長持ちさせるために適度に洗濯を。ウエアのお手入れ方法|山道具メンテナンス
PEAKS 編集部
- 2022年06月26日
汚れが目立ってきたレインウエアとダウンウエア。洗濯したいけど、汚れといっしょに性能も落ちてしまいそう……。気になるお手入れ方法について山道具のプロに聞いてみた。
INDEX
レインウエア
1.洗濯&脱水
皮脂や泥の汚れは機能を阻害し製品の劣化も早めてしまうので、適度な洗濯が必要となる。洗剤は一般的な家庭用でもOK。洗濯表示に従い洗濯機を使う場合は、ほかの衣類と分けて単体で洗う。ファスナーやポケットを全部閉めて、ストラップなどが飛び出さないようにまとめてから洗濯機に入れよう。生地に残った洗剤も機能を阻害する原因になるので、洗剤の量は少なめにして2回以上すすぐといい。
脱水は生地を傷める可能性があるので、タオルなどで水分を拭き取って干すとていねいだ。
2.乾燥&保管
直射日光に当てると紫外線で生地が劣化してしまうので、風通しのいい日陰を選んで干すようにしたい。完全に乾いたら少しだけ水をかけて撥水性をチェックする。生地が乾いた状態で水を弾かない場合は、撥水性を回復させるお手入れも必要になる。
撥水性に問題なければ保管。折り皺が生地の傷みにつながるので、畳まずにハンガーに吊るして湿気のこもりにくい場所で保管する。湿気はカビや生地を劣化させる加水分解の原因になるので注意が必要だ。
注意点
洗剤は粉末タイプや柔軟剤・漂白剤、蛍光剤、香料が入っているものを避けよう。気になる方はレインウエア専用の洗剤を使うと安心だ。
ダウンウエア
1.洗濯&脱水
洗剤は漂白剤と柔軟剤、蛍光剤、香料が入っていない家庭用の中性洗剤が使える。ただ、ダウン用品専用の洗剤を使えば羽毛の油脂を残すことができるため、ダウン本来のロフトが長持ちするのでおすすめだ。洗濯表示に従って洗濯機を使用する場合は、レインウエアと同じく単体で洗う。ファスナーやポケットは全部閉め、ストラップが飛び出さないようにまとめてから洗濯ネットに入れて、手洗いなど優しい洗濯モードで洗おう。脱水するとダウンが偏ってしまう可能性があるので、手で絞るかタオルで水気を取るようする。
2.乾燥
レインウエアと同様に直射日光に当てると紫外線で生地が劣化してしまうので、風通しのいい日陰を選び、太目のハンガーに吊るして干すようにしよう。中に入っているダウンまでしっかり乾いたら、玉になっている羽毛を両手で叩いてほぐしておく。
撥水性を復活させるには?
熱処理と撥水処理を!
まずは乾燥機やアイロン、ドライヤーなどで生地に熱をあてて熱処理を試してみる。これで撥水性が戻らない場合は市販の撥水剤を使おう。スプレータイプは手軽だが、ムラになりやすいのが欠点。浸け置きタイプは手間がかかるが、撥水剤が、まんべんなく行き渡るので撥水性を長持ちさせられる。
保管方法
カビに気を付けて!
保管するときは、乾かすときと同じで少し太めのハンガーに吊るしておく。もし、ハンガーの跡が気になる場合は、大きなメッシュのスタッフサックにふんわりと入れておくのもおすすめだ。湿気はカビの原因になるので、保管場所は風通しのいいところを選ぶ。除湿剤を置くなどして十分に気を付けよう。
教えてくれた人
カモシカスポーツ 山の店・横浜店
篠塚 優さん
登山の基本道具からマニアックなギアまで揃うカモシカスポーツ山の店・横浜店のウエア担当。大の山好きが転じて2012年12月に入社。休みには各地の山や岩場に出かける日々をすごしている。
※この記事はPEAKS[2022年4月号 No.149]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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