私のおすすめ雪山ルート 日帰り編 Part 2 〜飯士山・赤城山・蓼科山・三ツ頭〜
PEAKS 編集部
- 2021年12月20日
INDEX
雪山入門からステップアップまで、雪山好きのあの人におすすめの日帰りルートを教えてもらった。Part 2は飯士山、赤城山、蓼科山、三ツ頭を紹介。
>>>Part 1【谷川岳・蔵王連峰】はこちら
文◉高橋庄太郎、木村和也、新井知哉、根岸真理、編集部
Text by Shotaro Takahashi, Kazuya Kimura, Tomoya Arai, Mari Negishi, PEAKS
写真◉宇佐美博之、高橋庄太郎、木村和也、上久保匡人、中込真太郎、根岸真理、武部努龍
Photo by Hiroyuki Usami, Shotaro Takahashi, Kazuya Kimura, Masato Kamikubo, Shintaro Nakagomi, Mari Negishi, Doryu Takebe
出典◉PEAKS 2018年12月号 No.109
※レベル、歩行時間はあくまで目安です。積雪状況などにより大きく変わることもありますので注意ください。
飯士山(新潟)
越後湯沢にほど近い、秀麗な山容をもつ越後の名峰
レベル
中級〜上級
歩行時間
8時間30分
地元では「上田富士」と呼ばれ、親しまれている飯士山(いいじさん)。もっとも手軽なルートは岩原スキー場のゲレンデトップから稜線を経由するコースだが、ここでは、圧巻の飯士山スラブを眼下に望みながら山頂をめざす五十嵐ルートを紹介する。
雪の林道をたどり、登山口へ。登山口付近はスギの植林帯。開けた沢筋に出たら、山頂へ続く稜線に取り付く。右手には負欠岩が大きい。岩より上部は雪壁が現れる。やせた山頂稜線の展望はすばらしく、上越国境のほか遠く佐渡まで望むことができる。下山は岩原スキー場へ下ろう。
アドバイス
山頂直下の雪壁と山頂稜線が核心部。雪庇の踏み抜き等には充分注意したい。登山条件に少しでも不安がある場合には、岩原スキー場ゲレンデトップからの往復がおすすめ。入山者が少ないので、ラッセルは必至。
アクセス
上越新幹線越後湯沢駅から林道の入口までは、タクシー約15分、約¥2,100。下山はスキー場を下り、岩原スキー場前駅へ。スキー場を下る際には端を歩き、じゃまにならないよう配慮したい。
リコメンダー
兼業編集者
木村和也
登山誌『山歩みち』の編集長を務める傍ら、新潟県南魚沼市にて有機肥料・低農薬栽培の米作りを実践中。大源太山東面滑降が目下の目標。
赤城山(群馬)
短くても達成感バツグンな入門向きの山
レベル
初級
歩行時間
4時間
危険な箇所がほとんどない赤城山は、トレッキングポールで歩ける雪山入門にピッタリの山。コースもさまざまあるが、赤城山最高峰の黒檜山から稜線を歩いて駒ヶ岳に登り、また登山口へと戻ってくるサーキットルートがおすすめ。黒檜山の山頂から5分ほど歩いた場所にある展望ポイントの景色は格別。上越の山々を中心に大パノラマが広がり達成感も味わえる。積雪が極端に多い山ではないが、降雪後はスノーシューやワカンを持参しよう。また、駒ヶ岳登山口にも駐車場があり、反対に回るのもおすすめ。
アドバイス
危険箇所はほとんどないが、荒天の場合はやはり冬山らしい強風が吹くこともあるので、防寒対策はしっかりと。また、降雪後や平日などはトレースがないこともあるので、長めに時間を見積もること。
アクセス
車の場合、東京方面からは関越自動車道の前橋ICから約70分、赤城ICから約60分。公共交通機関の場合、土日祝は前橋駅から赤城山ビジターセンターへの直通バスが運行。片道約1時間30分、料金は¥1,500。
リコメンダー
プライレット ディレクター
上久保匡人
山ストールブランド「プライレット」のディレクター。地元・桐生で山ストールとコーヒーのショップ「アズマベース」がオープン。
