メスティンを使った燻製のやり方を伝授!簡単&おいしいレシピも紹介
FUNQスタッフ
- 2022年06月28日
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ご飯を炊いたり、鍋として使用することも可能なメスティンは、キャンプに持っていくと非常に便利な道具です。一般的な方法で使用している方は多いと思いますが、メスティンを使ったいつもと違う料理にチャレンジしたいという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、メスティンを使った燻製の作り方のほか、燻製の種類なども合わせて紹介します。
- 3種類の燻製
- 燻製作りに必要な道具
- 燻製の作り方
- 美味しく作るポイント
- 段ボール燻製器について
この記事を読めば、燻製を作る手順だけでなく燻製に関する知識も得られるでしょう。キャンプでいつもと違った料理を楽しみたい方も、ぜひ参考にしてみてください。
まずは「燻製」について知ろう
「燻製」とは、塩漬けにして乾燥させた食材に、木などを燃やして発生する煙を当てて風味を付けた料理のことをいいます。本来の食材が持つ風味に独特の香ばしさが加わり、燻製というステップを踏むことで、より美味しく食べられる食材も数多くあります。
また、煙には殺菌成分もあり、燻製の過程で水分も抜けて保存性が高まります。食材を長期保存するためにも有効な調理方法です。
燻製の種類
燻製は、煙を当てる温度や時間の長さなどによって大きく3種類の方法に分けられます。短時間で完成する手軽な方法や、長時間掛けてじっくり燻製する方法もあるので、難易度にも差があります。
ここでは、そんな3種類の燻製方法について詳しく紹介します。
熱燻
80℃を超える高温で10~30分程度食材を燻す方法です。高温で蒸すように調理するため、燻している間に食材にじわじわと火が通ります。よって、食材を生のまま食べてしまう危険性が低いことが特長です。
短時間調理のため食材には水分も残っており、ジューシーに仕上がる燻製として人気があります。しかし、燻製による風味をつけるための調理方法であることから、長期保存には向いていませんので注意が必要です。
温燻
60~80℃の温度で1~6時間ほど食材を燻す方法で、燻製の中でもスタンダードな方法です。長時間煙に当てるため熱燻に比べて水分が抜け、保存できる期間も伸びます。
温燻で作られているハムやベーコンなどのように、生のような食感を残しつつ安心して味わえます。あらかじめ素材を準備しておけば、小型の調理器具で比較的簡単にできる燻製方法です。
冷燻
30℃を下回る程度の温度を維持したまま、長時間煙に当て続ける燻製方法です。冷燻は温度調節が非常に難しく、ほとんどの場合は大型のスモーカーや専用のスモーカーを使用する必要があります。
低温に保ち続ける必要があるため、気温が低い時期に作るのがおすすめとされています。長時間かけて燻すことで水分も抜けるため、3つの方法の中で一番保存も効く方法です。
燻製づくりに必要な道具【おすすめ商品紹介】
食材を燻製するためには、準備しなくてはいけないものが何点かあります。必要な道具の中には、出来上がりの風味に直接関わるものもあるため、事前にしっかり準備しておきましょう。
ここでは、燻製づくりに必要な道具を紹介します。
スモークチップ
燻製調理に必須で燻製した食材の最終的な味にも大きく関わる、木を細かく砕いたチップです。このスモークチップを燻製器として使う鍋などに敷き、火で炙ることで煙を発生させます。
原料となる木にはさくら・くるみ・りんご・ならなど様々なものがあり、仕上がりの風味や色などにも違いが出ます。そのため、燻製にしたい食材との相性や好きな風味などを考慮して選びましょう。
SOTO「スモークチップス さくら」
国産原木のみを使用して作られた薬品無添加のスモークチップです。おすすめの食材は肉や魚ですが、その他の食材でも美味しく仕上がりやすく、初心者の方でも気軽に使えます。初めて燻製にチャレンジする方におすすめの製品です。
