ダウンブローをマスターする! ~知識と正しい活用、練習方法~
EVEN 編集部
- 2019年12月23日
INDEX
ダウンブローの軌道はインサイドアウトになる
正しいダウンブローは、クラブヘッドがスイング軌道の最下点に向かって下降する軌道でボールをとらえます。
中には「ダウンブローはアウトサイドインの軌道」、「ダウンブローはフェード系の球筋」というイメージをもっている方がいるかもしれませんが、そうではないのです。
クラブヘッドはスイング軌道の最下点に到達するまではインサイドから下りてきて、最下点を境にしてインサイドへと振り抜かれます。つまり、最下点に達する手前でボールをとらえるダウンブローの軌道は、インサイドアウトになるわけです。
「えっ、どういうこと?」と不思議に思うかもしれませんが、物理的にいってそれが正解なのです。
ダウンブローのメカニズムを正しく理解しよう
フラフープを使って、インパクトエリアのクラブヘッドの軌道について説明しましょう。
フラフープはスイング軌道を示します。そしてフラフープの青と紫の境目がスイング軌道の最下点です。正しいダウンブローはスイング軌道の最下点の手前でボールをとらえますから、ボールの位置は自分から見て色の境目より少し右側になります。
ボールと目標を結ぶターゲットラインと平行に立ち、ボールをスタンスの中央にセットして、スイングプレーンの向きもまっすぐで、クラブを正しい軌道で振ったという前提で考えると、青のゾーンに沿って正しくダウンブローにとらえた時は、ボールに向かってインサイドアウトの軌道になることがわかるでしょう。そして、最下点を過ぎた紫のゾーンからはクラブヘッドはインサイドへと振り抜かれます。
最下点でフェースがスクエアに戻るとすれば、フェース面がボールとコンタクトした瞬間はフェース面がまだ少し開いているわけです。つまり、ターゲットラインと平行に構え、クラブをインサイドインの正しい軌道で振ると、ボールは目標よりも少し右に飛び出すのです。
それならスイング軌道の最下点でボールをとらえれば良いのではないかと思うでしょう。しかし、そのイメージではアドレスのロフト角をインパクトで再現することになり、ボールをハンドファーストにとらえることができず、飛距離が出ないのです。
フェースアングルとクラブパスの関係性を知る
最近はトラックマンなどの弾道計測器によって、スイングが科学的に解明できるようになりました。クラブパスとはクラブヘッドの軌道で、フェースアングルはインパクトの際の目標に対してのフェースの向きのことです。これらの兼ね合いで出球の方向と球筋が決まってくるわけです。
前項で正しいダウンブローに打つとボールが少し右に飛ぶと説明しましたが、ボールに当たる瞬間にフェースをスクエアに戻そうとすると、インサイドアウトのクラブパスに対してフェースが少しクローズになるため、球筋は軽いドローとなります。結局、どちらにしても目標に対してまっすぐは飛ばないわけです。
インパクトの際のフェースの向きが出球の方向に大きく影響しますが、100パーセントの確率でフェースの向きどおりにボールが飛び出すわけではありません。クラブにロフト角があるなどの理由により、ドライバーで約80パーセント、アイアンで約70パーセントの確率でフェースの向きの方向に飛び出しやすくなります。
たとえばフェースアングルが右に5度、クラブパスがまっすぐの0度でインパクトしても、ボールは右に5度飛び出すとは限りません。アイアンのフェース向きの依存度は約70パーセントですから、3.5度ほど右に打ち出されることになります。
ダウンブローでまっすぐ打つにはターゲットの左を向く
ダウンブローで目標に対してまっすぐ打つための説明をしましょう。クラブパスが2度くらい右向きで、クラブパスに対してフェースがまっすぐだとボールが1.5~2度右に飛び出すわけですから、クラブパスが目標に対してまっすぐの0度になるように構えるのです。つまり、体全体を左に2度向ければ、クラブパスもフェースアングルもターゲットに対してまっすぐになります。
あとはターゲットラインと平行に構えた時のようにスイングするだけです。体が目標よりも少し左を向くためアウトサイドインの軌道で振っているように感じられるかもしれませんが、ボールに向かってストレートの軌道でとらえられます。プロたちがアイアンを打つ時に軽いオープンスタンスで構えるのは、クラブパスのズレをカバーするためなのです。
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EVEN 編集部
スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。
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