パッティングが上達する! 基本の打ち方・ミスを防いで2パット以内であがる
EVEN 編集部
- 2023年12月30日
INDEX
世界のトッププロのプレーを見ていてもパッティングの上手い選手はやはり強いことがわかる。300ヤード超えのドライバーショットは打てなくても、パッティングなら努力すればプロゴルファーのレベルまでスキルアップすることも不可能ではない。
パッティングの基本の構え
両足を揃えて構えると体のスクエア感が高まる
パットの名手の共通点として言えることは、ボールの転がりが良いということ。なぜ転がりが良くなるのか。それはボールに対してフェースがきっちりスクエアに当たっているからだ。基本は両足を揃えて構えて、体の中心にボールとヘッドをセットすること。まずは、体の真ん中でボールをヒットする感覚をつかみ、そこから自分に合ったスタンス幅などを決めていく。スムーズに動かしやすいスタンス幅は必ず存在する。
スクエアに当てる感覚をつかむには、まず両足を揃えた構えから始めると体感しやすい。両足を揃えて打つプロも少なくない。
ボールに対していかにスクエアにヒットできるかが重要だ。まっすぐに当てられていないから転がりが悪くなる。
自分に合ったスタンス幅を見つける
自分に合ったスタンス幅を探す時は、徐々に幅を広げるなどして様々なスタンス幅を試してみる。その際はスタンスのライン、フェースの向きなどをすべてスクエアにセットすることが条件だ。そうすれば、パッティングの調子が悪くなった時でも、どこが狂っているのかをチェックしやすい。最初は距離感が合わなくても我慢して、とにかくスクエアを意識し続けること。スムーズに振れるスタンス幅を見つけ出そう。
全てのラインをスクエアに!
お腹と背中にキュッと力を入れておく
きれいなストロークをしている人はきれいな姿勢をしている。ストローク中に体の姿勢が変わらない人、バランス良く振れている人は、ストロークのリズムも良く、結果として良い転がりの球が打てる。ポイントは背筋と腹筋に少しだけ力を入れておくこと。ぎゅっと力むのではなく力感を持たせておくイメージだ。体の芯に力が入っているとストロークしても体がブレることがないので、スムーズにヘッドが動く。
腹筋と背筋の両方に力を適度に入れておくと姿勢が良くなる。高い位置からボールを見ることでストロークが良くなる。
姿勢がきれいなだけでパッティングが上手そうに見える。そこが大事なポイントで、姿勢が悪いと良いストロークはできない。
パッティングの構えは自由だと良く言われるが、もし上手く打てていないならば姿勢を見直すべきだ。
肩のラインを整えればラインにのせやすくなる
パッティングは手先で打っても入ったりすることが当然あるが、それでは上達につながらないし、真のパット巧者にはなれない。構えはある程度自由で良いが、肩のラインは必ずスクエアにセットしておこう。ヘッドは肩のラインに対して動くため、肩のラインが狂っていると出球の方向もずれてしまい、ラインにのせることができない。スタンス棒などを使って肩のラインがスクエアになっているかを常に確認しよう。
練習では常に肩のラインを確認するようにしよう。ラインに上手くのせられない人は、肩のラインが微妙に狂っている可能性大だ。
ボールは目の真下より少し前に置く
ボールと体との距離感も重要なポイント。よく腕がきっちり動いているかを基準にするが、それよりもヘッドがスムーズに動いているかを基準にしよう。前傾した状態で目の真下にボールを置くのが基本とされているが、それも決まりではなく、自分にとってヘッドが最もスムーズに動く位置を探すべきだ。平均的に目の真下よりも少し遠目においたほうが、ナチュラルにヘッドが動く感覚があるだろう。
目の真下にボールを落としてみて、そこを一つの基準にして、少しずつずらして自分にとっての適正位置を探し出そう。
どこにも窮屈感がなく、かつ締まった感じが見た目から感じられるアドレスが理想。ボールとの距離が適正な証拠だ。
ストロークを安定させるコツ
手首を使わずに肩でストロークする
