私のおすすめ雪山ルート 日帰り編 Part 3 〜藤原岳・堂満岳・木曽駒ヶ岳〜
PEAKS 編集部
- 2021年12月21日
雪山登山を愛するみなさんにおすすめのルートを教えていただいた企画のPart 3は、藤原岳、堂満岳、木曽駒ヶ岳を紹介。夏山以上に、自身のレベルに合ったルート選びが重要だ。
>>>Part 1【谷川岳・蔵王連峰】はこちら
>>>Part 2【飯士山・赤城山・蓼科山・三ツ頭】はこちら
文◉高橋庄太郎、木村和也、新井知哉、根岸真理、編集部
Text by Shotaro Takahashi, Kazuya Kimura, Tomoya Arai, Mari Negishi, PEAKS
写真◉宇佐美博之、高橋庄太郎、木村和也、上久保匡人、中込真太郎、根岸真理、武部努龍
Photo by Hiroyuki Usami, Shotaro Takahashi, Kazuya Kimura, Masato Kamikubo, Shintaro Nakagomi, Mari Negishi, Doryu Takebe
出典◉PEAKS 2018年12月号 No.109
※レベル、歩行時間はあくまで目安です。積雪状況などにより大きく変わることもありますので注意ください。
藤原岳(三重・滋賀)
冬も楽しい鈴鹿のプレイスポット
レベル
初級〜中級
歩行時間
4時間30分
東海エリアからアクセスしやすい鈴鹿山脈。それなりに積雪もあるので冬には雪上ハイクが楽しめる。そのなかでも藤原岳は山頂からの眺めが良く、さらには9合目と山頂の間に避難小屋があるので、初心者にもおすすめ。ルート自体は藤原山荘まではしばらく単調な登りが続くが、藤原山荘から山頂までは広大な雪原が広がり、一気に気分も盛り上がる。天気が良ければ山頂からは御嶽山、白山、北アルプスまで眺められることも。登り約3時間、下り約1時間半でコンパクトに雪山の魅力を味わえる好ルートだ。
アドバイス
稜線付近からは強風に吹かれることもあるので、その際は避難小屋に入るなどして身体を冷やさないように。小屋の近くにはトイレもあり。昼食などでゆっくりできるが、他の利用者と譲り合って利用しよう。
アクセス
大貝戸登山口には駐車場だけでなく、休憩所、トイレ、靴を洗うための水道などもあり。満車の場合はいなべ市観光用駐車場(有料)を利用。公共交通機関の場合は三岐線西藤原駅から大貝戸登山口へと向かう。
リコメンダー
モデラート スタッフ
松下昌樹
登山やファストパッキングなどを軸に、春夏秋冬あちこちの山を飛び回る日々。最近はハンモックハイクにハマっている。
堂満岳(滋賀)
琵琶湖畔、電車で日帰りできるアクセス抜群の雪山
レベル
初級〜中級
歩行時間
7時間30分
京阪神エリアから一番行きやすい雪山が比良山系。大阪駅からJR湖西線直通新快速なら乗り換えなしの約1時間だ。ビギナーなら、ロープウェイを利用し、びわ湖バレイ周辺で足慣らしをしてもいいし、バリエーション志向なら堂満ルンゼ、αルンゼなどの登攀的なルートもある。
比良駅を起点に堂満岳東稜を登るルートは、比較的メジャーで、初中級者にも登りやすい。イン谷口手前の桜のコバから東稜道へ入り、720m地点からはほぼ尾根通し。一部急な部分もあるが、山頂付近からの眺めは抜群だ。
アドバイス
金糞峠を経由して周回ルートにもできるが、青ガレで雪崩が起きることがあるので、雪の状態が不安定なときは避けたほうがいい。中級以上なら北東側からピーク付近に突き上げる堂満ルンゼも楽しい。
アクセス
JR湖西線比良駅から徒歩。マイカーの場合はイン谷口に広い駐車場あり。土休日朝2便だけ運行のイン谷口までのバスは冬季は運休。西麓から縦走する場合は堅田駅または出町柳から坊村へバス便あり。
リコメンダー
フリーライター
根岸真理
六甲山をホームとして各地の山に出没するアウトドア系のライター。冬は温暖な熊野古道方面へ行くことが多いが、ラッセルも嫌いじゃない。
木曽駒ヶ岳(長野)
ロープウェイで上がれば、アルプスの稜線がすぐそこに
レベル
中級〜上級
歩行時間
3時間30分
標高2,956m。わずかに及ばないもののほぼ3,000mの標高がある中央アルプスの盟主・木曽駒ヶ岳。北アルプスの山々などと同様に例年冠雪が早く積雪も多いが、標高2,612mの千畳敷まで一気に連れていってくれるロープウェイのおかげで、比較的冬でも登りやすい山でもある。
スタートは壮大なスケールの千畳敷カールから。乗越浄土まで向かって登っていくが、乗越手前の八丁坂は急登なので、十分に用心しながら登ること。乗越浄土では一気に展望が開ける。同時に強風の影響も受けやすいが、これから先に風を遮るものが小屋の建物くらいしかないので、もし状況があまりよくなければ、無理して山頂を目指さず、引き返すという選択肢も頭に入れておこう。
乗越浄土からは左手にそびえる宝剣岳を見送り、右手の木曽駒ヶ岳方面へ。緩やかに中岳を登り、そこからまた下ったら木曽駒ヶ岳の山頂はもうすぐ。山頂からは中央アルプスの他の山々、南アルプス、北アルプスなども一望できる。
アドバイス
雪の状態にもよるが、千畳敷から山頂までは約2時間の道のり。このルートは冬でも入山者が多いのでトレースがついていることが多い。だが、降雪後やガスが濃い場合には道を誤らないように注意して進むこと。
アクセス
車の場合、中央自動車道駒ヶ根ICから菅の台バスセンターに向かい、そこから路線バスでロープウェイのしらび平駅へ。電車の場合は、飯田線駒ヶ根駅から路線バスで菅の台バスセンターへ。
リコメンダー
フォトグラファー
武部努龍
山梨を拠点に登山、キャンプなどアウトドアジャンルを中心に撮影。最近はアクションカメラやドローンを使ったムービー撮影にも力を入れている。
※この記事はPEAKS 2018年12月号 No.109からの転載です。最新情報に関しては山小屋・観光協会等、各所にお問い合わせください。
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文◉高橋庄太郎、木村和也、新井知哉、根岸真理、編集部
Text by Shotaro Takahashi, Kazuya Kimura, Tomoya Arai, Mari Negishi, PEAKS
写真◉宇佐美博之、高橋庄太郎、木村和也、上久保匡人、中込真太郎、根岸真理、武部努龍
Photo by Hiroyuki Usami, Shotaro Takahashi, Kazuya Kimura, Masato Kamikubo, Shintaro Nakagomi, Mari Negishi, Doryu Takebe
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。