BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • Kyoto in Tokyo

STORE

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

〜海とともに旅をして〜 登山YouTuber かほが歩いた ニュージーランド アベルタスマン コーストトラック 前編

ニュージーランド・南島北西部に位置するアベルタスマン国立公園。 沿岸部を這うように作られたトレイルは潮の満ち引きによって歩く場所が刻々と変わる。 登山YouTuber かほさんがキャニオニング、トレッキング、カヤックでめぐった5日間をお届け。

旅をしたのは 登山YouTuber かほ

山行のようすや、ショップで購入した登山道具などを自身のYouTubeチャンネル「かほの登山日記」で公開。チャンネル登録者数は28万人を超える、いま注目の登山YouTuber。近年は雪山登山や海外トレッキングにチャレンジするなど、レベルアップしていく登山スキルからも目が離せない。
YouTubeチャンネル「かほの登山日記」

2023年2月11日の朝、オークランドでの乗り換えを経て、ネルソンという街に到着した。日本とは季節が逆なので現地は夏にあたる。ネルソンは大きな街ではないけれど、近くには美しい海があり、年間を通じて晴れの日が多いから「サニーネルソン」と呼ばれている。

街を歩いていると今回のカメラマン・編集部の大垣ちゃんが「裸足の人がいる!」と言う。「そんなわけないじゃん!」と思いながら周りを見渡してみると、たしかにいて、私は二度見してしまった。ニュージーランドでは解放感のある歩き方をしたい人が多いようで、裸足の人があちこちに。文化の違いを楽しみながら、トレイルに持っていく行動食を調達したり、アウトドアショップをめぐって翌日からの準備を整えた。

今回の旅のメンバー。左からニュージーランド航空日本支社長のクロヴィスさん、コーディネーターのトレイシーさん、編集部の大垣ちゃん、ライターのジョアナさん

今回歩くのは「アベルタスマンコーストトラック」。ヨーロッパ人として初めてニュージーランドを発見したオランダ人、アベル・タスマンに由来する全長約50kmのトレイルだ。海岸線を走り、ときに原生林の森に入ることもあるルートは最高地点でも標高200mほどで高山のような道ではない。ここを1日目はキャニオニング、2日目はシーカヤック、3〜4日目はトレッキングでめぐり、5日目にオークランドへ戻る。

プランは現地コーディネーターのトレイシーが考えてくれた。彼女はトレイルの入り口、マラハウ近郊のモトゥエカ在住。自然を心から愛しており、マオリの文化にも詳しい。初日はマラハウから宿泊地であるアンカレッジまで12.4kmの移動となる。さあ歩くぞ!と思いきや、マラハウから水上タクシーに乗ってわずか20分でアンカレッジに着いてしまった。

スタート地点にある門にはマオリの装飾が施されている

キャニオニングはガイドが案内してくれるツアーで、全体で15名ほどのグループ。ウェットスーツにライフジャケットを着て緊張気味に片足ずつそっと川に入った。私はキャニオニングがどういうものかまったく知らなかったのだけど、始まって間もなく「どうしてこんなに楽しいことをいままで知らなかったのか」と思った。

キャニオニングのジップラインはロープと滑車で作られたお手製のものでスリル満点

ジャンプして川に飛び込んだり、傾斜のついた岩をスライダーのように滑ったり、岩と岩の間に貼られたロープをターザンのように滑走したりと、山を歩いているときには味わえないスリルや爽快感がたまらなかった。

ひとつだけ後悔しているのは6mの岩の上からジャンプができなかったこと。ほかの参加者は次から次へと飛び込んでいくのに、いざ突き出た岩の上に立つと私の足は固まって動かなかった。別ルートでとぼとぼと下りながらどこかでリベンジしたい!と心に誓ったのを覚えている。

左)一見星のように見えるが、これは海岸の洞窟にひそむ土ボタルの光。かがんで入る洞窟から見る景色はまるで小さなプラネタリウムの中にいるよう 右)宿泊したテント。テントにはコットやシュラフがすでにセットされており、料理は提供されるグランピングスタイルで「山も海もどちらも好きでここにいるの」とはにかんで話す若いカップルが美味しいご飯を作ってくれた。泊まりにきているほかのグループの方と食事をともにし、交流を楽しめるのも嬉しい。プケコと呼ばれる在来種の鳥がたくさんいるのだが、ものを取られないよう注意が必要だ

翌朝、海を見に行くとサイクロンの影響で白波が立っていた。この日はシーカヤックで次の目的地まで移動する予定だったが、急遽トレッキングでの移動に変更することにした。

左) 、右)ジョアナさんと砂浜のオブジェで休憩。ドナウ川を単独で下った経験を持ち、 英語を喋れる彼女は、人間観察をするのが楽しいのと語るボートの船主の話に興味津々

