筆とまなざし#163「久しぶりの雪山登山。八ヶ岳の阿弥陀岳北稜へ」
成瀬洋平
- 2020年02月02日
久しぶりの雪山登山。人気のバリエーションルートをのんびりプランで楽しむ。
久しぶりに山に行こうと、アトリエ小屋に置いてあった冬山用登山靴を持って帰りました。愛用しているのはラ・スポルティバの「バツーラ 2.0 GTX」。ゲイター付きの軽量なブーツで、アルパインクライミングには打ってつけの一足です。一昨年にアイスクライミングに行って以来、去年は冬山には行きませんでした。なんとも靴だけは立派でまさに宝の持ち腐れ。ようやく活躍してくれるときが訪れました。
数年前までは毎週のように冬山へ通っていたのですが、フリークライミングに熱中しすぎてこの数年はとんとご無沙汰していました。それに加えて温暖化の影響で暖冬が続き、雪が少なかったりアイスクライミングに出かけようと思っても氷が溶けてしまいシーズンがとても短い。せっかく慣れてきたところで暖かくなってしまうのであまり行こうという気持ちにならなかったのです。とはいうものの、雪があるところにはあるし寒いところは寒い。結局、冬山に出かけるのが億劫になっていただけでした。
久しぶりに山に行こうと思って選んだのは八ヶ岳の阿弥陀岳北稜。八ヶ岳の入門バリエーションルートです。妻のアルパインクライミングデビューを兼ねて雪と戯れてこようと思ったのです。山岳会で行くのなら未明に出発して日帰りするところですが、今回は初日は行者小屋まで。翌日北稜を登るというのんびり計画です。詰め込みすぎると辛いでしょうし、おもしろいということになればまた出かければいい。
週末は天気も良さそうだし、北稜は人気ルートなので混みそうですが、ともかく久しぶりの山行にワクワクしながら準備をしました。久しぶりすぎてなにが必要かと考えてしまうのが困りもの。テント、寝袋、クッカーとバーナー……ウエアはどれにしよう。それからヌンチャク、ロープなどのクライミングギア。クランポンを靴に合わせて、アックスはこれでいいか……。食料の重さはそれほど気にしなくても大丈夫。ワインやチーズも持って行こう。いい景色に出会い、絵のモチーフもたくさん見つけてこようと思います。
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