未来のビジネスに気付いているか? バーチャル展示会クロスマーケット2開催中!
- 2021年02月27日
INDEX
将来のビジネスがここにある! 今のうちにぜひ体験を!
今でこそ、ウェブマーケティングだ、SNSマーケティングだ、SEOだ、アフェリエイトだ……と、一般のビジネスの世界でも語られるが、十数年前までは、そんなものはリアルの世界とは関係ないパソコンオタクの世界の話だと思われていた。
その新しい世界を切り開いてきたギークな人たちが、今熱中しているのが、VRのバーチャル世界だ。
きっと、数年後には、多くの企業がVR空間内での広告スペースを取り合い、いかにVR世界で商流を獲得するかに躍起になっているだろう。
その初期の、ムーブメントとして語られるべきイベントが、今(2月28日まで)開催されているバーチャル展示即売会『クロスマーケット2』だ。このイベントは、Oculus QuestなどのVRゴーグルを使って参加するVRアプリ『VRChat』の中で開催されている。
クロスマーケット2
https://id.pokemori.jp/cross-market2/
筆者も、Oculus Quest 2を使って参加してみた。体験レポートとして書いてみたので、ぜひレポートを読んで、一緒に参加しているような体験をしてみていただきたい。
もう、大企業が大きな広告を出し始めている!
さて、案内役を買って出てくれたcheeroのPRを担当するtoomoの東社長と待ち合わせをして、自宅の自室でOculus Questを装着し、VRChatにログイン。『クロスマーケット2』を探してエントリーする。実際には、VRChatに不案内な私は、東社長を検索して、そこにジャンプしたのだけれど。
会場に入ってみて、おどろいた。この会場は、このイベントのために構築されたらしい。イベントのためにVR空間にオリジナルデザインのパビリオンを建設したようなものだ。すごい。
VRゴーグルをしてこの風景を見渡すと、ここに立ってるような現実感がある。
そして、何よりビックリするのが、すでにいくつものスポンサー企業が広告を出していることだ。
入り口からは、日産、パナソニックグループのShiftall、カシオ、コトブキヤ、Skeb、cheeroの立派な看板が見える。もうすでに目端の効く企業は、ここでの人の流れに注目して、広告を出し始めている。
会場に入ると、ドーンとPFUのHHKBの広告が目に入る。
ちなみに、flick!のバナーもささやかながら、メディアスポンサーとして掲出いただいている。
イベントを支えているのは、大企業だけではない!
さて、あたりを見回しみると、会場の広さ、立派さに驚く。
参加している人は、それぞれ自分のアバターで闊歩している。ここにいる人々は、それぞれ自宅でVRゴーグルをかぶってここに参加し、この共通の風景を見ているのだ。近づけば彼らの話す声も聞こえるし、遠くにいる人の声は小さくなる。まるでその空間にいるような感覚がするのだ。
ちなみに、アバターは自分でデザインしたり、デザイナーさんにデザインしてもらったりすることもできるし、とりあえずデフォルトで用意されているもの、誰かが無償で公開してくれているものを使うこともできる。ちょうど、UNIQLOで売ってる服を着ることもできるし、オートクチュールで作ることもできるし、自分で裁縫して作ることもできるのと同じような感じ。
ちなみに、筆者はデフォルトで選ぶところで出て来た、クチバシのあるお面をかぶった黒ずくめの男を選んでみた(誰かが作って無償で公開してくれているものだと思う)。まぁ、美少女キャラや、イケメンを選ぶのもちょっと気が引けたというのもある(笑)
しかし、この恰好では当然知人も自分を私だと認識してくれないので、不便ではある(実際に見ている時には、頭の上にアカウント名が出ているので、それを見れば知り合いのアカウントを見ればだいたい誰か分かる)。これは、自分だけのオリジナルキャラクターを作りたくなるのはよく分かる(笑)
ちなみに、この方(右)が主催者のぴゅあ吉さん。メインのタイトルバナーの前で、主催者として、ご挨拶させていただいた。名刺交換はできないが、VRChatの世界でフレンドになっていただいた(笑)
上のフロアに上がっていくと、このイベントを支えているのが、大手スポンサーだけではないことが分かる。
クラウドファンディングの支援者の名前が掲出されているのだ。
ちなみに、こちら(https://camp-fire.jp/projects/view/335567)によるとクラウドファンディングで、220万円も集まったらしい。もう経済圏が生まれ始めているのだ。
さらに、上のフロアに上がると、このイベントのある出展サークルへのリンクが掲出されている。今回は2020年5〜6月に開催された前回の2倍にあたる146サークルが参加しているという。
Panasonicの子会社、Shiftallによる『フルトラの民主化』!