より精度の高いストロークを求めるなら手首の余計な動きは抑えるべきだ。肩を支点として腕とクラブがシンクロして動くことで、スムーズにヘッドが動いて、リズムの良いスロトークが実現する。振る幅を左右対称にして、リズムを意識しよう。手首を使うとリズムが一定になりにくく、調子が悪い時と良い時の差が大きくなる。安定してパッティングしたいなら、手首ではなく肩でストロークする動きをマスターしよう。
肩でストロークすると肩、腕、クラブがシンクロして動くのでリズム感が良くなる。また軌道も安定するのでインパクトも一定になる。
手首を使っても調子が良い時は入るが、入らなくなった時にどこを直せば良いのかがわからなくなる難点がある。
右手のひらをフェースに見立ててフェース面をスクエアにセットする
フェース面をスクエアにセットし、ボールに対してスクエアにヒットするポイントは右手のひらにある。右手の平をフェース面に見立てて構えて、ストロークする時も右手でフェース面を感じながら行うとフェース面の管理ができる。フェース面がインパクトで開いたり、閉じたりするのは小手先の動きだけでインパクトを合わせようとするからだ。フェース面の管理は右手のひらに任せて、リズム良くストロークしよう。
右手のひらでフェース面を感じるメリットは方向性だけでなく、距離感を合わせることにも役立つ。
ボールに対してフェース面をスクエアにセットして打つことが、ラインにきっちりのせることの条件になる。
右足をロックすると体の軸がブレにくくなる
ストロークが安定しない人は下半身に着目してみよう。自分では動いていないつもりでも下半身が動いて、軸がブレていることはよくある。良い転がりの球が打てなかったり、きっちり芯に当たらないという人は、右足を固定してストロークしてみよう。特に右ヒザのポジションを変えないように意識すると、ストロークが安定するはず。頭がしっかり残って、フォローでクラブと体が引っ張り合う関係になるのが理想だ。
右サイドを我慢させると軸が左右にブレるのを防げる。軸が安定するとしっかり芯でヒットできる。
フックラインの時の打ち方の基本
フックラインはウィークグリップで握る
フックラインで気をつけたいのが引っ掛けだ。ボールがつかまり過ぎるとラインにのせることができないので、フックラインではつかまり過ぎないようにグリップをややウィークに握るとい良い。フェースターンが抑えられるので、きっちり右に打ち出せる。手先の動きでフックラインを打とうとすると逆に押し出したりして、右に外すミスになってしまう。左手をウィークにしたら、右手もそれに合わせて握ろう。
自身のスタンダードなグリップを基準に、それよりもややウィークに握ることでボールを逃すことができる。
ハンドアップに構えてつかまり過ぎを防ぐ
フックラインの時に左に引っ掛けずに上手くラインにのせるためのポイントは、いつもよりもハンドアップに構えること。ハンドアップに構えることでロフト角が被らずにヒットできるためだ。グリップをウィークに握ってハンドアップに構えておけば、絶対に引っ掛けはない。それがわかっていれば、しっかりとストロークができるのでインパクトでの緩みも防ぐことができる。ややヘッドが遅れてくる感覚が欲しい。
少し手元を上げてハンドアップに構える。ヒール側を浮かせるようなイメージで構えると引っ掛け防止になる。
スライスラインの時の打ち方の基本
スライスラインはややストロンググリップで握る
スライスラインはフックラインに比べると回転が弱くなるので、手前で切れ過ぎて外れることが多い。そこでしっかりとつかまった球を打たなければならない。いつもの自身のグリップよりもややストロング気味に握ることで、打ち出しで右に出るミスを防げる。また、つかまったボールを打っているのでカップ側で弱々しく切れてしまうこともなくなる。注意点としてはストロングに握っているのだから手を返さないこと。
ややストロングに握っている段階でボールがつかまる状態になっているので、あとは通常と同じようにストロークするだけ。
ハンドダウンにしてボールをしっかりつかまえる
