「一の越山荘」霊峰立山のお膝元｜北アルプス山小屋大全

立山登山の拠点となる室堂と主峰雄山を結ぶ登山道は、このエリアでもっともメジャーなコース。
雄山山頂には霊峰立山の総本宮である雄山神社があり、地元富山県の小学生の登山教室をはじめ、最近はアルペンルートをめぐるアジアからの観光客にも人気だ。
室堂から雄山を望むと、浄土山との鞍部に一の越山荘が見える。

室堂から約１時間、雄山山頂への中間地点にあたるここは絶好の休憩ポイントになっている。
小屋は尾根上にあり、東西方面が開けていて東は黒部ダムへと下るタンボ平。
後立山連峰の向こうから朝日が昇る。西は富山湾に沈む夕日を見送る。富山市街の夜景は、まるで宝石のようだ。室堂周辺の小屋が観光客でも賑わうのに対して、静かなこの小屋を選ぶのはリアルな登山者。
立山三山縦走や五色ヶ原を目指すルート上にあり、効率よく動ける。

インフォメーション

■連絡先
090-1632-4629
http://tateyama-1nokoshi.in.coocan.jp/

■営業時間
4月27日～10月15日

■収容人数
130人

■標高
2,700m

■宿泊料金
1拍2食：11,000円
素泊まり：6,000円
お弁当：800円

■水
宿泊者無料

部屋

部屋は6畳がメインで1階に11室、2階に24室。団体客に最適な25畳の大部屋もある。ハイシーズンや連休を除けば相部屋になることも少ない。

館内施設

いちどに56人が食事できる
食堂にはテレビや雑誌が置いてあり、空いているときは休憩所も兼ねる。食堂周辺はWi-Fiも利用可能。充電もできる。

雪がもたらす豊富な水
ご多分にもれず水は貴重品だ。ここでは雨水と斜面中腹の雪渓から引いたものでまかなっている。水道水は飲用できる。

食事

【朝】シンプルながらバランスのとれた朝食でエネルギー充填。ご飯と味噌汁、おかずはオムレツとソーセージ、海苔、おひたしと漬物。塩昆布のとなりにある白くて丸いのは大福。

【夕】夕食は長年愛されているクリームシチュー。圧力釜で絶妙に炊き上げた富山産のこしひかりが好評。ご飯はおかわり自由。食材はヘリで運ぶが、足りなくなると歩荷することも。

トイレ

広くて清潔なトイレ。個室は洋式で十分なスペースを確保している。宿泊者向けのほか、外には有料の公衆トイレもある。

お土産・売店

雄山に向かう途中でスナックや軽食を補給し休憩する人も多い。Tシャツや手ぬぐい、ピンバッジなど定番のお土産あり。

景色

登山道からの景色。一の越山荘から左の雄山山頂に至るルートまで一望できるので安心感が高く、初心者にも歩きやすい。

※この記事はPEAKS［2024年9月号 No.167］からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。