蓼科山(長野)
あえぎながらたどり着く価値ありの、八ヶ岳を眺める特等席
レベル
中級
歩行時間
7時間
八ヶ岳から少しだけ離れたように佇む蓼科山。冬はバスが走っていないのでアクセスしにくいが、八ヶ岳エリアの混雑を避けるにはちょうどよい。
登山口の竜源橋バス停から滝ノ湯川沿いに上流方向へと向かい、やがて小さな谷を抜けると天祥寺原という気持ちの良い雪原が広がる。蓼科山はほぼ独立峰なので、風の強い日は稜線での強風に注意が必要だが、天気に恵まれれば八ヶ岳の山々や南アルプスだけでなく中央アルプス、御嶽山、さらに北アルプスまでも望む、360度の絶景が待っている。
アドバイス
綺麗な円錐形の山なので、積雪期は適当なところから直登したくなるが、頂上直下は傾斜がきついので夏道通り将軍平を通るコースが一番歩きやすい。頂上直下は急登。アイゼンの前爪を効かせて頑張ろう。
アクセス
ビーナスラインを茅野から白樺湖方面へ向かい、蓼科山登山口である女神茶屋よりも手前にあるのが竜源橋バス停。冬期はバスが走っておらず、トイレや店などもないので、事前にしっかりと準備を。
リコメンダー
デザイナー
新井知哉
友人に初めて連れて行ってもらった雪山がこの蓼科山。以来山のとりこに。アウトドアメーカーのPRを経て、フリーランスとして奮闘中。
三ツ頭(山梨)
日帰りでもたっぷり遊べる八ヶ岳入門ルート
レベル
初級〜中級
歩行時間
7時間
冬の南八ヶ岳というと赤岳、硫黄岳が有名だが、そこまで気負わなくても日帰りで十分に楽しめるのが三ツ頭。危険箇所はほとんどなく、初級者が雪山の感覚を味わうにはピッタリ。歩き出し天女山入口から。まずは天女山を経て天女山駐車場へ向かい、天ノ河原へ。そこから約3時間で前三ツ頭、三ツ頭まではさらに1時間程度。天ノ河原、前三ツ頭、三ツ頭のどこも天気が良ければ八ヶ岳の山々はもちろん、南アルプスなども望むことができるが、やはり三ツ頭からの景色は格別。少々長めだが、ぜひ歩いてみてほしい。
アドバイス
長めの行程なので出発は早めに。体力的に山頂往復がきついと感じたら途中で引き返そう。なお下りは勾配がある場所でスコップやソリを使って滑ることもできるので、荷物に余裕があれば持っていくと楽しめる。
アクセス
通常は天女山上の駐車場まで車でアクセスできるが、冬期は天女山入口でゲートが閉じられる。ゲート脇に車を駐車して向かうが、駐車台数は多くない(5台程度)ので仲間同士で乗り合わせるなどの配慮を。
リコメンダー
エルク 店長
中込真太郎
登山ガイド資格を有し、ショップ主催の登山イベントなども取り仕切る名物店長。来月にはひさびさにトレイルランのレースに参加予定。
>>>Part 3【藤原岳・堂満岳・木曽駒ヶ岳】はこちら
※この記事はPEAKS 2018年12月号 No.109からの転載です。最新情報に関しては山小屋・観光協会等、各所にお問い合わせください。
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文◉高橋庄太郎、木村和也、新井知哉、根岸真理、編集部
Text by Shotaro Takahashi, Kazuya Kimura, Tomoya Arai, Mari Negishi, PEAKS
写真◉宇佐美博之、高橋庄太郎、木村和也、上久保匡人、中込真太郎、根岸真理、武部努龍
Photo by Hiroyuki Usami, Shotaro Takahashi, Kazuya Kimura, Masato Kamikubo, Shintaro Nakagomi, Mari Negishi, Doryu Takebe
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。