フックラインの時にハンドアップにしたのと真逆で、スライスラインでは手元を少し低くしてハンドダウンに構える。ハンドダウンにするとボールがつかまる理由は、手首に角度ができてややアップライトになるからだ。極端に表現すると、フェース面がやや左を向く感じになるのでつかまりがよくなる。少しボールから離れて立つと自然にハンドダウンになり、ヘッドの軌道もストレートからややイン・トゥ・インになる。
ハンドダウンにするとボールがつかまるのはショットと同じ原理。ボールを逃したくない時に使いたい。
パッティングでミスが出てしまったときの改善ポイント
引っ掛けが止まらなくなったら「右肩の位置をキープ」
パッティングで引っ掛けが止まらなくなったら、まず疑うべきは右肩だ。特にショートパットは視界にカップが入ってくることに加えて、入れたい気持ちが強くなるのでついつい体が突っ込んでしまいがち。引っ掛けが出始めたら右肩を左手で押さえて素振りをすると、上半身の動きすぎがわかるはずだ。フェースがインパクトでかぶる原因のほとんどは体が流れてしまっていることなので、右肩を意識して防止しよう。
引っ掛けの原因は右肩にあります。
インパクトでフェースがかぶると引っ掛けになる。原因はボールを体が追いかけてしまうことにある。
右にミスが出るなら「左肩を抑える」
パッティングで右にミスが出るのはボールがつかまっていないからで、インパクトでフェースが開いてしまっている可能性がある。原因としては軌道がアッパー気味になっていることが考えられるため、左肩の高さを変えないことを意識すると良い。左肩の高さが変わらなければ、ヘッドがフォローで低く出るようになる。インパクトがスクエアになり、かつフォローでもしっかりボールを押せるため、右へのミスを防げる。
左肩を右手で抑えた状態で片手打ちをしてみる。ヘッドが低く長く出る感覚がつかめる。
左肩がインパクトからフォローで上がってしまうとフェースが開きながら当たるので薄い当たりになる。
当日にやっておきたいパッティングの練習方法
上りのストレート1.5メートルが基本
パッティングの練習の基本はショートパットだ。必ず入れたい1.5メートルくらいを基準に上りのストレートを練習しよう。スタート前の練習グリーンでも上りの1.5メートルを探して、それから始める。感覚がつかめたら、カップの外周を回るようにして様々なラインの曲がり方を確認する。練習グリーンでは入れることも大事だが、その日の自分のストロークの感覚とグリーンの芝の感触をチェックすることが重要だ。
カップの周りにサークル状にボールを並べる練習は効果的だが、基準となる上りのストレートからセットしよう。
3つの距離で距離感のベースを作る
1.5メートル、3メートル、4.5メートルくらいの間隔でボールを3つ並べて、短い距離からカップに入れていく練習は、距離感のベースをつくるのに効果的だ。徐々に距離を伸ばすことでストロークの強弱の感覚がつかめる。上りと下りの両方を行おう。3球連続で打つことがポイントで、目で見た感覚と実際のストロークの感覚を合わせる練習になる。また、並べたボールの効果によりヘッドを引く方向の目安にもなる。
徐々に距離を伸ばすことでその日のグリーンのタッチがつかみやすくなる。スタート前に時間がなくても3球打つだけで感覚が変わる。
ボールを一直線上に並べているので、テークバックでヘッドを引く目安になる。軌道を修正するのにも効果的な練習だ。
教えてくれたのは西村至央コーチ
1977年生まれ。専修大学出身。ミライズゴルフアカデミー主宰。神奈川県を中心にレッスン活動を展開。ビギナーからトッププロまで様々なゴルファーの悩みに対し、わかりやすく指導してくれると高い評価を得ている。
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スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。
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