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十勝の大自然を、もうひとつのワークスペースに。

東京圏からの直線距離は約850km、「遠い」というイメージは数字だけの話。

飛行機の利用で羽田から1時間40分+車で5分と走れば地平線の世界が広がり、30分も立たないうちに大自然に囲まれる。「車で都内から3時間走っても、渋滞喰らってまだ車内…」なんてことを考えると、タイムパフォーマンスの良さは十勝に軍配が上がる。

アウトドアピープル憧れの地であり、雄大な景色はちょっとした海外感もあり、本州にはない異文化感と非日常感を随所に味わえる…言葉で表せば「わかってるけど」となるだろうが、実際に身を置けば、規模の大きさと質感に圧倒されてしまう。

遠くて近い、北海道・とかち。

大自然と最高の食文化という、地球が持つパワーを吸収すれば、人間が持つ、”考える生き物としてのポテンシャル”を最大限に引き出すことができるのではないか?

個人的なワーケーションだけでなく、会社やチーム単位で実践するビジネスキャンプに注目して、アウトドアと仕事をつないでみよう、というのが今回紹介するディスティネーション十勝の「ビジネスキャンプ」のテーマ。

ビジネスをけん引する人間力は、結局のところ、人間を作った自然が養ってくれるのだから。

アウトドアマンの聖地・十勝

地域の中央を流れる十勝川を意味するアイヌ語「トカプチ」が由来となり、北海道のいわゆる道東エリアの入り口にあたる、道内唯一の民間による開拓地、十勝地方。

北に北海道の屋根と呼ばれる石狩山地の十勝岳がそびえ立ち、西に北海道の背骨と表現される日高山脈、そして東に白糠丘陵と、3方向が山々に囲まれており、南は太平洋が広がっている。十勝川を中心に十勝平野が広がり、多くの河川が山から海へと流れていく。

また、ここ十勝はアウトドアマンの聖地でもあり、雄大な自然を味わうことができる。トレッキング、MTB、スキー・スノーボード等の山遊び、フィッシング、ラフティング、カヤック等の水遊び。付け加えるなら、ワシクルーズなる、川下りをしながら鷲を眺めるという貴重なバードウォッチングも。十勝管内の温泉や銭湯までほぼ100%が温泉で、北海道遺産にも登録された植物由来のモール温泉は特徴的な効能を持つ。さらにサウナ文化も十勝で急成長している!

動物を楽しむなら放牧された牛はナチュラルな動物園。乗馬体験はもちろん、世界唯一のばんえい競馬で1tの輓馬の迫力を目の当たりに。

様々なフィールドで四季を通じて多種のアウトドア遊びや自然が楽しめるというわけ。晴天率も比較的高く、夏はドライで熱帯夜知らず、冬は寒いが積雪が少ないので、初心者でもキャンプしやすいロケーションとしておススメしたい。

食の宝庫・十勝

さらに、仕事で疲れた脳とアクティビティで疲れた体に栄養を与える、最強のオプション、”食”が十勝には備わっていることを忘れてはならない。

代表格的な食材としては、牛豚羊といった食肉、バターやチーズ等の乳製品、そして野菜やワインが挙げられる。どれもBBQには欠かせないではないか!

清澄な水と空気、そして肥沃な土地に、誇り高いファーマー達の経験とアイデアがミックスされ、小麦・砂糖(甜菜)・小豆・牛乳の生産量が日本一なだけでなく、ナチュラルチーズの生産量も日本一。

農畜産業がさかんな背景に、従事者たちの環境保全に対する意識が高いレベルで保持されていることを加筆したい。エリア最大の都市である帯広を中心に低炭素社会を目指し、バイオマスを最大活用した循環型農業を推し進めていることでも注目されている。

このように、「遊びと食」という人間の生活に必要不可欠な要素がハイレベルに存在しているのが十勝の魅力。

ここに仕事を持ち込んでしまえば、能率も効率も飛躍的にアップするに違いない!

仕事作りは、まず人作りから。ビジネスキャンプが持つ可能性

雰囲気が違う会議室=解放感抜群のアウトドア

いつもと違う仕事場=テントやタープを使ったオフィスルーム。

日々の業務ルーティンや壁に囲まれた会議室から抜け出し、空間が持つエネルギーによって普段と異なる意識や気づきが生まれ、オープンに意見を引き出し、フレッシュなアイデアを創出することができる。

また、大自然のなかで各種アクティビティやワークショップを通じて五感を刺激することにより、新たな発想が促され、議論も活発化していく。テント設営からBBQやキャンプファイヤー、様々なアクティビティ、屋外サウナ等のアウトドア体験を通じてコミュニケーションを強化しつつ、チームワークの活性化が見込める。

このキャンプのコンテンツを自社の社員だけで考えるのではなく、社外のプロフェッショナルとの交流・共通体験を取り込んでもおもしろい。外部からの刺激を取り入れることで革新的な進歩を遂げる可能性が見出せそうだ。

長時間同じ時間を過ごし、互いの性格やキャラクターを理解しあうことで、風通しの良い組織を作る。業績を上げるという会社の目標が「管理統制」や「属人化」を生みがちなところを、ビジネスキャンプを通じて、自発的行動が組織にもたらす「イノベーション」「共創」という化学反応が期待できる。

刺激的な要素はバッチリ揃っている。あとは十勝に行くだけだ!

