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筆とまなざし#229「残雪の中央アルプス宝剣岳、中央稜ルートへ。(前編)」

千畳敷からクランポンをつけてアプローチ。「中央稜ルート」へ。

中央アルプスの宝剣岳はクサリ場の連続する岩山です。山麓から眺めるその岩峰は稜線上のひとつのピークにすぎないのだけれど、まさに宝剣のような端正な形。その東面は千畳敷カールから突き上げる高差250mほどの硬い花崗岩の岩壁になっていて、1970年台に多くのルートが初登されました。季節を問わず登られており、近年でも先鋭的なクライマーによって積雪期に新しいラインが登られています。

この岩壁を登るにはちょっとしたルールが存在します。それは、雪のない時期は植生保護の関係で千畳敷からはアプローチできず、一般ルートで頂上に登り、頂上から懸垂下降して岩壁基部の取り付きに行かなければならないことです。登山なのに、一度頂上に登ってから下り、改めて岩壁を登って頂上に達するというのもなんだか興醒めしてしまう。

そんな宝剣岳の岩場ですが、雪が岩壁まで繋がっている残雪期だけ、千畳敷からアプローチしてフラットソールで岩を登ることができます。クランポンをつけてアプローチし、花崗岩の乾いた壁をフリークライミングで登る。ロケーションもスタイルもまさにヨーロッパアルプスのようです。しかも千畳敷まではロープウェイで行けるのでとってもお手軽。いささか安直すぎる気もしますが、この時期、この場所ならではの遊び方なのです。

以前から行ってみたいと思っていたのですが、梅雨時だったりパートナーと都合がつかなかったりでなかなか機会に恵まれませんでした。梅雨入りしたのに晴天が続く週末。日曜日は絶好のチャンスだとばかりに、宝剣岳東面でもっともポピュラーな「中央稜ルート」へ向かいました。

朝一のバスに乗ってしらび平へ。ロープウェイに乗り換えるとあっという間に千畳敷カールに到着しました。カールを埋め尽くす残雪は岩壁の下まで続いており、なおかつ岩には雪が付いていない。標高2600mを超える場所なのでさすがに風は冷たいものの、初夏の明るい日差しが燦々と降り注いでいる。まさに絶好のコンディションです。

カールからは乗越浄土に向かってしっかりとトレースがついており、すでに八丁坂の急な雪面を登る登山者が見えました。登山靴にクランポンを付け、アックスを握りしめて準備完了。少しだけトレースに沿って歩いたあと、左に外れて岩壁基部へと続く急な雪面を登って行きました。

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

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