【バックパック 大型（50L以上）編】自分のスタイルに合っているか？最新=最良とは限らない。｜MOUNTAIN GEAR COLLECTION 2023
PEAKS 編集部
- 2023年04月06日
INDEX
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
好評発売中「PEAKS 2023年4月号（No.159）」より、誌面記事の一部をご紹介します！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
バックパックは登山を象徴する必需品。
ここでは容量によって3つのグループに分けて紹介する。ほかの装備同様、バックパックも軽量化がひとつのトレン
ドだが、ブラッシュアップを繰り返して進化を続ける定番も少なくない。
背面のデザインによって、肩にかかる荷重を分散して体への負担を減らす。これが大型パックの基本的な考え方で、いまも多くのメーカーがこの手法でバックパックをつくっている。いっぽうで、装備全体が軽量化する流れや、ULスタイルの一般化を受けて、自重が軽いモデルや背面がシンプルなモデルも増えてきている。新しいものは魅力的に映るが、果たしてそれは自分のスタイルに合っているだろうか。納得いくまでチェックして選びたい。
編集◉PEAKS編集部
文◉伊藤俊明
写真◉熊原美惠
オスプレー／エクソスプロ55
55ℓで1㎏を切るプロモデルが新登場。
人気のエクソスに上位モデルが新登場。背面は湾曲させたワイヤーフレームとメッシュパネルで構成し、通気性を大きく向上。パッドをなくして軽量化しつつ、中央に横方向のステイを配して剛性を確保。その軽さから想像するよりも安定感のある背負い心地です。
- ￥41,800
- 容量：58ℓ
- 重量：960g（S/M）
- サイズ：S/M、L/XL
- （問）ロストアロー
▲BACK
▲POINT
雨蓋を取り外して、さらなる軽量化も可能。開口部を覆うフラップが付いている。
▲POINT
簡単で扱いやすいトグルを使った背面の調整機構。軽さと使い勝手を両立している。
ロウアルパイン／セロトーレ65：85
重たい荷物を背負うためのデザイン。
最大85ℓまで容量を拡大できるフラッグシップ。重たい荷物を腰でもしっかり支えられるように、極太のフレームがウエストまで回り込んでいる。背面パッドと一体になったショルダーハーネスはレールに沿って上下する仕組みで、簡単に背面長を調節できます。
- ¥46,200
- 容量：65+20ℓ
- 重量：2,880g
- サイズ：1サイズ
- （問）ランドアール
▲POINT
雨蓋は、裏返すと容量15ℓのアタックサックになる。長期縦走や長旅のためのモデルだ。
アークテリクス／ボラ 65
荷物が重くても腰は軽やか。
ヒップベルトは一点で本体と連結し、ピボット状に動く。熱成形されたパネルとアルミステイからなる背面で荷重は腰へと分散されるが、ウエストが体の動きに自然に追従するため、重みで押さえつけられる感覚はない。動きを止めたいときはロックすることもできます。
- ¥55,000
- 容量：65ℓ
- 重量：1,915g
- サイズ：レギュラー、トール
- （問）アークテリクス
▲POINT
ショルダーハーネスはベルクロとフックで固定されている。背面長と幅は簡単に調節可能。
ブルーアイス／スタッシュ60
軽さを追求したエクスペディションパック。
ひさしぶりに復活した大型パックは、冒険的なアルパインクライミングを目指すエキスパート向け。無駄を省いたシンプルなデザインで軽量化を徹底している。背面シートとフレーム、天蓋は取り外し可能で、すべて外した“サミットウエイト”はわずか600g。
- ¥42,900
- 容量：60ℓ
- 重量：825g
- サイズ：1サイズ
- （問）ケンコー社
▲POINT
雨蓋を外した状態。210Dのリップストップ生地は張りがあり、華奢な印象はない。
マックパック／テ・アラロア60
