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八ヶ岳でアイスクライミングと雪中キャンプ、バリエーションルートを一度に楽しむ|筆とまなざし#365

「サマヤ」のテントが使いたくて。八ヶ岳でたっぷり遊んだ2日間。

2月上旬、妻と一泊二日で八ヶ岳へ行ってきた。この数年は年に1、2回しか冬山に行かなくなったため、本当にひさしぶりの山行である。今回の行程は、初日に南沢大滝でアイスクライミングをして行者小屋にテントを張り、翌日赤岳主稜に登るというもの。アイスクライミングと雪中キャンプ、バリエーションルートでのクライミングを一度に楽しもうという計画である。美濃戸山荘から赤岳鉱泉ではなく行者小屋へ向かうのが南沢で、美濃戸山荘と行者小屋の真ん中あたりに高さ15mほどの小滝と40mの大滝がある。アプローチが近いゲレンデとして人気が高い。ぼくも何度か訪れたことがあるのだが、大滝はいつも混んでいて取り付けず、小滝で練習をしたことがあるだけだった。大滝も登りたいと思いつつ、すっかりアイスクライミングから遠ざかってしまってそのタイミングを逃していたのである。

ところで、妻は大のアイスクライミング嫌いである。というのは、フリークライミングもほとんどしたことがなかったときに乗鞍山麓の氷瀑に出かけたのだが、そのときが極寒ですっかりトラウマになってしまったのだった。冬山登山と違い、ゲレンデでのアイスクライミングはビレイをしたりとじっとしていることが多い。氷瀑は日当たりの悪い場所が多く、当然気温も低い。おまけに登り方も全くわからなければおもしろくもなく、それ以来頑として行こうとしないのだった。

妻の気持ちが少し傾いたのはアイスクライミング好きな友人ができたからだった。みんながそんなにおもしろいというのなら、もう少しやってみよう、そう思ったのである。今年は暖冬だし天気もすこぶる良さそうである。

ひさしぶりに冬山に行きたいと思ったのにはもうひとつ理由があった。それはサマヤのテントを使いたかったからである。フランスはシャモニーにほど近い街でクライマーの手によって創業されたサマヤ。道具には詳しくないけれど、いま現在、いちばん尖っているテントブランドだと思う。アルパインクライミングのために開発されシングルウォールテントは懲りに凝った仕様で、価格もびっくりするくらい高い。詳しくはHPをご覧いただくことにして(https://store.staticbloom.co.jp/collections/samaya)、ぼくのような貧乏人には縁のないサマヤのテントを、ご縁があって使わせてもらっているのである。

イタリアへクライミングトリップに出かけたときも使ったのだが無雪期のキャンプ場にはなんともオーバースペック。小川山のクライミングキャンプにも勿体なさすぎて使えない。やっぱりコンディションの厳しい山岳地帯で使わなければテントにも申し訳ない。行者小屋での雪中キャンプが過酷かどうかは置いておいて、とにかく冬山で使いたいと、アイスアックスとスクリューとカムとサマヤのテントをバックパックに詰め込んで、八ヶ岳へと向かったのだった。

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

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