旅から戻り、あっという間に1カ月。冬支度で干し柿作り|筆とまなざし#301
成瀬洋平
- 2022年11月02日
クライミング講習会や瑞牆、小川山、錫杖岳。秋景色からいつの間にか冬の寒さへ。
旅から帰ってから日常に戻る間もなくあっという間にひと月が経ちました。カードの支払いにドキドキしながら、とりあえず仕事をがんばっている間に10月が終わってしまうという感じ。ありがたいことに、最近はクライミング講習会に参加してくださる方が増えてきて毎週末講習を行なっています。
プライベートでは、瑞牆、小川山。そしてひさしぶりに錫杖岳に行きました。錫杖は日帰りでしか行ったことがありませんでした。今回はテントを持って1泊2日で。平日にもかかわらず野営できるスペースがいっぱいでびっくりしました。秋晴れのすばらしい日で、みんなその時期を狙ってやってきたのでしょう。みごとな紅葉が見られ、ルートを登り終えて頭に立つと穂高連峰がずらりと眺められました。今シーズン中にまた行きたいと思っていたものの急に寒くなり、家でも霜が降りました。寒さにめげて、最近は近郊の岩場に行っています。
ついこの間まで暑いと思っていたのに、この数日で本当に寒くなりました。朝晩はすでに初冬の寒さで秋を一気に通り越したような気分です。そんなおり、知人から立派な渋柿をもらい、今日は朝から冬支度に勤しみました。勤しむといっても、忙しさにかまけていたら半分以上が柔らかくなってしまい、使えるのは15個ほど。皮剥きを始めるとあっという間に終わり、麻紐で吊るし、焼酎を吹きかけて軒先に吊るしました。美味しい干し柿になりますように。
そういえば、子どものころは干し柿を好んで食べた記憶がありません。干し柿よりも干し芋のほうが好きで、友だちの家に遊びに行ってはお婆さんが軒先で乾かしている干し芋をもらうのが好きでした。ときは平成ですが、なんだか昭和な田舎の風景です。干し柿が好きになったのは歳を重ねたせいでしょう。たしかに、ちょっと大人な食べものなのかもしれません。
かの田部井淳子さんは干し柿が行動食で、エベレストにアタックするときにも干し柿を食べていたとか。うまくできたら今年の冬山に持っていこう。それまで食べずに残っていたら、の話ですけれど。
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