軽量な新素材を使ったシンプルなロールトップ。
「長い道」を意味するテ・アラロア・トレイルの名を冠した新作スルーハイキングパック。本体には、新素材アズテックエコLWを使用。ポリエステルとオーガニックコットンをブレンドし、オリジナルの約半分の軽さながら耐久性と高い引き裂き性を備えます。
- ¥46,200
- 容量：60ℓ（S2）
- 重量：1,530g（S2）
- サイズ：S2、S3
- （問）ゴールドウイン
▲POINT
縦横2方向から出し入れできるストレッチポケット。パックを背負ったまま手が届く。
モンベル／アルパインパック60
濡れに強い人気モデルが一新。
アルパインパックシリーズが一新。本体生地を変更してわずかながら軽量化し、別売りだった雨蓋を付属して、より使いやすくなった。二重構造の本体は従来同様。ロールトップのアウターとシーム処理したインナーの組み合わせで、高度な防水性を備えています。
- ¥31,900
- 容量：60ℓ
- 重量：2,000g（インナー含む）
- サイズ：1サイズ
- （問）モンベル
▲POINT
雨蓋もロール式の防水仕様。取り外し可能で、ショルダーバッグになる。
ドイター／エアコンタクトコア50＋10
体格に合わせて重い荷物も快適に。
背負いやすさと通気性を両立したエアコンタクトシリーズにあって、コアは最大荷重25㎏という“もっとも背負える”モデル。体格に合わせて簡単に調節できる背面長や、軽量ながら効果的に荷重を分散するY字フレームにより、体への負担を軽減します。
- ¥40,700
- 容量：50+10ℓ
- 重量：2,160g
- サイズ：1サイズ
- （問）イワタニ・プリムス
▲POINT
背面調節は無段階。オレンジ色のラダーロックをリリースし、ストラップを引くだけ。
カリマー／リッジ50＋
フェリーノ／トリオレ48＋5
（右）カリマー／リッジ50＋
ブランドを代表するザ・スタンダード。
カリマーといえばリッジ。背面やウエストの肉厚なパッドが特徴で、ソフトな背負い心地で人気だ。内外どちらからもアクセスできる雨蓋、ジャケットなどを挟み込めるフロントのオープンポケット、両サイドのファスナー付きポケットなど、収納上手で使いやすい。
- ¥30,800
- 容量：50ℓ+
- 重量：1,690g（L）
- サイズ：M、L
- （問）カリマーインターナショナル
▲POINT
ヒップベルトは角度調節可能。体格を問わずにベストなフィット感が得られる。
（左）フェリーノ／トリオレ48＋5
ENSAにも提供されるイタリアンブランド。
ENSA（フランス国立スキー登山学校）にも提供されている、アルパインクライミングを想定した細身のモデル。雨蓋、背面パネル、ヒップベルトは取り外し可能で、すべて外すと950gまで軽量化できる。開口部はロール式で、伸張すると容量を5ℓ拡大できます。
- ¥21,560
- 容量：48+5ℓ
- 重量：1,600g
- サイズ：1サイズ
- （問）アウトリンクス
▲POINT
メインの気室にはフロントからもアクセス可能。ボトム近くまで大きく開く。
グレゴリー／ズール55
ロングセラーがさらに快適に。
ロングセラーのズールと女性用のジェイドがモデルチェンジ。わずかに縦長のフォルムになり、またヒップベルトのパッドが厚みを増して、さらにフィット感を高めた。2サイズ展開にくわえて背面長も調節可能で、体格を問わず、だれもが快適に背負えます。
- ¥38,500
- 容量：55ℓ（MD/LG）
- 重量：2,120g（MD/LG）
- サイズ：SM/MD、MD/LG
- （問）サムソナイト・ジャパン
▲POINT
高通気で快適な背面はそのままに3.5インチ（約89㎜）の幅で背面長の調節も可能。
オルトボックス／ピーク55
ウールの背面で防臭&保温。
ハンサムな見た目の新作アルパインパック。反発のある背面パネルと薄めのパッドで、背中全体で荷重を受け止める。パッドにはスイスウールを使用。秋冬の山でも温かく、ウールの防臭効果で汗ばむ夏も快適に使える。女性や小柄な男性向けの「52S」もあります。
