでしまう可能性が高いといえます。

そう考えると、こんな状況ではピンを狙ってはいけないといえそうです。グリーンの右手前にアゴの深いバンカーがあり、ピンをダイレクトに狙うとリスクが大きいのなら、グリーンの中央か、それよりもやや左奥側に仮想のピンを立てて、そこを狙うのが賢明な作戦です。「ピンの位置が手前ならプラス5ヤード、ピンが奥ならマイナス5ヤード」の発想です。

基本的には、ピンがグリーンの端のほうにある場合は、グリーンの中央付近に仮想のピンを想定して打つのが上手なリスクマネジメントです。ピンが立っている側をショートサイド、ピンと反対側をロングサイドといいますが、グリーンの面を広く使えるロングサイドを狙うのが安全確実な作戦なのです。

プロの中にはロングパットを残すくらいなら、ショートサイドを狙ったほうが良いという人もいますが、それはショートサイドに外しても寄せられるアプローチの技術を持っているからです。アマチュアゴルファーがスコアロスを防ぐには、ロングサイドに仮想のピンを立てて打ったほうが良いでしょう。

目に見えるピンよりも、リスクを避けるためには仮想のピンをどこに立てるのが良いかをつねに考えながらプレーしよう。

ピンを「攻めるか、守るか」という戦略のメリハリは必要ない

リスクを避けるために仮想のピンを攻めることが大事なのであって、ピンの近くにのったかどうかはさほど重要ではない。

イラストのようにピンの位置が左奥で、グリーンの左奥にアゴの深いバンカーがあったとしましょう。ピンをダイレクトに狙った結果、良いショットが打てれば最高ですが、その反面大きなリスクを背負うことにもなります。仮にグリーンの左奥に外してしまったら、難しいバンカーショットやアプローチが残ることになり、大叩きの危険性が高まります。

こんなケースでは、ピンを直接狙わずにロングサイド側に仮想のピンを立てて打つのがベストな作戦です。仮想のピンを立てる場所は、ゴルファーのレベルにもよりますが、プロや上級者でピンの右手前5ヤード、アベレージゴルファーの方なら右手前10ヤードといったところでしょう。

ピンの右手前5ヤードの仮想のピンを狙った結果、ちょっと引っかけ気味の球筋でピンそば2ヤードで止まることもあれば、当たりが少し薄くてピンから10ヤード外れることもあります。つまり結果だけを見て、ピンの近くに止まったから「思い切って攻めた」とか、ピンから10ヤード離れた場所で止まったから「守りにいった」というわけではないのです。

状況によって「攻めるか、守るか」のメリハリをつけると良いと言われたりもしますが、私にいわせれば攻めるも守るもありません。本人がやっていることは「仮想のピンに向かって打つ」ということだけで、攻めるか守るかの思考の違いはないのです。

水が流れる方向を把握することがグリーンの傾斜を読む基本

グリーンの傾斜の読み方ですが、プロキャディの立場としてはグーグルマップなどを活用し、まずゴルフコースの地形を把握します。海の近くなのか、山が近いのか、海抜は何メートルといった情報を事前にチェックしておくのです。

そこまで入念な準備をしても、グリーンの傾斜がなかなか読めないケースは少なくありません。ゴルフコースがフラットな地形ならグリーンも割合フラットなことが多いのですが、たとえば富士山の近くのコースでは実際はグリーンが傾いていても、自分がちょっとした傾斜地に立っているだけでグリーンの面がフラットに見えることがよくあります。グリーンに上がってからでは、なおさら傾斜をつかみにくくなります。

そんな時は、水がどの方向に流れるかを見るのが一番良いと思います。富士山の近くのコースのように近くに山がある場所では、山側から低い側へと芝目が向きます。芝は生き物ですから水が流れる方向に芝目が向きやすいですし、傾斜も低いほうに向くのです。このように水が流れる方向に、傾斜と芝目が向くということを頭に入れておくと良いと思います。

また、フラットなコースは水はけが悪くなりやすいため、グリーンの近くに排水溝を設置してあるのが一般的です。排水溝がどこにあるかを見ると、どの方向に水が流れるのか、グリーンがどの方向に傾いているかの情報をキャッチできます。グリーンの近くに池があれば、そこに水が流れるように作られています。

グリーン上に立った時に傾斜が分からなくなったら、足の裏で傾斜を感じ取るようにするのも良い方法です。目で見ると周囲の景色によって錯覚が起こりやすいので、目をつぶって足の感覚で傾斜の情報をキャッチするわけです。