そんな十勝でのアウトドア×ビジネス的滞在を可能にしてくれるのがディスティネーション十勝のビジネスキャンプ。

スノーピークが参画するこのビジネスキャンプでは、こだわりのギアを使った手ぶらキャンプはもちろん、彼らがこれまで培ってきたアウトドア×ビジネスのノウハウが活かされている。

滞在場所は、帯広の中心地から南西に35km、十勝幌尻岳山麓の高原に位置する「十勝ポロシリキャンプフィールド」。フカフカの芝生に区画サイトが良い状態で広がっており、電源サイトとトレーラーサイトもあるのでオートキャンプ派にも対応。また世界的な建築家の隈研吾氏と共同開発された住箱サイトもあり、様々なスタイルでキャンプライフを楽しむことができる。

春~夏は見渡す限りの緑に包まれ、秋には紅葉パッチワークに囲まれ、冬は一面の銀世界に身を置ける……まさに四季折々の風景が堪能できる、質の高いアウトドアフィールドだ。

ビジネスキャンプでの利用時は、別エリアにある自然体験館とその周辺エリアをまるごと貸切が可能。ウッドデッキにテントサウナを配備できるから、仲間同士でとてもリラックスできる。広大な芝生ゾーンにチェアリングして読書するのもいい。テントサイトにあるタープBARで地元食材を堪能し、キャンプファイヤーの後は天然プラネタリウムを楽しみ、静かな夜で熟睡できたと思えば、朝日とともに鳥の大合唱で目覚めはスッキリ! 贅沢な時間をゆったり過ごすことができるだけでなく、濃密なコミュニケーションで良質なマインドセットができること間違いなし。

アウトドアブランドのスノーピークがプロデュースしているキャンプ場で、道内初の直営店もあるのでハード面の心配は一切無用。また専属スタッフが完全サポートしてくれるので安心だ。

  • 十勝ポロシリキャンプフィールド
  • 住所:北海道帯広市拓成町第2基線2-7
  • TEL:0155-60-2000
  • 営業時間:10:00~17:00

 

ちなみに、ビジネスキャンプは、この十勝ポロシリキャンプフィールド以外にも、十勝の様々なエリアを巻き込んで拡大中。

東大雪の屈足湖のほとりに佇む温泉宿、湯宿くったりレイクインはそのひとつで、部屋数も多く、プレゼン・会議・展示・ミニイベント等、屋内外設備の充実した施設で、雨の日でも対応できる様々なプランで対応してくれる。天気次第でアウトドアとインドアを使い分けて、充実した時間を過ごしてもらいたい。

アルカリ低張性低温泉は露天も完備、ジャグジーも付いている。また冬は本場フィンランド式サウナで温め、マイナスの外気でチルし、湖にダイブして、最高の「ととのう」も体験してみたい。静寂に包まれたレイクサイドで、本格的なサウナ+アバントで心底リフレッシュできるのも最大の魅力。

公式サイトはこちら

  • 湯宿くったりレイクイン
  • 住所:北海道上川郡新得町字屈足808番地
  • TEL:0156-65-2141

五感が最大限に敏感に!十勝エリアのおすすめスポット

酪農と畑作が主幹産業で、カロリーベースの試算によるとエリアの食料自給率は圧巻の約1100%を誇る、バリエーション豊かな味覚。

四季がハッキリしていて、天候と自然が織りなす色彩の変化だけでなく、時間帯によって幾つもの表情が楽しめる、脳裏に焼き付く視覚。

大自然に足を踏み入れれば、「無音」の世界に誘われる。そして、虫や鳥や動物の音色、風の音、心落ち着くナチュラルハーモニーは聴覚を刺激。

土・花・木・草・水の匂い、食べ物の香りで研ぎ澄まされる嗅覚。

そして、人や文化に触れあうこと、様々なアクティビティを通じて体全体で感じることができる、触覚という直接的な刺激は一生忘れることができないものとなる。

十勝が持つポテンシャルで、五感を研ぎ澄ませることができれば、脳が最大限に活性化するに違いない。ということで、おススメスポットをいくつか紹介しよう。

農場の中にいきなりポツンと現れた、その名も「ファームレストラン野島さんち」。目の前で食べている野菜のほとんどが、窓の外に見える農場で「さっき」採れたもの。色艶が良く、歯ごたえが新鮮そのものだ。