コースの前半はビーチ歩き。履いているシューズには次から次へと砂が入るので、私はえいっ!と靴を脱ぎ、裸足で歩くことにした。すると、足裏から伝わる地面の感触がなんとも心地よく、私はたちまちネルソンで見たこのスタイルの虜になった。

左上) 海を離れると途端に森になる。植生が日本と異なり面白い。トレイル上には 長い吊り橋も。左下) お昼ご飯はサンドイッチ。アンカレッジのキャンプ場で受け取ることができる。 右)この日は海の先に夕焼けと虹が同時に沈んだ

しばらく歩くと干潟に出た。そこは大きくて浅い水溜りのようだった。海岸線に伸びるトレイルは潮の満ち引きに大きく左右される。潮が引いていれば砂浜を通れるが、満ちているときは森に入り迂回する必要があり、その日のルートがどうなるかは海が決めてくれるのだ。

左)時にヒザ丈まで浸かりながら海を歩く。水温は場所によって異なる。右)砂浜のトレイルはときにアサリより小さくて黒っぽい二枚貝が地面をびっしりと埋め尽くしており、一歩を踏み出すたびにとても痛いので叫びながらへっぴり腰で歩いた

その後は原生林の森に入って心地よいアップダウンを繰り返し、出発から6時間ほどでバークベイに到着。この日は20人ほどが泊まれる小さな小屋に宿泊をした。

宿泊したバークベイハット。10人ほど寝れる大きな2段ベッドが2つある。用意されているのはマットのみのため寝袋が必要。150mほど先の対岸にはキャンプサイトもあり、宿泊スタイルを選ぶことができる。トレイルの拠点はどこもfree wifiが通っているので情報収集もしやすい

3日目の朝、私は猛烈な痒みを感じて目を覚ました。ふと足を見ると膝から下には蚊に刺されたような跡が20ヵ所近くも……。これはサンドフライという小さなブユの仕業なのだが、蚊とは比べ物にならならないくらい痒かった。

しかし、がっかりしているところに朗報が舞い込んだ。昨日キャンセルになったシーカヤックが今日はできるのだという。早速、荷物をカヤックに積みこみ海へ出た。カヤックはこれまで数回乗ったことがある程度だったが、元カヤックガイドのトレイシーが波の穏やかな場所を選んでくれたので問題なく漕ぐことができた。

左)カヤックは電話 1 本で水上タクシーが運んできてくれるうえ、使わない荷物は次の拠点に運んでもらうこともできるので急な予定変更でも安心。右)3日目、旅をともにした黄色の艇

1時間ほど進むと、トンガ島というアザラシが生息する小さな島のそばに来た。すると間もなくして、岩の近くで泳ぐ1匹のアザラシを発見!クルクルと回るように泳ぐアザラシはまるでいっしょに遊んでほしいと言っているようで、触れるほど近づいても逃げることなくそばを泳いでいた。私は初めて見る野生のアザラシに大興奮!濡れないように防水袋にしまったカメラを迷うことなく取り出し、何枚も写真を撮った。

目の前に現れたアザラシ。優雅に泳いで気持ちよさそう。ほかにも5頭ほど出会うことができた。

その後はだれもいないビーチで休憩をとった。ニュージーランドのプライベートビーチではトップレスで泳いでも問題ないそう。私は恥ずかしくてなれなかったけれど、日本では銭湯や温泉で赤の他人に裸を見られているのだから、照れずに開放的な気分を味わってみればよかったと思ったりもする。

左)空も海も本当に青かった。吸い込まれそうなほど透き通った海、太陽の光をさんさんと受ける空。「青」という一つの言葉では表せないほど二つの色は異なっていた。右上)お昼ごはんはツナラップを。ライムやココナッツが入ったツナなど日本にはない食材が美味しかった。右下)原生林にはニュージーランドのシンボルとされるシダがいたるところに。

カヤックの終着点はオネタフトゥというビーチ。そこから1時間半ほど歩いてアワロワロッジに到着。カヌーを漕いだ腕に心地よい張りを感じながら眠りについた。

左)宿泊したアワロワロッジはとても快適だった。右)砂浜をトレイシーさんと歩く。ニュージーランドの自然や文化をわかりやすい英語でたくさん教えてくれた

後編はこちらから

かほさんのYouTubeでも旅の模様をお届け!

SHARE

PROFILE

フィールドライフ 編集部

フィールドライフ 編集部

2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。

フィールドライフ 編集部の記事一覧

2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。

フィールドライフ 編集部の記事一覧

No more pages to load