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ステファニー・ギルモア 絶対女王、7度目の戴冠。

もはや絶対女王と言っていいだろう。その称号に誰もが納得するはずだ。
2018年にワールドチャンピオンに輝いたステファニー・ギルモアにとって、今回は7度目のタイトル獲得。いかなるコンディションでも対応する総合力の高いサーフィンと、コンペティターとしての成熟度がミックスし、”ステフ”は現代サーフィンにおいて、レジェンドの仲間入りを果たしたのだ。
そんなステフに独占インタビューを敢行。ステフはなにを答えたか……。

ゴールドコーストでの2018年初戦「ロキシープロ」では5位。優勝はできなくても安定した戦いができるのがステフの強みだ

自分自身にコミットし、結果にかかわらず楽しむことが大事。

サーフスタイル(以下S):これで7度目のワールドタイトル獲得。初めてワールドチャンピオンになった2007年は、他の6度の年と比べて一番プレッシャーを感じていた? そのプレッシャーとはどうやって付き合っていったの?

ステファニー・ギルモア(以下G):自分自身の感覚では、2018年が一番プレッシャーを感じていたように思うの。CTを廻る女性サーファーたちの才能が素晴らしくて、レベルが上がってるから、毎年勝つのが難しくなっていると感じている。でも、自分自身でまだまだできるって証明しなきゃいけないとも思ってる。プレッシャーに対処するには、自分がすべきことにコミットして、途中でなにが起こったとしてもツアーでの旅を楽しむってことね。

S:1つ1つのタイトルはあなたにとって違う意味を持っている?

G:同じように感じるタイトルもあるし、価値が高いって感じるタイトルもある。身体的に調子が上がらなかったり、感情的に気分が落ちたりすることもあるけれど、どんなときもそれに打ち勝って上げていかなきゃいけない。頂点に立つためにはとにかくハードに取り組んでいかなきゃいけないから、タイトルはいつでも価値があるものでもあるわ。

第3戦の「オイリオ・ウィメンズプロ」では、前戦に続く優勝を飾り、2連勝。この前半戦でのリードが2018年のタイトル獲得につながったと言っていい

コンペティターとしての厳しい戦いを離れると、ステフは優しい女性の顔に戻る

100%フォーカスし、100%の努力をしなければ、ここにはいられない。

S:2017年は2位でフィニッシュ。タイトルに手が届くところまでいったけど、届かなかった。その事実はタイトルを獲得する活力になった? タイトルを取れなかったときはどんな気持ちたった? より勝ちたいっていう気持ちが強くなったの?

G:2017年にタイトル獲得まですごく近いところまでいったことは、私がすべての面で100%フォーカス出来ていなかった、一年を通じて100%の努力が出来ていなかったってことを気づかせてくれたし、私が勝てなかった理由こそそこにあるんだってわかったの。すべてのイベント、すべてのヒートでやるべきことを怠らないように自分自身を持っていかなきゃいけない。その意識が強くなったのは確かね。

S:自分自身ではなぜ2度もタイトルを獲得できたんだと分析している? 自分自身のサーフィンの強みはなんだと思う?

G:自分のサーフィンの強みは、フローのあるサーフィンを展開できる能力だと思ってる。一本の波で、ミスなく複数のマニューバを1つにまとめ上げることができる。それと、スマートにヒートを進められることね。

S:前年と比べて2018年はサーフボードのデザインに変化はあった?

G:5’9”から5’10”に1インチ長くしたわ。あと、5’11”とか6’1”とかの長さも問題なく乗れるように調整したの。昔は一年を通じてずっと5’9”を使っていたけれど、去年はいきなり大きなボードに乗ってもストレスを感じないように変化を加えたの。

S:WSLで戦ってきて一番学んだことはなに? タイトルを獲得するために一番重要なことはなんだと思う?

G:一貫性っていうのが鍵ね。けど、同時に楽しむことだったり、チャレンジしていくことだったりっていうことも大事よ。失敗を恐れないで、心地のよくない状況でも穏やかでいるっていうこともすごく大切なことだと思う。

S:もしあるイベントで負けて成績がよくなかったときは、どうやってそこから立ち直って次のイベントにつなげるの?

G:過去は変えられない。できることといえば、負けから学ぶことだけよ。だから負けたことに固執しないで、結果を受け入れつつ、学び、前に進まなくちゃいけない。

S:1つのイベントに何本サーフボードを持っていく?

G:いつも6〜8本くらい持っていくわ。

S:一年に作るサーフボードの数は?

G:25〜30本。

S:サーフボードとサーフボードのパフォーマンスで重要視しているところは?

G:スピード。それと私がリクエストしてるのは反応がいいボードにしてほしいということ。マジックボードって呼べるボードには似たようなフィーリングがあって、私はいつもそのフィーリングが得られるボードを探しているの。そういうボードがあると、余裕を持って試合に臨むことができる。

スピード、キレ、パワー。すべての面において高いスキルを誇る。それを支えるのは、密なコミュニケーションを経て生み出されるサーフボードだ

サーフィンとはいつまでもいい関係を続けていきたいというステフ。彼女が発する言葉の端々から、サーフィンに対する愛情が溢れ出てくる

第6戦を迎える時点で、カレントリーダーを表すJeepのイエロージャージをレイキー・ピーターソンに譲っていたステフ。だが南アフリカのイベントで3勝目を飾り、トップの座を奪い返すことに成功
初めての人工波での開催となった「サーフランチプロ」でも2位と安定感を発揮した

究極のゴールはサーフィンと健康的な関係を続けること。

S:WSLでの次のゴールはなに?あとサーフィン人生での究極のゴールも教えて。

G:もう一度ワールドタイトルを獲りたいと思ってるし、2020年の東京オリンピックにも出たい。究極のゴールは、生きているかぎりサーフィンと健康的な関係を続けていくということね。

S:タイトルを勝ち取ってから周りの環境は変化した?

G:生活は比べ物にならないくらい忙しくなったわ。でもいろいろな機会を得られるようにもなって、素晴らしいことも増えた。これからは他の人が夢を叶えたりゴールに到達したりするのを助けることもやっていきたい。

ステフはサーフィンにおいて向上心の塊だ。上を目指し突き詰める姿勢が、彼女の原動力となっている

女性サーファー全体のスキルが上がる中で、トップに居続けることは並大抵の努力では不可能。だからこそ、タイトルを獲得したときには本当の笑顔がこぼれた

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FUNQ NALU 編集部

FUNQ NALU 編集部

テーマは「THE ART OF SURFING」。波との出会いは一期一会。そんな儚くも美しい波を心から愛するサーファーたちの、心揺さぶる会心のフォトが満載のサーフマガジン。

FUNQ NALU 編集部の記事一覧

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