また、「農場ピクニック」もおもしろそう。ジャガイモの花畑を見学しヤングコーンをつまみ食いしたり、採りたてのトウモロコシやジャガイモを掘り起したり、農地で散歩しながらくつげるプログラムもある。

  • ファームレストラン野島さんち
  • 住所:北海道河西郡中札内村新生東1線199-4
  • TEL:0155-67-2880
  • 営業時間:11:00~14:30(14:00 Lo/木曜定休/不定休あり)

 

  • 農場ピクニック(株式会社いただきますカンパニー)
  • TEL:0155-29-4821

 

食事の後の腹ごなしにはイングリッシュガーデンの散歩はいかが?

全長約250km、大雪~富良野~十勝を結ぶガーデン街道には個性豊かな8つのガーデンが集中している。そのうち5つが十勝エリアにあり、中でも「十勝千年の森」は国内最高峰の規模と質を体感できる。土地に適した様々な植物がワールドクラスのガーデナーによって丹念に整備され、人々の目を癒してくれる。

さらに、北海道が誇るスイーツの老舗カンパニー、六花亭が運営する「六花の森」は、庭園内に十勝六花(かたくり、えぞりゅうきんか、おおばなのえんれいそう、はまなし、しらねあおい、えぞりんどう)が植栽され、クロアチアの古民家をリユースした建物が点在し、六花亭のショッピングバッグでおなじみの山岳画家・坂本直行氏の記念館をはじめ、自然とアートが楽しめる空間となっている。

散歩の後は、おやつタイム。「六café」では、あのマルセイのバターサンドのできたてを食することができる。また、車で10分離れた場所には六花亭アートヴィレッジがあり、北海道ゆかりの画家の作品が堪能できる。

公式サイトはこちら

  • 十勝千年の森
  • 住所:北海道清水町羽帯南10線
  • TEL:0156-63-3000
  • 営業時間:9:30~17:00(4/23~6/30)、9:00~17:00(7/1~8/31)、9:30~17:00(9/1~10/16)、10/17以降は閉園

公式サイトはこちら

  • 六花の森・六café
  • 住所:北海道河西郡中札内村常盤西3線249-6
  • TEL:0155-63-1000
  • 営業時間:10:00~16:00(六花の森/開館期間:4/29~10/10)/ 11:00~15:30 Lo(六café) ※変更となる場合がございます

 

最後に紹介したいのが、十勝を代表する産業である畜産に関わる、新世代型のエンターテインメント。

生産物のすべての源である”土”にこだわり続け、開拓から四代に渡って育まれてきたノウハウが21世紀に入ってより進化し、大地の恵みの極みとスーパーナチュラルなライフステージを余すことなく提供してくれる、まったく新しいタイプの牧場として話題を呼んでいる、「十勝しんむら牧場」。

なんと牧場内でキャンプやBBQが楽しめ、贅沢を超えた解放感しかない。放牧された牛を眺めながらサウナを楽しむという、超異次元のマッチングは、究極のチルアウトを演出。そして”牧場のショールーム”という愉快なコンセプトを持つ「クリームテラス」では、新鮮な牛乳とスイーツが。ミルクジャムは必食の逸品!

公式サイトはこちら

  • 十勝しんむら牧場(クリームテラス)
  • 住所:北海道河東郡上士幌町上音更西1-261
  • TEL:01564-2-3923
  • 営業時間:10:30~17:00(定休日:火曜/4月~10月、火曜・水曜/11月~12月、全休/1月~3月)※キャンプ/BBQは、夏季期間・団体のみの受け付け対応

最先端の自然観光をビジネスに取り込んでみる

このように十勝エリアでは、”食う・寝る・遊ぶ”といった”コト”を、企業と行政が手を取りながら勉強を重ね、徹底的に地元を見つめ直して、「ここにしかない」魅力に磨きをかけている。この終わりなき追求に期待したい。

そこに身を置き、「ライフ」として体感し、「ワーク」に取り込むことができれば、生きている時間=人生が充実していくことだろう。そういう意味でも、ビジネスキャンプを実践してみてはいかがだろうか?

情報量が多く表現豊かなアナログ的な大自然に身を置くことで、デジタルまみれの毎日から解放される。ナチュラルにデジタルデトックスできる環境が、ここ十勝にある。

TOKAIからTOKACHIへ。ビジネスやチームのステップアップにアウトドアというチャンネル(CH)を加えてみよう!

 

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PROFILE

フィールドライフ 編集部

フィールドライフ 編集部

2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。

フィールドライフ 編集部の記事一覧

2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。

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