
高音質と魔法のような拡張性。在宅勤務時代にSonosのスマートスピーカーを

村上 タクタ
- 2020年05月07日
INDEX
まずは、今2万円以下(税別)で買えるSonos One 1台からスタート
「貸し出しますから、一度使ってみて下さい」と、Sonosの日本代理店の方から送られて来たSonosのスピーカー。
我が家には、HomePodもあるし、そもそも僕はそれほどガッツリ音楽にこだわって聞く方ではないので、それほどスピーカーにこだわりはない。だから、正直、あまり興味はなかったのだ。とはいえ、在宅勤務なので会社で仕事している状態よりレビューしやすい機会ではある。ということで、使わせていただくことにした。
しかし、まず送られてきたSonos Oneを箱から取り出してみて、少し印象が変わった。魅力的なのだ。
デザインは細部までキッチリしていて、シンプルで美しい。スピーカー部はパンチングプレート(確証はないが爪で叩くと金属のような音がするが、プラスチックかもしれない)で作られた繊細な工作だ。
iPhone(などのスマホ)にSonosのアプリをダウンロードして、設定する。以後、どんな設定もこのアプリでするというのが面白い。
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音を聞いてビックリ。
スマートスピーカーとしてはかなり音質がいい部類に入る。
AppleのHomePodもいいが、あちらは広いリビングにビートの聞いた、踊りだしたくなるような音楽を聞くのに適している。重低音&広がり重視だ。しかし、Sonosは中高音の繊細な音楽も鳴らすことができる。
女性ボーカルの声もとてもクリアに響くし、気持ちいい。また夜中に仕事のBGMとして繊細な音楽を楽しんでも、弦楽器をつま弾く音もよく聞こえるし、ささやくような歌声も再生してくれる。
Sonosのアプリには、Apple Music、Spotify、Amazon Musicなど、さまざまな音楽サービスを取り込むことができる。
また、SonosはAmazon Alexaとして、スマートスピーカーとしても使えるから、音声認識で音楽を再生したり、音量を調整したり、ちょっとした調べものをしたりもできる。
Sonos Oneは2万3800円(税別)だが、現在4000円OFFとなっており、1万9800円(税別)で購入できる。
2台あれば、ステレオペアとして活用可能
Sonosのすごいのはここからだ。
もう1台のOne、もしくは音声認識機能を省略したペアスピーカー用のOne SLを用意すると、ステレオスピーカーとして使うことができる。
Sonos One SLは2万1800円(税別)だが、現在4000円OFFとなっており、1万7800円(税別)で購入できる。
ステレオにすると、当然のことながら、音に広がりが出る。これはちょっと目からウロコのレベルでいい音。仕事しながら音楽を聞くには最高の環境だ。今、この原稿を書くのにも、BGMをこのペアで鳴らしているが、実に快適。
ただ、これがSonosのすべてではない。
Subを組み合わせると、音が空間にドン! と広がる
これは、Subという製品。
写真からはイメージできないだろうけれど、信じられないぐらいデカくて重い。
だいたい40cm四方ぐらいの四角で、厚さが15.8cm。そして、重さはなんと16kg(笑)
お値段もそれなりで、8万1800円(税別)
またしても、スマホアプリから、Subをネットワークに加える。簡単だ。
すると信じられないほどの臨場感が、One + One SLのステレオペアに加えられる。音のことを表現する語彙が乏しくて申し訳ないが、なんというか、音楽が急に感動的になるのだ。心の底に響くような感じ。これまで耳で聞いていたのが、腹の底に響くようになる。
急に音楽を聞くのが楽しくなる。そんなに低音にこだわるような曲でなくても、奥行き感がすごく増すし、ダンスミュージックなんかだと本当に大音量にして踊り出したくなる。
この穴の両側の部分に、ウーファーが備わってる。左右が同時に動くのでお互いの振動を打ち消し合うので本体にビビりは出ない。ちょうどMacBook Pro 16インチのスピーカーが上下に音を出して振動をキャンセルしているのと似た理屈だ。
One 1台から、One SLを組み合わせてのステレオサウンド、そしてSubという低音を組み合わせるまですべてスマホアプリでできて、1台でも複数でも自由にアレンジできるところが、まったく新世代のスマートスピーカーだ。
スマホのマイクを使って、その場所に最適化するトゥループレイ
さらに、設置が終わった時に『トゥループレイ』という作業を行うと、さらにその場所に合った音を再現してくれるという。
スマホでトゥループレイを指示すると、各スピーカーから『ボーン、ボーン』という音が数分出る。その間、スマホを持って室内を歩き回るのだ。そうすると、Sonosのシステムが、その部屋の音の広がり方、反響の仕方を分析して、出す音の方を調整してくれるのだ。
部屋に対するチューニングというのが、果たしてどのぐらい効果があるのかは僕はよく分からなかったが、部屋のカタチや構造、素材にはいろいろある。それぞれの部屋にマッチしたと言われると、かなりありがたみがある感じがする。
テレビの音が良くなると、世界が変わるって知らなかった!
