BRAND

  • Lightning
  • 2nd(セカンド)
  • CLUTCH Magazine
  • EVEN
  • BiCYCLE CLUB
  • RUNNING style
  • NALU
  • BLADES(ブレード)
  • RIDERS CLUB
  • CLUB HARLEY
  • DUCATI Magazine
  • flick!
  • じゆけんTV
  • 湘南スタイルmagazine
  • ハワイスタイル
  • buono
  • eBikeLife
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • Kyoto in Tokyo

山岳ガイドに聞く岩稜帯登山の注意点

岩稜とは急峻な岩の尾根で、それが連続すると岩稜帯になる。落石や滑落などが発生しやすく、事故が命取りになる確率が非常に高い。危険なルートを安全に通過するために、意識すべき注意点を山岳ガイドに聞いた。

文◉吉澤英晃 Text by Hideaki Yoshizawa
写真◉後藤武久 Photo by Takehisa Goto
イラスト◉藤田有紀 Illustration by Yuki Fujita
出典◉PEAKS 2020年7月号 No.128

岩稜帯は風雨の影響を受けやすく、滑落の可能性が高い

急峻な岩尾根で構成される岩稜帯には、樹林がほとんどありません。風雨の影響を受けやすく、風でバランスを崩す、雨で濡れた岩で滑るなどの危険がつきまとい、それらが要因となって滑落する可能性が高くなります。

そしてひとたび足を踏み外すと、障害物がないため急斜面を猛スピードで落下することになり、重大事故につながりやすいです。また体力がいつも以上に削られる、落石が発生する、複雑なルートで道に迷うなどのリスクもあります。

装備にも配慮を。服はタイトに、バックパックはシンプルに

風の影響やなにかに引っかけてバランスを崩す危険性を回避するために、服装はタイトなものを選びましょう。バックパックも同様に、外側にストラップやポケットが少ないシンプルなものが好ましいです。

シューズは細かい足場に立つことを考えて、剛性が高く、ソールにクライミングゾーンがあるモデルが適しています。ハシゴやクサリ場などでは、滑り止めとベルクロクロージャーが付いた薄手の手袋があると便利です。

登山用ヘルメットは必ず着用しよう

ヘルメットは岩稜帯の必需品です。かぶる目的は、落石による重傷を防ぐことと、転滑落時に頭部を保護する点にあります。必ず頭にフィットしたモデルを着用しましょう。しかし万能な装備ではなく、怪我を防ぐいっぽうで熱中症のリスクが高くなってしまうデメリットもあります。

危険性の少ない登山道では外しましょう。また熱中症対策でヘルメットの下に帽子をかぶる場合は、視界をさえぎらないようにツバが短いものが好ましいです。

落石を避けるためにフォールラインに入らない

落石を避けるためには地形をよく見て、落石の通り道となるフォールライン、すなわち水が流れるような場所に入り込まないように注意します。先行者がいる場合は距離をとり、登りでは真下に入り込まず左右にずれて行動しましょう。

落石を避けるいっぽう、発生させないことも大切です。色が違う、もしくは苔が生えていない石は動く可能性が高いので、手で持つ場合は押し付けて、足を乗せる場合は静かに体重を移動させます。

慎重に歩き、登下降では三点支持を意識して滑落を防ぐ

もっとも大切なことは慎重に歩くことです。そして登り降りでは三点支持を意識します。大きな段差をうしろ向きに下るときは、腰を岩に近づけて上半身を反らしましょう。足に体重が乗り安定して立てるようになります。そして肩越しに振り向いて足場を探すのがポイントです。足元がよく見えるようになり、岩場の凹凸も確認しやすくなります。

また転滑落の可能性は浮石に乗ると高まるので、掴んだ岩を手で揺らしてみる、足場をつま先で蹴ってみるなど、細かくチェックしましょう。

ハシゴやクサリに全体重をかける前に、強度チェックを

人工的に設置されたハシゴやクサリは、ついつい安全と思い込みがちですが、実際には経年劣化によって強度に不安がある危険なものもあります。そのため使用する前に必ず強度チェックを行ないましょう。

登りで使う場合はハシゴなら前後左右に揺らしてみる、クサリなら安全な場所でグイグイ引っ張ってみます。強度が確認できたら、今度は全体重をかけて登ったほうが安全です。下りで使う場合はいずれも大元となる支点をチェックします。手で揺らしてみてグラグラしないか確認しましょう。

装備の外付けはNG。水筒もバックパックの中にしまおう

岩稜帯ではバックパックを岩に擦りつけたり、ぶつけたりする場面が多くなり、注意していても水筒を落とす可能性が高くなります。水分を失うだけでなく、それが人にぶつかり怪我や事故を誘発する危険性もはらんでいるため、不便に感じても水筒もバックパックの中に収納しましょう。

水筒の代わりにハイドレーションを使う人もいますが、ホースがなにかに引っかかる可能性も考えられます。落としたり引っかけたりするものは極力なくしましょう。

道幅が狭い場所で人とすれ違うときは、安全な場所にいる人がゆずるのが基本

道幅が狭いポイントに入る場合、まずは前方からこちらに向かって歩いてくる登山者がいないか確認しましょう。もし人とすれ違う場合は、やや道幅が広くて安定した場所にいるほうが道をゆずるのが一般的なルールです。

これが急斜面の場合、両者とも安全な場所にいるとはいい難いので、滑落や落石の危険性が少ないという観点から、登りが優先になります。ただし登ってくる人が団体の場合は、声をかけて先に下らせてもらうこともあり。臨機応変に対応しましょう。

事故に巻き込まれたり遭遇したりしたら、自分の安全を第一に確保

事故で大切なことは二次被害を防ぐことです。そのため、なによりも優先すべきは自分の安全確保になります。もしも自身が滑落事故を起こしてしまった場合は、これ以上落ちる心配が少なく、落石を受ける危険も少ないフォールラインを避けた場所に移動し、それから救助を要請します。

これが事故に遭遇した場合には、事故者が危険な場所にいる状況では助けたい気持ちがあっても近づいてはいけません。助けに行ったがためにその人も事故に遭ってしまうというケースは、絶対に避けましょう。

教えてくれた人/佐藤勇介

1979生まれ。日本山岳ガイド協会認定山岳ガイド(ステージⅡ)。ガイド業とともに国立登山研修所の講師も務める。

出典

SHARE

PROFILE

PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

PEAKS 編集部の記事一覧

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

PEAKS 編集部の記事一覧

No more pages to load