うろうろしていたら、東社長がメッセージでイベントが始まったと教えてくれた。1階で始まったのは、VRのアバターによるダンスイベントだ。どう考えてもアバターの中身はプロのダンサー……というような激しいダンスパフォーマンスが繰り広げられる。
聞けば、中の人たちは、手足にモーショントラッキングセンサーを付けて、ダンスをしているのだという。確かに明らかに、移動と両手を動かすことしかできない我々とは違って、身体全体の表現力が全然違う。こういう、全身のモーショントラックを『フルトラ』と言うのだそうだ。
しかし、これ、中の人は本当にこんなダンスを踊っているのだろうか? ガチ過ぎるw このこれまで高価だった『フルトラ』を、わずか3万円未満で実現しようというのがPanasonicの子会社で、ベンチャー的チャレンジを得意とするShftall。プレスリリース(https://ja.shiftall.net/archives/704/)によると、2021年の春〜夏頃に発売予定だという。未来が近い!
ちなみに、これを使うには、Oculus Questだけでだめで、動作環境自体をWindowsパソコンに移す必要がある。
筆者は、Oculus Quest 2で入っていたが(わずか3万7100円(税込)のデバイスでこれができるのもすごいが)、ガチ勢の方々は、自作パソコン的なハイパフォーマンスなマシンでログインしている。高性能なGPU搭載のマシンを使うと、ワールドやアバターの服装にも、高精細で、半透明の素材や、キラキラ光る材質を使うことができる。筆者は体験したことがないが、現実感が全然違うらしい。
フルトラを活用するにはそういうマシンが必要(あと、広い部屋と(笑))
参加するなら、未来のトップインフルエンサーとガッチリ組める、今!
どうだろう? もうここまで世界が広がってるのかと、驚かれたのではないだろうか?
今でも、高齢者の方が「パソコンなんてなくても平気」とおっしゃるように、VR世界に入らなくても別にこれからも生きてはいける。しかし、パソコンやスマホを使う我々が、その中で決済し、海外の人と話し、仕事し、さまざまなコミュニケーションをしていることが、パソコンを使わない人に理解できないのと同様に、VR世界に入ってみないと、取り残されていくばかりだろう。
こうやって、VR空間内でのマーケティングはすでに始まっているし、そのうちミーティングもビデオ会議でなくVR空間内で行う人たちも出てくるだろうし、消費活動や仕事の一部はVR空間内で行うようになるだろう。
「でも、まだやっている人は少ないし、影響力も少ないのでは?」と思う人もいるかもしれないが、VR空間内で会う人の多くは、ずっと前にインターネットが始まった頃に会った人たちだし、12〜3年前に、TwitterやInstagramの草創期に会った人たちだ(もちろん、若い人もいっぱいいるし、むしろそれが特徴的なのだけど)。つまり、このVR空間が次の市場として立ち上がっていく可能性は非常に高い。
そして、今、参入してくる積極的な企業に彼らは非常に好意的だ。燃え上がり始めた小さな炎を支えてくれる人に彼らは積極的に協力してくれる。今、この市場に入ることは、15年前にアルファブロガーになる人に会うのと同じだし、10年前に未来のトップYouTuberに会うのと同じだ。あとから入って来て、ヒカキンと仕事をしようとしても相当お金がないと無理だが、今なら、未来のVR界のインフルエンサーの気持ちを掴むことができるのだ。
とりあえず、12〜3年前に、Twitterのアカウントを作って、こわごわtweetしてみたように、とりあえずOculus Quest 2を買ってきて、VRChatにログインしてみよう。話はそれからだ。
今週末、私もまたクロスマーケット2にログインしてみるので、ぜひ、VR空間内でお会いしよう。
同じクチバシお面の猫背な黒づくめのアバターで参加しているので、あちらでお会いしたら、ぜひお声掛けいただきたい。
(村上タクタ)
(最新刊)
flick! digital 2021年3月号 Vol.113
https://funq.jp/flick/magazines/20158/
デジタル超整理術 リモートワーク編
https://funq.jp/flick/magazines/20164/
SHARE
PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。