- ¥40,700
- 容量：55ℓ
- 重量：1,630g
- サイズ：1サイズ
- （問）マジックマウンテン
▲POINT
ファスナーでがばっとフロントが全開。旅行バッグのようなパッキングのしやすさ。
グラナイトギア／ヴァーガ3
大きい人も、小さい人も使えるULパック。
シンプルなヴァーガ2に体格に合わせて背面を調節できる3が仲間入り。2が体に合わない人も、こちらを選べば軽量パックの恩恵を受けられる。背面長と肩幅は、チェーン状に取り付けた2列のテープとフックによって簡単に変更可能。ウエストも調節できます。
- ¥30,800
- 容量：55ℓ
- 重量：760g
- サイズ：1サイズ
- （問）ヴァーテックス
▲POINT
2列のデイジーチェーンにフックを掛けるだけ。ウエストにはポケットも追加された。
マウンテンハードウェア／アルパインライト50
目を引くホワイトは環境配慮の証。
無染色のハイテナシティナイロンリップストップを使い、製造時の環境負荷を軽減。超高強度の素材で、軽量ながら高い強度と耐水性を備える。雨蓋に2カ所、本体側面上部、内部に着脱可能なファスナー付きのポケットも装備し、シンプルながら使い勝手もよい。
- ¥50,600
- 容量：50ℓ
- 重量：1,450g（M/L）
- サイズ：S/M、M/L
- （問）コロンビアスポーツウェアジャパン
▲POINT
雨蓋、背面シート、ワイヤーフレームは取り外し可能。軽量化できる。
オガワンド／オウン
これひとつで日帰りから長期縦走まで。
ひとつのパックで日帰りからテント泊縦走までこなしたい、そんな思いから生まれたモデル。ハーネス類は着脱可能で、25ℓから50ℓ程度まで容量を変えられる。フレームレスのパックは使いこなせばスムーズにパッキングでき、デッドスペースもできにくい。
- ¥38,500
- 容量：25 ～ 50ℓ
- 重量：650g
- サイズ：1サイズ（ハーネスはXS ～ XL）
- 問オガワンド
▲POINT
切り欠きのあるパーツを任意の場所に掛けるだけのシンプルな仕組み。持ち主の力量が問われるパックだ。
ミステリーランチ／テラフレーム3ZIP50
50ℓ+ビール1ケースもイケる。
狩猟の現場から生まれた「オーバーロード」機能を備える独創的なモデル。長いストラップで本体と背面フレームの間に空間をつくり、たとえばパックラフトのような嵩張る荷物が増える場面にも柔軟に対応する。強固なフレームで重い荷物もしっかり背負えます。
- ¥55,000
- 容量：50ℓ
- 重量：2,300g
- サイズ：S ～ L
- （問）エイアンドエフ
▲POINT
荷重をしっかりと受け止める優秀なフレームがあってはじめて成立するデザインだ。
エクスペド／サンダー50
アルミステイが重い荷物を受け止める。
背面中央にアルミステイを配置。ショルダーハーネスと一体になったパッドがこのステイに沿って上下し、背面長を変えられる合理的なデザイン。幅広のステイのおかげで剛性は高く、荷重配分もしっかりされる。軽さと背負いやすさのバランスがいいモデルです。
- ¥41,800
- 容量：50ℓ
- 重量：1,570g
- サイズ：1 サイズ
- （問）双進
▲POINT
フロントには縦に2本のファスナーが走り、大きく開く。パッキングもスピーディだ。
※この記事はPEAKS［2023年4月号 No.159］からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
▼PEAKS最新号のご購入はこちらをチェック
- BRAND :
- PEAKS
- CREDIT :
-
編集◉PEAKS編集部
文◉伊藤俊明 Text by Toshiaki Ito
写真◉熊原美惠 Photo by Yoshie Kumahara
SHARE
PROFILE
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