- 価格:517円
- 樹種:サクラ
- 内容量:500g
NANTO「スモークチップ5種」
燻製に使用するオーソドックスなスモークチップがセットになった製品です。樹種は山桜・ブナ・くるみ・水楢・ブレンドの5種類で、様々な食材とスモークチップの組み合わせを楽しめます。一袋の内容量が少ないので、燻製初心者や様々な樹種を試したい方におすすめの製品です。
- 価格:1,463円
- 樹種:山桜・ブナ・くるみ・水楢・ブレンド
- 内容量:80g
メスティン
調理する食材やスモークチップをいれ、煙を充満させるために必要な容器です。キャンプでもよく使う調理道具のため、小型で持ち運びやすくアウトドアシーンでも気軽に燻製を作れます。少量の食材を調理できるため、燻製を試しに作ってみたい場合にも便利な製品です。
キャプテンスタッグ「ダッチオーブン」
煮る・焼くだけでなくオーブンとしても使える、鉄製の調理器具です。アルミ製のメスティンと違い、高火力の調理にも使用できることから燻製にも問題なく使用可能。重量があるため持ち運びには適しませんが、自宅で燻製を作ろうと考えている方にイチオシの製品です。
- 価格:4,950円
- 製品サイズ:20.5×13×9cm
- 重量:2kg
- 容量:750ml
- 材質:鉄鋳物
トランギア「メスティン」
取っ手付きで使いやすい、アルミ製のメスティンです。ご飯を1.8合まで炊けるほどの内容量があり、炊飯だけでなく鍋やお皿代わりにもなります。高火力や水気の少ない状態での調理は、メスティンが変形する可能性があるため注意が必要ですが、便利で扱いやすい製品です。
- 価格:2,200円
- 製品サイズ:17×9.5×6.2cm
- 重量:150g
- 容量:750ml
- 材質:アルミ
メッシュトレイ(バット)
食材が鍋肌に直接触れて焦げないように、燻製の際はメッシュトレイの上に食材を置きます。こうすることで焦げる心配がないだけでなく、煙が食材全体を覆い風味が全体にいきわたります。また炭化したスモークチップが食材に触れるのを防ぐ役割もあります。
MiliCamp「メスティン用バット」
ステンレス製で耐蝕性や耐久性に優れ、錆びにくく清潔に保ちやすいメスティン用のバットです。一般的なサイズのメスティンに合う大きさで、燻製だけでなく蒸し料理などにも使えます。メスティンとセットにして一つ持っておくと、料理の幅が広げられる製品です。
- 価格:990円
- 製品サイズ:15.3×8.5×1.7cm
- 重量:28g
- 材質:ステンレススチール
アルミホイル
燻製はスモークチップを熱して煙を発生させるため、メスティンなどをそのまま使うと汚れてしまう可能性があります。メスティンで燻製する際は、アルミホイルでメスティンを覆って使えば汚れず、燻製後の後片付けも簡単にできるでしょう。
三菱アルミニウム「三菱ホイル」
一般的なサイズで長巻のアルミホイルです。アルミホイルをカットするための刃部分は紙刃が使用されているため、処分の際に分別の必要がありません。使いやすくコストパフォーマンスも良い日本製の製品です。
- 価格:148円
- 製品サイズ:25cm×8m
- 重量:90g
バーナー
燻製方法にもよりますが、燻製するためには長時間適した温度に調整し続ける必要があります。焚き火や自宅のガスコンロなどでも燻製はできますが、アウトドアで焚き火ができない場合などはバーナーでの燻製がおすすめです。
スノーピーク「HOME&CAMPバーナー」
キャンプなどに気軽に持っていけるように五徳部分が収納できるバーナーです。大きめの鍋でも安定するように重心が低くなっており、長時間鍋を置いておくことも可能です。卓上でもお手軽に使える製品です。
- 価格:12,100円
- 製品サイズ:34.6×30.1×12cm
- 収納サイズ:9×12×25.5cm
- 重量:1.4kg
- 最大出力:2100kcal/h
SOTO「レギュレーターストーブ ST-310」
出力が落ちにくく安定した火力を実現するマイクロレギュレーターや圧電点火装置、シェラカップから大型の鍋にも対応するゴトクを搭載するなど、根強いファンが多い定番バーナー。
