【前編】山行シーン別バックパックの選び方。大切なのはどう登山を楽しむかをイメージすること。
PEAKS 編集部
- 2023年03月28日
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好評発売中「PEAKS 2023年4月号(No.159)」より、誌面記事の一部をご紹介します!
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バックパック選びは、まず容量を決めることから始まる。日数、宿泊する場所、山域によって必要な装備が定まると、必要な容量が見えてくる。たくさんのバックパックを揃えている、さかいやスポーツのスタッフに、その基本を教えてもらいました。
編集◉PEAKS編集部
文◉大堀啓太
写真◉宇佐美博之
「登山の形態と山域」を伝えて、スムーズなバックパックを選ぶ。
登山靴やレインウエアと同じように、バックパックは登山に欠かせないアイテムだ。ウエアやギア、水や食料などの必要な装備を詰め込むバックパックは、まさに登山時の相棒といっても過言ではない。しかし、アウトドアショップのバックパック売り場に行ってみると、あまりの種類の多さにどれを選んだらいいのかわからなくなってしまう。
そこで、さかいやスポーツ・エコープラザの佐久間亮太さんにバックパック選びの基本を聞いてみた。佐久間さんは大学山岳部時代から山に親しみ、一週間を超えるアルプス縦走なども楽しんでいる登山愛好家。そんな佐久間さんがバックパック選びで初登山のお客さんにまず聞くのは「登山の形態と山域」。テント泊・山小屋泊・日帰りのどれか、どこの山を登るのか次第で、必要な装備の量とバックパックの容量が定まる。あとは背負ったときのフィット感や機能を見て、自分に合ったモデルを探すといいそう。ここでは山行シーン別の最適な容量と、佐久間さんおすすめのモデルを紹介。
1.テント泊登山のバックパック
【MOUNTAIN】北アルプス/槍ヶ岳(3,180m)
2泊3日のテント泊登山。初日は上高地から入り、豊かな自然のなかを歩き続けて馬場平でテントを設営。2日目は槍ヶ岳山荘まで登り、荷物をデポして槍ヶ岳に登頂。槍の穂先を眺めながら2泊目。最終日は上高地まで下山。
山でのパッキングをイメージして、余裕ある容量を選択。
かさばる装備が多いテント泊登山は50 ~ 60ℓのバックパックを選ぼう。必要な装備をパッキングしても、多少の余裕があるくらいが望ましい。家では、寝袋などもきれいに収納袋に収まり、パッキングにていねいに時間をかけられる。これが山だと、寝袋やテントが湿気を含んでコンパクトに収納するのは困難だ。雨のなか急いで撤収するような状況になるとパッキングの難易度はさらに上がる。そのためバックパックは多少の余裕をもてるくらいの容量がほしい。容量に余裕があると汎用性も高くなり、3泊以上の長期縦走や、クランポンなどの装備が増える残雪期のテント泊登山にも活躍する。また、装備の重量が増すテント泊用のバックパックは、荷重をしっかり支えられる剛性があり、背面パッドやヒップベルトのクッション性やフィット感も確かめておきたい。
①携帯トイレセット ②ヘルメット ③パックカバー ④トレッキングポール ⑤サンダル ⑥ファーストエイドキット ⑦カメラ ⑧ボトル&ウォーターキャリー ⑨レインウエア ⑩着替え ⑪エアマット ⑫寝袋 ⑬ヘッドランプ&ランタン ⑭地図&コンパス ⑮モバイルバッテリー ⑯スマートフォン ⑰食料&行動食(行程分) ⑱クッキングツール&カップ ⑲防寒着 ⑳テント
ミステリーランチ/ブリッジャー55
無数の穴が空いたフォームパッドが、優れた通気性で背面や肩の蒸れを軽減。行動中も必要なものにアクセスしやすい便利なポケットを多数備える。幅広のショルダーストラップはまるで“着ている”かのようなフィット感だ。
- ¥46,200
- 容量:55ℓ
- カラー:ハマス、他1色
- 重量:2,400g
- (問)エイアンドエフ
▲ショルダーストラップにはドローコード付きのメッシュポケットを配置。ソフトフラスクやスマートフォンなどを収納できる。
▲腰を立体的に包んでフィット感が高い4ピース構造のウエストハーネス。テント泊装備もしっかり腰荷重で支えることが可能。
※この記事はPEAKS[2023年4月号 No.159]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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編集◉PEAKS編集部
文◉大堀啓太 Text by Keita Ohori
写真◉宇佐美博之 Photo by Hiroyuki Usami
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。