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ミノムシバッグを作ろう|長谷部雅一のバックパッカーズワークショップ

道具好きが最後に行き着くのはカスタムや自作。自分が本当にほしいモノは、自分の手でしか生み出すことはできない! 冬のテント泊で重宝する、半身タイプのあったか寝袋を今回は製作。

文・イラスト◎長谷部雅一 Text & Illustration by Masakazu Hasebe
写真◎小関信平、後藤武久 Photo by Shimpei Koseki, Takehisa Goto
出典◎フィールドライフ No.54 2016 冬号

本当にほしいモノは自分で作る!

開いて閉じていつも暖か

スリーピングバッグは、自然のなかで快眠するためにはなくてはならない存在だ。しかしながら、単機能なのにバックパック内のスペースとウェイトをかなりとられてしまう。
「コンパクトで軽量、多機能なものを作る方法はないだろうか……?」

これは僕がずっと悩んでいた課題だ。その回答として今回やっとひとつの形を生み出すことができた。
昔から、上半身はダウンジャケットなどでカバーして、下半身用として使う「エレファントフット」というスリーピングバッグの形状があり、最近これが再注目されている。

僕はこれにブランケット、腰巻き、暖かい敷物など、使い方次第でいろいろな機能を追加することを考えてみた。
また、日本の気候を考えたときにじつは適している(と僕は思う)化繊の中綿を使うことも考慮した。

実際に12月の寒空で最終テストをしてみたら、シート状になるものにありがちなヒートロスもほとんどなく、フィールドで快適に使うことができた。このおかげで、山肌から現れる朝日をゆっくり眺められたことも付け加えておきたい。

みなさんもいろいろな方法で使い倒してください!

[Before Making] 事前の準備

必要なモノ

  • ❶プリマロフトワン 140×160cm
  • ❷エアーライトリップ(ナイロン生地) 150×300cm
  • ❸面ファスナー(オス) 12mm×132cm
  • ❹面ファスナー(メス) 50mm×132cm
  • ❺グログランテープ 12.5mm幅×10cm 2本
  • ❻サイドリリースバックル(Lineloc WSR3) 2個
  • ❼ショックコード 2mm×165cm
  • ❽ショックコード 2mm×115cm

中綿にはジャケットなどで多用されているプリマロフト、それを挟む表と裏の生地はエアーライトリップという15デニールの薄地ナイロン生地を使用。このおかげで軽くて暖かいが実現する。その他、幅の違う面ファスナー(留めやすくするため片方を幅広に)、グログランテープ、ショックコードなどを用意。

道具

  • ❶家庭用ミシン
  • ❷ロータリーカッター(もしくは裁ちばさみ)
  • ❸チャコペン
  • ❹ミシン針 9番(薄生地用)
  • ❺ミシン糸 90番
  • ❻テフロン押さえ
  • ❼まち針
  • ❽目打ち
  • ❾ライター
  • ➓ひも通し

一般的な手芸道具があればOK。今回は生地が薄いので薄生地用の糸と針を使う。また、しっかりとミシンが生地を送れるようにテフロン押さえも用意を。なお、生地の裁断で今回のように長くなる場合は、ロータリーカッターがあるとラクに切ることができて便利。なければもちろん裁ちばさみでも構わない。

道具<誤植???????????>

中綿を挟んで縫うので本体は2枚。上部(横幅が長い方。寝袋の腹側にあたる)と下部のパーツはそれぞれひとつずつ生地を切って用意する。本体下からの40㎝の点線は下部のパーツの縫い付け、3つのパーツの内側の実線は縫い代部分の目安になる部分なので、カット後にチャコペンでマークしておく。

ミノムシバッグのポイント!

足元オープン&半身で使い勝手が広がる

長谷部さんがこだわったのが「足が開く」ことと「半身」という2点。足側にはカバーのような生地を取り付け、ここを絞るとクローズ状態、緩めると足が出せるようになる。また半身なのでダウンジャケットと組み合わせたり、スカートのように巻いたりとさまざまな使い方ができる。