富士山など山が近いゴルフ場は、山を背にしてグリーンの傾斜と芝目が向くことが多いということを頭に入れておこう。

自分が打つ前にグリーン上を一周して芝目を見よう

グリーンの傾斜をしっかり読むことが大事だが、コースによっては芝目がボールの転がりに影響することもある。

最近のゴルフ場はベントグリーンが主流です。芝の芽が硬いコウライ芝のグリーンとは違って、柔らかいベント芝のグリーンはそれほど「芝目」を気にする必要がないといわれます。

実際、ベントグリーンの場合は傾斜を読み切ることがパッティングラインを読む重要なポイントですが、その時に芝目もしっかり見極めておけば、よりカップインの確率を高めることができます。

芝目を見るタイミングは、自分の打つ順番が来てからでは遅すぎます。その前に、同伴プレーヤーの邪魔にならないように気を配りながら、自分のラインの周りを1周してみましょう。この時に傾斜と芝目の情報をキャッチするのです。

ラインの周りを一周すると、ボールとカップの間の芝の色が濃く見える場所と、白っぽく見える場所が見つかります。濃い緑に見えたら逆目、白く光って見えれば順目です。それがわかれば、「このラインは順目だから曲がりが少し大きくなる」というように、ラインのイメージがより具体的に浮かんできます。

グリーン上の芝を見ても順目と逆目の判断がなかなかできないという人は、ラフやフェアウェイで芝の状況を見て、濃く見える場所と白っぽく見える場所を見極めてみましょう。グリーンで芝目を読む上での良い訓練になります。

自分が打つ番になる前に、できる範囲でグリーン上を一周してグリーンの光り具合から芝目を判断する作業もしておこう。

カップまで50センチの「お先に」の場所を先に見つける

アマチュアゴルファーの皆さんは、グリーン上でラインを読む時にボールからカップへの通り道を一生懸命なぞろうとしますが、プロや上級者は違います。

ボールからカップまでの傾斜を読んだ上で、カップ側からラインをなぞるのです。具体的にいうと、カップの周囲50センチぐらいのところでストレートラインの場所を見極めます。それに対して、自分のボールがカップのどちら側からどのような転がりで入るかをイメージしています。つまり、「カップの入り口」を見つけるわけです。こうした手順でカップへの入り口が決まれば、そこから自分のボールがある場所へとボールの転がりの軌跡を描いていけば、パッティングラインが見えてきます。

石川遼プロがパットを打つ時に、よくカップの近くの「お先に」くらいの距離で素振りをしますよね。あれもカップの入り口探しの作業です。そこから自分のボールの場所へと戻りながらラインのイメージづくりをします。カップの入り口を決めてから、ライン全体をイメージするわけです。

皆さんも、まずはカップの周囲50センチの傾斜や芝目を見極めましょう。そうすればカップへの入り口がわかります。その場所からボールの軌跡をなぞっていき、実際にボールを打ち出す方向が決まったら、ボールの50センチ先にスパットを想定してください。あとは、スパットに向かってストレートに打ち出すだけです。

カップの周囲50 センチのエリアでボールがどのようにカップに入るかを見極め、そこから逆算してライン全体をイメージしよう。

ボールからカップまでの通り道を「トンネル化」する

パットの名手で知られるタイガー・ウッズは打つ前の情報処理にも長けている。ラインだけにフォーカスしているからカップイン率も高い。

パッティングラインを読む上でもっとも重要なのは、ボールからカップまでの通り道です。ラインのイメージをより明確にするには、その周囲の情報を遮断することも大事です。ボールから50センチ先のスパットまでとカップの50センチ手前の入り口、およびラインの幅だけにフォーカスを当てて見るようにしましょう。

そのためには、グリーンの全体のうねりを見てボールからカップまでの傾斜をある程度つかんだら、あとはボールからカップまでの通り道を「トンネル化」する作業が有効です。

米PGAツアー屈指のパットの名手としても知られるタイガー・ウッズは、ラインを読む時によくキャップのツバのあたりに両手をかざしています。これは両手を当てることで周囲の景色を遮断し、ラインをトンネル化して見ているのです。

ボールをどこに打ち出せば良いのかを決めたら、トンネルをつくってターゲットを絞ります。そしてボールを打ち出す方向にフェースを合わせて構え、ストロークします。ラインは細い線というよりも、カップの幅くらいの太めの帯でイメージするのが良いでしょう。

最初に全体の情報を見てラインのイメージをつかみ、最後は周囲の情報を消してラインをトンネル化する。これをやるだけでラインのイメージがより鮮明になっていくはずです。

グリーンの傾斜を確認したら、ボールからカップまでの通り道を「トンネル化」するために周囲の景色を両手で遮断すると良い。

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スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。

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