おにぎりにひと手間レシピ｜小雀陣二の山グルメ

山の食事の大定番といえば、おにぎりでしょ！　そのまま食べても美味しいけれど、ひと手間加えて熱々ウマウマに仕上げましょう。

今回は鮭をチョイス！

おにぎりは、日本ならではの優れた携行食だ。もちろん、古くから登山者の間でも重宝されてきたが、今回はこれを食材のひとつとして考えて、ひと手間加えてみよう。おにぎりの利点は、炊飯したり、アルファ米のように戻す手間がないので、すぐに食べられることである。

さらに、合わせる具材やスープを工夫すれば、和風の雑炊や洋風リゾットにも早変わり。今回は鮭おにぎりを使ったが、中身の具材次第でアレンジは自由自在だ。

初級レベル　menu1〈ショウガ入り鮭雑炊〉

生姜は身体を温める効能もあるし、唐辛子、梅干し、実山椒も雑炊向きの食材です。

• 調理時間10分
• 使用する水の量250㎖
• 食材の重さ200g

材料（１人分）

鮭おにぎり ……………………… 1個
ショウガ ……………………………3g
シメジ …………………………… ½株
青ネギ ……………………………  1本
顆粒ダシ ……………………………5g
白ゴマ油 ………………………大さじ1
塩 ………………………………… 適量

作り方

手順1.

ショウガを刻み、シメジを小分けにする。青ネギの根元側半分を3㎝幅にカットし、フライパンに入れる。残りの青い部分は刻んでおく。

手順2.

フライパンに白ゴマ油を加え、中火で少し焦げ目がつくまで食材を炒める。

手順3.

水、おにぎりを入れてほぐし、顆粒ダシを足して3分くらい煮込む。塩で味を調え、青ネギを散らす。

Point

小さめにカットして時間短縮

おにぎりを食材として考えると、火を通さずすぐに食べられることが最大のポイント。その長所を生かすためにも、合わせる具材は小さめにカットするか、生でも食べられるものを選ぼう。短い時間で調理が済めば、燃料が節約でき、身体も冷えない。

中級レベル　menu2〈マイタケとオクラのあんかけ丼〉

今回の具材以外にもマイタケ、インゲン、煮干やジャコなどもおすすめです。

• 調理時間10分
• 使用する水の量250㎖
• 食材の重さ180g

材料（１人分）

鮭おにぎり ……………………… 1個
マイタケ …………………………⅙株
オクラ …………………………… 2本
干しエビ …………………ひとつまみ
葛粉 ………………………………20g
鶏ガラスープの素 ………………  5g

作り方

手順1.

マイタケは石突きを落とし、手で割く。オクラはヘタを切り落として刻む。カットしたらフライパンに入れ、干しエビ、水、鶏ガラスープの素を加え、中火で2分ほど煮込む。

手順2.

器におにぎりを入れてほぐしておく。

手順3.

葛粉を20㎖くらいの水で溶き、フライパンに回し入れる。ゆっくりかき回してトロみをつけ、おにぎりにかける。

Point

トロみをつけて熱々を楽しむ

雑炊を作るなら、スープにトロみをつけてみよう。冷たいおにぎりも、熱々のあんかけをかければホットに楽しめる。山ではすぐに食事が冷めてしまうが、トロみがあれば熱々の状態をキープできるのだ。リゾットやラーメンなどにも使えるテクニック。

上級レベル　menu3〈ライスグラタン〉

小分けになったレトルトソースを使えば、簡単にグラタン風に仕上がります。

• 調理時間10分
• 使用する水の量
• 食材の重さ280g

材料（１人分）

鮭おにぎり ……………………… 1個
セロリ ………………………10㎝ほど
小分けのホワイトソース ……… 1袋
卵 ………………………………… 1個
粉チーズ ………………………… 20g

作り方

手順1.

フライパンにおにぎり、刻んだセロリ、ホワイトソースを入れる。

手順2.

全体をよく混ぜて、粉チーズをふる。真ん中に凹みを作り、卵を落とす。

手順3.

フタをして、中心だけが焦げてしまわないように中火で鍋底全体に満遍なく火があたるよう、フライパンを動かしながら焼く。フタがなければ、アルミホイルをフタ代わりするといい。

Point

卵は半熟のトロトロに

卵に火を入れすぎないよう、半熟に仕上げよう。見た目のよさだけでなく、ご飯全体に絡みやすくなる。トロトロの卵と、シャキシャキのセロリの食感の違いを楽しみたい。好きな具材を追加して、より豪華なグラタンに仕上げてもいいだろう。

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Profile

小雀陣二（こすずめじゅんじ）

アウトドアコーディネーター。外での料理が楽しくなる簡単で美味しいレシピを紹介し、キャンプを快適にする道具作りにも関わる。最新刊『お手軽アウトドア燻製レシピ』（小社刊）が好評発売中！