ドライバーの飛距離アップ!藤田寛之が明かすストレッチ&テクニック集
EVEN 編集部
- 2020年11月12日
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ドライバーの飛距離は40歳を過ぎても伸びる!
40歳を過ぎてもツアー優勝を重ね、43歳で賞金王に輝いた藤田寛之だが、実は「40歳を過ぎた頃から体が言うことを聞かなくなってきていた」と明かす。体力や柔軟性の低下などの難問に、藤田はどのように対処してきたのだろうか。年齢を重ねても体力や柔軟性を維持し、距離を伸ばすコツを伝授してもらった。
継続を心がけてドライバーの飛距離アップを目指そう
40歳って体力の境目なのでしょうね。私自身も40歳を過ぎた頃から体の衰えを感じるようになりました。若い頃のイメージが残っているから、その通りに体を動かそうとするんだけどそれができなくなる。私は昔に野球をやっていたのですが、キャッチボールをしていても以前は簡単に捕球できたような球を取りそこねたり、子供の運動会でかけっこしても足がついてこなかったり(笑)。プロゴルファーの私でもそうですから、一般のアマチュアゴルファーは尚更でしょう。運動不足のままでは筋力や体の柔軟性がどんどん後退してしまいます。
体の衰えを実感するようになってから私は、日々のトレーニングだけでなく普段から体を動かすように心がけました。将来へのスパンで考えたら、プロゴルファーとして長く現役でいたい。そのために何をすべきかを考えた上で行動に移したのです。皆さんも飛距離アップはもちろん、少しでもゴルフを長く楽しみたいと願っていることでしょう。60歳や70歳になっても元気にプレーしている自分の姿を想像してみてください。そうすれば今のうちから体力をなるべく温存しておきたいという気持ちが沸きますよね。
大切なのは毎日続けられるペースを守ること
ただし、いきなり多くのことをやろうとしても長続きしません。最初のうちは30分早く起きて10分程度のウォーキングやジョギングから始めましょう。それも週1回からスタートして翌週は2回、その次は3回と回数を増やして少しずつ習慣づけるのが良いと思います。私の場合は、体を動かしながらほぐすのが性に合っています。ラジオ体操などもとても良いと思います。日々の継続が大事ですから、毎日続けられる自分のペースを守ることです。
技術面では理屈をあまり詰め込まないで、自分が無理なく体を動かせるような「成熟のスイング」を構築しましょう。理詰めのスイングからの脱却です。私が大事にしているのは「力感」や「力の入れどころ」、「遠心力」などです。誰しも自分の個性や感覚がありますから、型にはめようとしないで、長続きできるようなオリジナルスイングを目指しましょう。それが飛距離アップにもつながっていきます。
まずはストレッチで体を動かしながら少しずつほぐしていこう
年を重ねてから飛距離の伸び悩みを感じているならば普段から体を動かすことが大切。そこで、飛距離アップにつながるストレッチ方法を紹介してもらった。筋力や柔軟性を維持することで、長くゴルフを楽しめる体づくりを目指そう。
無理に伸ばさない
ストレッチも体の柔軟性を高める効果があるが、関節や筋肉を無理に伸ばさないように注意。体を痛めないように無理のない範囲で行おう。
肩甲骨の稼働域を広げる
両腕を真上に上げ、胸を大きく張るようにして腕を下ろす。この腕振り体操を数回繰り返そう。
股関節の柔軟性アップ
両足を前後に大きく広げ、腰を落としながら上体を前足側に捻る。これを左右交互に行う。
捻りの動作を取り入れる
両足を左右に広げて前傾姿勢になり、右手で左足タッチ、左手で右足タッチを交互に繰り返す。
ドライバー飛距離アップテクニックその1「両手の小指側でしっかり握ると体が回転しやすい」
若い時は体が柔軟ですからスムーズに回転できますし、とくに力を入れなくても十分に飛ばせていたというゴルファーはきっと多いと思います。もしあなたが、「体が回りにくくなったな」とか「最近、飛距離が落ちてきたな」と感じてきたら、まずグリップの力の入れどころをチェックしましょう。
グリップには力を入れて良いところと入れてはいけないところがあります。両手の親指側の2本に力が入ると両腕の外側や肩が硬直しやすく、肩が回転しにくくなります。
飛距離が落ちてくると「飛ばしたい」という意識が生じやすく、キャリアとともにスイング論を頭に詰め込んで、「こうしよう、ああしよう」など様々な思考も働きます。そうすると、気づかないうちに上体が力みやすくなるので注意してください。
両手の小指側の2~3本をグリップに引っかける感じでしっかり握ると、上体がリラックスして体がスムーズに回転しやすくなります。今どきのドライバーはフェースの開閉を抑制するのが合理的ですから、軽いストロンググリップに握るのが良いですが、力の入れどころや力感はそれ以上に重要なのです。
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ドライバー飛距離アップテクニックその2「下半身を固定して体を“無理なく”捻転させる」
「バックスイングでは左肩をしっかり回しましょう」と教えられたゴルファーは多いと思います。飛ばすためにはバックスイングで十分な捻転を作り、飛ばしのパワーを蓄える必要がありますが、体を無理に回そうとしてバランスを崩してしまうのはいけません。
私の場合、左肩を意識すると回しにくいという人には「右肩を先に引いてみましょう」とアドバイスしています。あるいは、胸やお腹の回転を意識する、背中を目標に向けるイメージで回すといった意識の持ち方も良いでしょう。要は自分なりに体を回しやすいポイントを見つけることです。