ドローコードで足元を開閉

足の部分はオープンな構造。

上のようにドローコードを締めれば冷気が入らず、左のように緩めれば暖まりすぎない。

ジャケットと組み合わせる

ジャケットと組み合わせれば半身用の寝袋に。腹から胸の下辺りまでカバーする。

スカートやポンチョのように

面ファスナーで全開になるので、体に巻いたり、毛布のように掛けることもできる。

①上部(腹側)パーツを縫う

1.上部パーツの短辺を1㎝で2回折り、内側部分から2㎜程度の部分を縫う。これを反対サイドも行なっておく。

2.長辺を横にして折り目が内側にくるように半分に折り、下側から2㎝のところで縫う。これは本体に縫い付けるための仮縫い。

②下部(足側)パーツを縫う

1.下部パーツの短辺を1㎝で2回折り、内側部分から2㎜程度の部分を縫う。これを反対サイドも同様に行なっておく。

2.長辺の1辺を1㎝、2㎝の順で2回折り、内側部分から2㎜程度の部分を縫う。ここはショックコードを通すためのスリーブになる。

③本体パーツ(1枚)に下部パーツを縫い付ける

1.本体パーツを1枚を足の部分を下にして置き、あらかじめ線を引いておいた40㎝内側の場所に裏側を上にして配置。これが足元のカバーになる。

2.1㎝で2回折り、ミシンで縫っていく。下部パーツの端の部分はほつれてきやすいので、縫い始め、縫い終わりともに返し縫いをしておく。

3,2の縫い目の部分で生地を折り返し(スリーブのある方が足元にくるように)、2㎜程度内側を縫う。これで下部パーツの取り付けは終了。

④上部パーツと本体パーツを2枚を縫い合わせる

1.③で下部パーツを縫い付けた面が上側になるように、本体パーツの上に上部パーツを重ね(上端を合わせる)、写真のように縫い合わせる。

2.もう1枚の本体パーツを1に重ね縫い付ける。そのあと足元以外の本体の辺をすべて縫っていく(足元は中綿を入れるために開けておく)。

3.2で縫った辺の縫い代を2回折り返して縫う。このあと本体パーツの表裏をひっくり返し、上部のみ上端から3㎝くらい内側を縫っておく。

⑤本体パーツ2枚の間に中綿を入れる

1.中綿ははじめに140×160㎝に切ったあと、写真のように足元の角はカットしておく。この状態にしたら、足元の隙間から中綿を入れていく。

2.足元から中綿を入れたら、イラストのように中綿を本体パーツ内で折り返して重ねていく。足元など中綿が重なる部分は2倍の厚みになるので保温性も上がる。

3.本体パーツの上端まで中綿がくるようにしてまち針で留める。上端まで中綿がきていないと、腹部分の保温性が落ちてしまうのを防ぐため。

4.3で留めた部分を縫っていく。縫う場所は上部パーツとの境目部分からおおよそ5 ~10㎜内側。強度には関わらないのでずれても気にしない。

⑥4等分にキルティング加工

全体がおおよそ4等分になるようにキルティングしていく。縫うときに中綿と布がずれやすいので、両手でしっかり押さえる。

⑦本体の足元部分を縫い止める

1.足元部分の生地を縫い止めていく。中綿がはみ出ないように気をつけながら、生地の端約1㎝を内側に折り込んでいく。このあと縫う。

2.端から2 ㎜あたりの場所を縫う。慣れていればまち針を使わなくてもいいが、1のあとに留めておくと縫い目が落ちる失敗をしにくい。

3.2で端を塞いだあと、さらに1~2㎝内側を縫っておく。中綿が2重になっている部分なので、縫うことで中綿の余計なズレも防げる。

⑧面ファスナーを縫い付ける(2カ所)

1.面ファスナーはオス、メスの2つとも短辺端の突起をカッターなどで削いでおく。こうすることでしっかりと縫い付けられてほつれにくくなる。

2.1を終えたらライターの火で炙っておく。これは面ファスナー自体がほつれてくるのを防ぐため。2つのファスナーのすべての短辺(4カ所)を同様に。

3.50㎜の面ファスナーのすべての辺で2~3㎜内側を縫う。短辺側(本体の上部、下部)は引っ張られる部分。ほつれやすいので2重に縫っておく。

4.12㎜の面ファスナーも同様に縫い付けていく。縫う前に寝袋状態にして巻いたときに留められる場所にあるか、しっかりと確認しておくこと。

面ファスナーを縫い付ける場所はイラストを参照。巻いたときに留まるよう本体パーツ2枚のそれぞれに縫い付ける。

⑨ショックコードを本体に取り付け

1.サイドリリースバックルにグログランテープを通し、端を重ねるようにして中央で縫う。さらにショックコードの端を結び付けておく。

2.ショックコードの反対側にひも通しをつけてスリーブにショックコードを通す。通し終わったらバックルの反対サイドにコードを通す。

3.上部、下部のスリーブにショックコード(上部に165 ㎝、下部に115㎝のコード)を通し、矢印部分をスリーブに縫い付ける。

完成!

巻く、掛ける、敷く……。使い方は自由

 

(写真なし。下記の囲みは割愛?)

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当連載のオリジナルタグをこれまで紹介した道具を自作してくれた方にプレゼントします。応募にあたっては必要事項(氏名/郵便番号/住所/電話番号)を明記の上、完成した道具の写真を添付して、フィールドライフのメールアドレス(fieldlife@ei-publishing.co.jp)までメールをお送りください。

この通り製作した道具に付ければ、自作した人だけのオリジナルブランドとなる。これまでの道具を自作したことがある方はぜひご応募を!

 

 

 

先生/長谷部雅一

アウトドアプロデューサー。自然学校「Be-Nature School」スタッフ。野外でのインタープリテーションを中心にファーストエイド講習、モノづくり、イラスト制作などマルチに活躍中。

出典

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PROFILE

フィールドライフ 編集部

フィールドライフ 編集部

2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。

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