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2会場での同時展覧会。原画を見ていただき、いろいろな人に出会えた機会に感謝|筆とまなざし#320

展覧会と講演会準備に追われた怒涛の日々を無事に終えて。

日曜日は中津川中央公民館での展覧会最終日、そして「ここで暮らし、描き、登る」というテーマで講演会を行なった。9日間行なった展覧会にはたくさんの方々にお越しいただき、講演会にもzoomを合わせて50名以上の方にご参加いただいた。この場をお借りしてお礼申し上げたい。

さて、3月は東京と地元、2カ所で同時に展覧会を行なった。これは初めての試みで、準備をしながら何度後悔したかわからない。展覧会の準備はもちろん講演会準備もあってテンヤワンヤだったのはいうまでもなく、とくにこの10日間は東京に行ったため怒涛の毎日だった。展覧会というのは、多くの時間と経費を要する、なかなか大変な催しである。すっかり田舎時間に慣れ親しんだ体にはハードだったが、なんとか無事に終えることができた。

多くの課題が見つかったけれど、実際に原画を見ていただく機会に恵まれたこと、そしてなによりいろいろな人と出会えたことには感謝しかない。展覧会の醍醐味は人との出会いである。夫婦で青春18きっぷを使って中津川まで講演を聞きに来て下さった方もいたりして、自分の展覧会がそんな旅のきっかけになったのだと思うととてもうれしかった。社会人になったとき「これからも18きっぷで旅をする大人でいたい」と思ったのを思い出した。

それから、以前から絵を気に入っていて下さった方が、じつは数年前にご近所に引っ越してきていたとか、思いもよらぬ出会いもあった。地元での展覧会は、ここで暮らすことをさらに楽しくさせてくれる。そうそう、次は公民館の行事でスケッチハイキングをしようなどという企画も上がっているので、ぜひそちらもお楽しみに。

翌日は午前中に仕事を片付け、久方ぶりに笠置山へ向かった。道すがら見えた御嶽山がみごとで、明るい山容にすっかり春を感じるのであった。笠置山では、昨年からトライ中のプロジェクトに舞い戻ったもののトレーニング不足の体では進展があるわけもない。けれども、静かな森のなか、ああでもないこうでもないと言いながらひとりで岩と向き合う時間は格別で、いろいろなクライミングがあるなかでもこうしてひとりでボルダーしている時間がいちばん好きなのだと改めて感じた。

平日にも関わらず笠置山は大賑わいだった。翌日は春分の日なので、連休にして登りにきているのだろう。日差しが眩しい季節。花粉だけが恨めしいこのごろである。

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

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