大事なのはバックスイング中は右足の内側で踏ん張って、右ヒザの位置をキープしておくこと。そのためには下半身をなるべく動かさないほうが良いと思います。
その結果としてトップで両手が右肩や右耳くらいの高さになっても構いません。コンパクトなトップでも右ヒザが動かなければ捻転が十分に作られたことになりますし、それが年齢に応じたトップだと認識しましょう。若い頃のイメージで高いトップを作ろうとして下半身が動きすぎたり、右ヒザや腰がスエーしたりするとパワーをロスしてしまいます。
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ドライバー飛距離アップテクニックその3「アンダースローのピッチャーの要領でリストを柔軟に使う」
飛ばすためには力を入れるのか、力を入れないのか。
どうやって球を遠くに飛ばすかという話になった時、私はよく野球のピッチャーにたとえて説明します。ピッチャーが速い球を投げようとする時、どこに力を入れるかといったら指先です。そして力を入れるのは指で引っかけるように握ったボールをリリースする瞬間だけです。体の動きをアンダースローでイメージすると理解しやすいでしょう。
ピッチャーは、ゴルフスイングでいうアドレスやテークバックの始動、トップから切り返しの部分ではまったく力が入っていません。飛ばそうとしてアドレスやトップで力が入ると、逆にパワーが伝わらないのです。ヒジや手首を柔軟に使い、腕をしならせるイメージで振り、インパクトの瞬間のリリースでパワーを一気に解放するのが飛ばしのコツです。
この一連の動き、力の入れどころや力感は理屈で考えるとわかりにくいので、自分の感覚や本能で感じ取りましょう。野球の経験がない人でも、右手一本でクラブヘッド側を持って素振りをすると、クラブを走らせる感覚やタイミングがつかめます。
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ドライバー飛距離アップテクニックその4「ハンマー投げのイメージで大きな遠心力を生み出す」
私はクラブヘッドの遠心力を利用することも大切にしています。フォロースルーでクラブヘッドと自分の体が引っ張り合う感覚で、いってみればハンマー投げのようなイメージです。飛ばそうとしてインパクトからフォロースルーにかけて上体が目標側に流れてしまう人が多いのですが、体がクラブヘッドと一緒に動いては遠心力が働かず、パワーが半減してしまいます。かといってクラブヘッドと体が引っ張り合うように頭が目標と反対に動くのもダメ。軸ブレを起こしてスイングの軌道が乱れてしまうからです。
そうした点でいえばガニ股姿勢になるのがベストだと思います。トップから切り返しにかけてガニ股になれば体が少ししゃがんでくるので下半身がぶれません。結果的に軸が安定し、スイング軌道が安定して遠心力が十分に働くのです。
重いものを両手で抱えて目標方向に投げようとする時、下半身は必ずガニ股になります。足腰を踏ん張る感覚が大きな遠心力を引き出してくれるということです。効率の良い下半身の動かし方を理解すれば、40歳を過ぎてからでも飛距離を伸ばすことは十分に可能です。
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ドライバー飛距離アップテクニックその5「フィジカル面も強化できる素振りを取り入れる」
今のうちから体のケアにつとめて、20年後、30年後もゴルフを楽しめたら最高ですよね。そのためには、腹筋や背筋、軽めのジョギングなどのちょっとしたトレーニングと並行して素振りの練習も取り入れると効果的。フィジカル面の強化にも役立つのでオススメです。
素振りには様々な方法がありますが、ここで紹介するステップ1から5の素振りをぜひ取り入れてみてください。ステップ1は小さいスイングでマックスのスピードで振る連続素振り。腕や手を使わず、体幹の回転でスイングするのがポイントです。ステップ2でクラブが軽く感じられる状態でフルスイングをしてから、2本のクラブを普通に持ってフルスイングの素振りへと移りますが、振り遅れないようにステップ3の左足踏み込みのステップ素振りを先にやっておきましょう。それからステップ4、5へと移ります。
それぞれの素振りを最初のうちは10回を2セット、慣れてきたら15回を2セット、20回を3セットという具合に自分の体力ペースに合わせて少しずつ増やしていきましょう。クラブ2本で重く感じるようなら、始めは1本を持って同じ要領で素振りしてもOKです。
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藤田寛之
1969年6月16日生まれ、福岡県出身。専修大学ゴルフ部時代の1992年にプロ転向。1997年のサントリーオープンでツアー初優勝。2012年には4勝をあげて賞金王を獲得した。ツアー通算18勝。23年連続で賞金シードをキープしている息の長いプレーヤー。葛城ゴルフ倶楽部所属。
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写真:小林司、文:三代崇
撮影協力:太平洋クラブ御殿場コース(TEL 0550-89-6222)、チームセリザワ ゴルフアカデミー(TEL 0550-80-003)
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スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。
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