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沖縄本島最北端、辺戸岬でクライミング講習|筆とまなざし#307

砂浜からのアプローチや琉球石灰岩の岩肌、ケイビング的なルートなど、おもしろいルートが豊富な沖縄本島でのクライミング。

砂浜の先にそびえる三角形の岩壁。灰色とオレンジ色の美しい石灰岩の上部にはソテツが生え、それだけで異国情緒を漂わせています。沖縄本島最北端、辺戸岬にある岩場を初めて訪れたのは今年の正月。そのロケーションとルートの質の高さが気に入り、この岩場を講習生のみなさんにも楽しんでもらいたいと、先週は5日間の日程でクライミング講習へ行ってきました。

那覇空港に着いたのはお昼ごろ。沖縄そばで腹ごしらえをしてレンタカーを借り、一路北へ向かいました。辺戸岬までは高速道路を使って2時間ほど。休憩を挟みながら午後3時すぎに到着し、少しだけ登りましょうと岩場へ向かました。

駐車場から浜に出て、砂浜を歩くこと数分。このアプローチも印象的です。易しいルートもクオリティーが高く、3本登ると午後5時を回りました。緯度の関係か時差の関係か、岐阜ではすでに暗くなっているころですがまだ明るい。クライミングを終えて車へ戻るころになると海の上に煌々と明るい月が昇り、月光が雲と海に降り注いでいました。

翌日は名護市の北西に位置する勝山へ。山のなかにある岩場で、谷沿いにそそり立つ石灰岩にルートが築かれています。関東にあったら一大エリアになっているだろうスケールで、まだまだ手付かずのラインもありました。看板ルートの「Habu Sake」(5.9)(ちなみにこのエリアはアメリカ人が中心の開拓しているためルート名は全て英語)は、岩壁にできた大きな竪穴の中を登る非常にユニークな一本。穴は上部で塞がっているためヘッドライトが必須です。気分はクライミングというよりもケイビング。洞窟探検的登攀はなかなかほかに類を見ないもので、この一本を登るために勝山を訪れても損はないと思わせてくれるルートです。ほかにもおもしろいルートが並んでいますが、辺戸岬に比べて訪れる人も少ないのでしょう、ホールドには砂が溜まったり苔が生えていたりしました。

三日目は辺戸岬で登り、四日目は朝から雨。最終日は乾きが早いといわれる海岸沿いの岩場へ立ち寄りました。ここは辺戸岬や勝山と違い、黄土色をした琉球石灰岩の岩場。スケールこそないものの波に侵食された下部がどっ被りで人工壁のルーフのような印象的なルートがあります。そして波に洗われていない上部は手に突き刺さるほどガビガビとして痛い。このガビガビが琉球石灰岩の特徴で、多くの人はテーピングを手にぐるぐる巻きにして登っています。

朝方まで残っていた雨はすっかり上がり、最終日はそれまででもっとも良い天気となりました。日差しが降り注ぐと海はその色彩を変幻自在に変化させ、エメラルドグリーンに輝きました。

帰宅し、お土産に買ってきた麩(麩チャンプルーなどに使う)のパッケージの裏面を見て思わず笑ってしまいました。

「麩チャンプルー(麩の炒め物)の作り方

圧縮麩・・・・1枚

卵・・・・・・1個

旨味調味料・・適宜

塩・・・・・・適宜

サラダ油・・・適量

好みの野菜・・適量」

ちなみに島豆腐が入っていないと「チャンプルー」ではなく「イリチー」と言うのだと教えてもらったのだけれど、その辺りも適当らしい。沖縄の海の蒼さと空の青さが、細かいことは気にするなと言っているようです。

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

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