さらに、SonosにはBeamという製品がある。
これはテレビに接続する製品だ。
価格は4万6800円(税別)だが、現在セールで7000円OFFの3万9800円(税別)
我が家は、あまりテレビみない方なので、10年以上前に6〜7万円ぐらいで買った32インチの今となってはショボイテレビで、その音質なんていうのも気にしたことがなかったのだが、Beamを繋ぐと、すごい! 今まで聞いていたのはなんだったんだっていうほどいい音が出る。
接続は、あればHDMI ARCという端子を使う。HDMIと同じコネクターだが、オーディオの接続に使うらしい。我が家のテレビにはなかったので、それに同梱されている『光オーディオアダプター』というアダプターを噛ませて、光オーディオ端子に接続した。
実は、我が家のテレビにそんな端子があることさえ知らなかったが、うちのショボイテレビにも付いているので、多くの一般的なテレビに付いているのではないだろうか?
サイトを見ると、このBeamには、4つのフルレンジウーファー、1つのツイーター、3つのパッシブラジエター、5つのクラスDデジタルアンプ、5つの遠距離対応マクロフォンアレイ(マルチチャンネルのエコー除去などに使われるらしい)が入っているらしい。そりゃ、コストもかかっているから、音がいいのは当然かもしれないが、これまで悪いとは思っていなかったテレビの音をこれほど良くできるようになるとは思っていなかった。
普通のドラマの音がよくなるのはもちろん、映画や、音楽番組などのコンテンツが素晴しく良くなる。そりゃ、安価なテレビのそれなりスピーカーとは段違いなのはリクツではわかるが、本当に驚くほどだ。
また、ボリュームに関しては、テレビのリモコンを学習してくれる。つまり、日常的にはテレビのリモコンだけで音量も操作できる。
さらに、さきほどパソコンの前で使っていたSubを持って来て(16kgもあるので運ぶのは大変だが)リビングのBeamに接続すると、さらに音に厚みがドーンと加わる。
映画などがすごく迫力ある音響になるのはもちろん、これまでそれほど聞いていなかったApple TVのミュージックビデオがとても楽しいコンテンツになって、最新のものから、懐かしいものまで、聞きあさってしまった(笑)
さらに、書斎のパソコンの両脇に置いていたOneとOne SLを着座位置の左右後方に置くと5.1chサラウンドで楽しめるという。我が家の狭いリビングではスピーカーを置く場所と電源を考える必要があるので、まだ試していないが、自宅でサラウンドを手軽に楽しめるなんて、夢のような話ではないか。
今という時代に最適なSonosのオーディオシステム
まとめると、まず新世代のスピーカーとして、ネットサービスと上手に連携しながら便利で音が良い。繊細な音から、重厚な音まで鳴らし分けられる。
さらに、2万3800円(税別)(現在セール中で1万9800円(税別))で買えるOneからスタートして、徐々にシステムアップしていけるのも楽しい。
スマートフォンから、リビングだけで鳴らしたり、家中で鳴らしたり、SubをリビングのBeam側に接続したり、書斎のOne側に接続したりできる。先に買ったOneを、サラウンド用のスピーカーに使ったりと、将来的な発展に使い回せるのも楽しい。
サイトを見ると、持ち運び用のMoveや、大パワーで広い部屋(たぶん、USのモノサシなので、日本だと大広間)に音楽を提供できるPlay:5、既存のオーディオに接続してSonosのシステムに組み込むAmpやConnectなど、さらにさまざまな製品がある。
もちろん、すべてが完璧というワケではない。これはSonosの問題ではなく我が家の(特に書斎の)通信速度が遅いからかもしれないが、時折、Subや片側のスピーカーが行方不明になる。体験からすると、夕方にそうなることが多いので、ご近所の通信量が増えたり、妻が電子レンジを使ったりすることと関係があるのかもしれない。素晴しい音を楽しんでいる時に、モノラルになると残念感が激しい。
あと、アプリ側も動作が引っかかることがあるし、Apple Musicの音楽の中から好きな音楽を検索したい時に、どうやって検索したらいいのか? など少々戸惑う部分もある。
が、それらはSonosの素晴しい音楽体験の前では、ささいな点に過ぎない。 #StayHomeの音響環境をもっと良くしたいと考えている人に、今最高の選択肢となるはずだ。
まずは、仕事場のBGMを改善するか、仕事後のテレビ(Apple TVや、Netflixも含め)体験の音響を良くするか、過去のステレオなどの資産を活かすかどうかなどを考えて、どの製品を選ぶかを検討してみてはいかがだろうか? スマホ/パソコン時代のホームオーディオシステムとして、Sonosは最良の選択肢に思える。
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(村上タクタ)
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PROFILE

flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。