北穂高岳 登山ルート「がんばったご褒美は抜群の展望。涸沢小屋・テント泊する1泊2日の山旅」

北アルプスの名峰・北穂高岳。標高3000mを超える山ですから初心者には無理ですが、ある程度の登山経験がある人ならば槍ヶ岳・穂高山域では挑戦しやすい山といえます。そこで、今回は上高地から出発し、開放的な景観を誇る涸沢で1泊してから、北穂高岳へ向かう1泊2日の登山ルートをご紹介します。

北穂高岳 登山ルートへのアクセス

公共交通機関:新宿駅からJR中央本線特急で松本駅へ。ここから上高地行きのバスを利用するのが便利ですが、松本電鉄上高地線の新島々駅で、上高地行きのアルピコバスに乗り換えるほうがバス便は多い。

車:長野自動車道松本ICから国道158号線を走行して沢渡まで行き、 ここに駐車して上高地行きのバスかタクシーを利用。沢渡エリアには4カ所の市営駐車場と10カ所の民間駐車場があります。沢渡までの道は片側一車線。トンネルも多いのでスピードの出しすぎに要注意しましょう。

上高地→横尾→涸沢→北穂高岳→涸沢→横尾→上高地
[歩行時間]16時間40分
[技術]★★★☆☆
[体力]★★★☆☆
[レベル]中級

ルートプランと所要時間目安

日程:1泊2日
歩行時間:16時間40分
歩行距離:36km
登山口:上高地
下山口:上高地
高低差:1,600m

今回ご紹介するコースは1泊2日の予定ですが、2泊3日の日程が取れれば、奥穂高岳~前穂高岳と合わせて登ることができます。1日目は上高地~涸沢までの行程。2日目は奥穂・前穂を縦走。3日目は北穂高岳に登り、そのまま上高地まで下山といった行程です。宿泊は涸沢に建つ2軒の小屋。あるいは、テント場を利用するのもいいでしょう。その場合、朝食も夕食も2軒の小屋で食べることができるので、テントを設営したらすぐに手続きをするのを忘れずに。

上高地
↓3時間10分
横尾
↓3時間
涸沢
↓3時間
北穂高岳
↓2時間20分
涸沢
↓2時間
横尾
↓3時間10分
上高地

北穂高岳 登山ルートの詳細ガイド

上高地から登山基地の涸沢へ

登山口になるバス終点の上高地は、槍や穂高を目指す登山客よりも軽装の観光客の姿が圧倒的に多く、避暑地ならではの雰囲気が漂います。そのシンボルの河童橋(かっぱばし)から山並みを眺めたら、早々に梓川の左岸をさかのぼっていきましょう。

散策を楽しむ観光客の姿が明神までの間に目立たなくなり、ポイントとなる徳沢、横尾とたどるうちに、登山者たちの天国になってきます。

横尾山荘やトイレを利用し、身支度を整えてから、大きな吊橋の横尾大橋を渡りましょう。針葉樹林帯を進み、河原歩きを終え、岩小屋跡をすぎると、横尾の手前で目にした大きな屏風岩の垂直な壁を仰ぎ見ることができます。樹林帯をさらに登ると、小さな吊橋の本谷橋が。この先はさらに厳しい登り、樹林帯をジグザグに登り進めていきます。

右手上方に涸沢のカールが見えてくれば、辺りはダケカンバやナナカマドの林に。Sガレをすぎ、建物が見えれば涸沢にある山小屋のひとつ涸沢ヒュッテです。石段を登ると二俣があり、右は涸沢小屋とテントサイト、左は涸沢ヒュッテにに通じるので、方向を間違えないように。

涸沢のテントサイトからの北穂高岳の眺め。登山道を上下する人たちの姿がはっきり見えてます。テントサイトから夜明けに眺めるとヘッドランプの列が幻想的な景観を作り出します。

目指す山頂を仰ぎ見る

涸沢で山頂を仰ぎ見たあと1泊し、翌日山頂を目指します。普段は涸れている北穂沢から取り付きます。初夏には雪渓が残っている場合も。踏み跡をトレースしながら登り、大きな岩のところで沢から離れ、左へ。岩に書かれた矢印を頼りに進みましょう。

お花畑をすぎ、ハイマツ帯に入ると、大きな岩が転がる道になるので、やがて現れる二俣は左へ。ゴーロ状の道を進み、左上の岩壁にクサリとハシゴが見えたら、そこが南稜ルート取付点となります。取り付けられたクサリは、慣れている人ならば使わなくても登れるでしょう。その先は長いハシゴを登ることになりますが、登り下り兼用なので、前後に注意を配ることを忘れずに。

南稜ルート取付点からは長いハシゴを登ります。

そこが南稜ルートの出発点。さらに険しい岩場の登りが始まります。クサリ場をクリアし、岩場を進むと、ようやく山頂付近が見え始めます。テントが張られているのが、南稜テラスと呼ばれる小さな台地。その先で山頂直下の北穂分岐に出ます。ここを右、北穂沢源頭部をトラバースし、鞍部から石段を登り返せばいよいよ北穂高岳山頂です。

山頂手前の南稜テラスはテントサイトになっています。星を撮影するカメラマンが多く利用。

展望は申し分なく、小広く、平坦でランチにもいい場所です。下山は往路を戻ります。とくに雪渓が残っている箇所では慎重に行動しましょう。

北穂高岳 登山カレンダー(該当月の1日)

北穂高岳 山データ

山名:北穂高岳(きたほたかだけ)
標高:3,106m
登山適期:7月中旬~9月下旬
営業小屋:横尾山荘、涸沢ヒュッテ、涸沢小屋、北穂高小屋
避難小屋:横尾
テントサイト:小梨平、徳沢、横尾、涸沢、北穂高南稜
水場:徳沢、横尾、涸沢
トイレ:徳沢、横尾、涸沢、北穂高小屋
ビューポイント:涸沢、北穂高岳
連絡先:松本市山岳観光課(TEL.0263-94-2307)、アルピコ交通バス(TEL.0263-92-2511)、北穂高小屋(TEL.090-1422-8886)

登山を楽しむ皆さんへ

北穂高小屋は、富士山を除く山域では最も高所に建つ小屋。できれば宿泊して朝日、夕日に輝く北アルプスの山並みを見てみましょう。なにか自分のなかで変化が起こるかもしれませんよ。小屋で働くスタッフはそうした変化があった人が多いと聞きます。

南稜ルートは勾配のきつさで知られますが、自分のリズムを崩さなければ、それほど辛い思いをせずとも登れます。辛いと感じるのは、人のペースに合わせてしまうから。立ち休みを繰り返しながら登るようにすれば、途中で長い休憩時間を取る必要もなくペースがつかめるでしょう。ウサギとカメの話と同じことが山歩きでは起きることを実感できます。

出典

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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