- 価格:6,800円
- サイズ(本体のみ):D142×W166×H110mm
- 収納サイズ(本体のみ):D70×W140×H110mm
- 重量:330g
- 最大火力:2,500kcal/h(ST-760使用時)
メスティン燻製の手順とおすすめレシピ
アイアンメスティンの特長を生かしたオリジナルレシピをご紹介。
レシピ◉小雀陣二
出典◉CAMP TOOLS メスティンレシピBOOK
レモンバター・スモークチキン
じつは鋳物は燻製にも使いやすい調理道具です。シンプルな燻製も美味しいのですが、ここではアレンジ料理を一品。燻製の香りとレモンの酸味がよく合います。サンドイッチにたっぷり挟んだり、バーボンのおつまみにもどうぞ。
材料
- 鶏ムネ肉 1枚
- レモン 小1個
- ローズマリー 1本
- バター 20g
- オリーブオイル 大さじ1
- 塩 適量
- 燻製チップ 大さじ2
作り方
1.鶏肉を3等分に切り分け、全体に軽く塩をまぶす。
2.メスティンに底網、水100ml入れ、鶏肉を並べて火にかけ、7分ほど蒸し焼きにする。
3.いったん取り出し、アルミホイルを底に敷き、燻製チップを入れて、鶏肉を並べる。中火で熱し、煙が出てきたらフタをして、弱火で5分ほど燻製する。
4.すべて取り出し、ひと口大にスライスする。メスティンにスライスしたレモンと交互に並べて、ローズマリーを乗せ、オリーブオイルを全体にかける。
5.フタをして、さらに上火で軽くローストする。焼き上がりにバターを乗せてできあがり。
POINT アルミホイルで臭い移りを防ぐ
スモークをかけるのも、ローストするのもアイアンメスティンなら1台でこなせる。燻製前にアルミホイルを敷いてから始めよう。鍋に燻香がつかず、チップの後片付けも楽になる。
教えてくれたのは「小雀陣二」さん
アウトドアコーディネーター
小雀陣二さん
アウトドア料理といえば、の御意見番。『キャンプ料理の王様【新装版】』など、キャンプ飯に関する著書を多数手がけ、レシピだけでなくキャンプ道具の開発にも広く関わっている。
燻製がうまく作れるポイントとは?
メスティンで美味しい燻製を作るためには、味付けだけでなく水分をしっかり抜けるかどうかも重要です。食材を燻す前の下ごしらえの段階で、あらかじめ乾燥させておくと美味しい燻製を作れます。
燻製時に強火で火にかけ続けると、メスティンに穴が開く可能性があるため注意が必要です。メスティンを火にかける際は、一点に火が当たり続けないようにずらしながら、弱火で時間をかけてスモークチップを温めましょう。煙が出るまでに時間はかかりますが、メスティンが変形してしまう可能性を減らせます。
【番外編】アウトドアにピッタリ!ダンボール燻製器
簡単に手に入るダンボールを使ってお手軽に燻製器を作れます。作るのに必要な道具も少なく、コンロを覆えるサイズの段ボールと食材を置くための網があれば作成可能です。
燻製を作り終わった後の処分も簡単なため、お試しで燻製を作りたい方にもおすすめです。詳しい作り方については以下のページで解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
意外と簡単な燻製作り!次のキャンプで挑戦してみよう
いかがでしたでしょうか。ここまで、燻製に関する解説をはじめ、燻製作りに必要な道具と作り方の手順についても紹介してきました。
- 短時間でできる熱燻
- 燻製の中で基本となる温燻
- 低温で長時間燻す冷燻
- 燻製つくりに必要な道具の紹介
- メスティンで燻製を作る手順とレシピの紹介
- 燻製のポイントはどれだけ水分を抜けるか
- ダンボール燻製器の作り方について
燻製は難しい調理方法と思われがちですが、必要な道具を用意すれば簡単に作れます。身近にあるダンボールでも簡単に燻製器を作れるので、次回のキャンプで挑戦してみてはいかがでしょうか。
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