登山ガイド・伊藤伴さんに教わる「Instinct 2 Dual Power」の実践的使いこなし術|前編
PEAKS 編集部
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登山においてガジェット好きな人の間では愛用者が多いGPSスマートウォッチ。このジャンルを代表するブランドといえば、ハンディGPSなど各種デバイスを長年手掛けてきたガーミンだ。
ガーミンはGPSスマートウォッチだけでもさまざまなモデルを展開しているが、機能が充実しているのに価格が手頃、エントリーモデルとしてピッタリなのが「Instinct 2」。エベレストサミッターであり、現在は登山ガイドとして活躍中の伊藤伴さんも、この「Instinct 2」の愛用者のひとり。
今回は、GPSスマートウォッチを使いこなせていないというビギナーふたりに、実践的な使い方を伊藤伴さんがレクチャー。前編では「Instinct 2」の機能や事前の設定、後編では山を歩きながら役立つ機能などについて学んでいく。 INDEX
文◉泥谷範幸 写真◉後藤武久
ガーミンアンバサダー・伊藤伴さんがレクチャー
「おはようございます!」
さわやかな笑顔でさっそうと現れた伊藤伴さん。幼少時から山に親しみ、中学3年でモンブラン、大学時代には当時最年少でエベレストに登頂、同時にローツェにも連続登頂するなど真性の山好きだ。現在は登山ガイドとして活動している。
伊藤さんはガーミンアンバサダーでもあり、現在は「Instinct 2 Dual Power」(Tactical Edition)を愛用中。さらに付け加えれば「inReach Mini 2」(衛星ネットワークを介した通信、SOS送信などができる機器)も使用するなど、ガチのガーミンユーザーなのだ。
「『Instinct 2』の良さを身近な人に伝えていたら、実際に購入して使う人も増えてきました。でも、山で使ってみないと、そのメリットも実感できないですよね」と伊藤さん。
ということで、今回は「Instinct 2」を使ったことがない山好きのふたりに、実際に山で体験してもらうことに。写真左がムンさん、右がレイコさん。ともに山にはよく入るものの、登山でGPSウォッチを使った経験はほぼないとのこと。
山で実際に「Instinct 2」を使いこなすためには、山に入る前に時計の設定を済ませ、操作に慣れておくことが重要。まずは机上での伊藤伴さんによるレクチャーが始まった。
「Instinct 2 Dual Power」の詳細はこちら
長期間充電が不要なデュアルパワー
伊藤 レイコさんには通常モデルの「Instinct 2 Dual Power」、ムンさんにはそれよりも文字盤が一回り大きな「Instinct 2X Dual Power」を用意しました。まずは実際に時計を装着してみましょうか。
レイコ バンドがすごくやわらかいですが、シリコン製ですか?
伊藤 はい、しなやかなシリコン製なので、長時間着けていてもストレスがないんです。個人的なお気に入りポイントですね。
レイコ 調整用の穴も細かく空いているので、ちょうどよい具合に締められそうです。
ムン 2Xは、2に比べると見た目に大きいですが、一般的な男性の腕にはジャストな感じが気がしますね。
伊藤 2Xはバッテリーのもちの良さも魅力で、GPSを使わないスマートウォッチモードの場合、2は約28日、2Xは約40日稼働するんです。
ムン たしかに、バッテリーマークの横に「38日」の表示が。充電しなくても40日も稼働するのはすごいですね。
伊藤 さらに、今回おふたりの使用モデルは「Dual Power」という、自動でソーラー充電されるモデルになるので、屋外使用で充電できていれば無制限に使えます(50,000ルクスの条件下の屋外にて1日あたり3時間の着用を含む終日着用を想定)。
レイコ こまめに充電しないといけない時計だと持ち出すのも面倒になってしまいそうなので、勝手にソーラー充電してくれるのはうれしいですね。
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スマホアプリ「Garmin Connect 」を使ってペアリング
伊藤 時計単体でも使えるんですが、スマートフォンと連携すればコースデータの取り込みや確認、設定変更など、さまざまなことができるようになるので、ペアリングしておきましょう。
レイコ 教わった通り、事前に「Garmin Connect」をダウンロードしてきました。これを使えばペアリングできますか?
伊藤 はい、アプリを立ち上げて操作をすると自動で時計を認識してくれるので、ペアリングも簡単です。
レイコ デバイスを検索中から……、あっ、無事に時計とつながりました! あとはアプリの指示に従って操作すれば完了ですね。
伊藤 ペアリングできましたね。そうしたら、このあとは時計の基本的な機能について説明していきます。
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アメリカ国防総省のMIL規格にクリアしたミルスペックのタフネス性能
伊藤 「Instinct 2」にはさまざまなポイントがあるんですが、山でなによりありがたいのがタフネス性能。アメリカ国防総省が定めるMIL規格[MIL-STD-810]準拠の「衝撃落下」「高温/冷凍」「防水」「腐食」のテストをすべてクリアしていて、とにかくタフなんです。
ムン 「ミルスペック」という言葉だけで男心がくすぐられますし、なにより山で安心して使えそうですね。
伊藤 山では物理的な衝撃や落下、雨や雪は避けられないですし、雪山では低温でちゃんと稼働してくれるか、という心配も。でも、いままでシビアなトラブルに遭ったことはありません。ヒマラヤの高山でも普通に使えたんですよ。
レイコ この「6042」の数字は標高ですよね?
伊藤 はい、標高約6,000mまでいったんですが、問題なく動いていました。海外でなければここまでの高所に登ることはないですが、これだけ過酷な状況でも使えるというのは安心感につながりますよね。
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4つの衛星システムに対応し、精度の高い位置情報が得られる
伊藤 GPS機器といえばガーミン、というくらいGPSを捕捉するデバイスを作り続けていて信頼性も高いのですが、「Instinct 2」の場合、GPSに加えてGLONASS、Galileo、みちびき(補完信号)という4つのグローバルナビゲーション衛星システムに対応しているので精度の高い位置情報が得られます。
2Xの場合、さらに複数の周波数帯を受信する「マルチバンドGNSS」に対応していて、山で電波を受信する際に障害になる木の影響などを受けにくくなっています。
レイコ 設定画面に出てくる「UltraTrac」というのはなんですか?
伊藤 GPSデータの更新頻度を1分に1回にして、稼働時間を延長するバッテリー節約モードです。泊まりがけの登山など、バッテリーを長持ちさせたい場合はこちらに設定してもよいですね。状況に合わせて精度を優先か、バッテリーのもちを優先か選ぶことができて便利です。
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基本的なABC機能も
伊藤 もちろん登山で便利なABC、A=高度計、B=気圧計、C=コンパスの機能もあります。時計の左下に「ABC」と書いてありますよね。このボタンを長押しすれば、ABC機能をすぐに呼び出すことができます。
とくにコンパスは分岐や見晴らしの良い場所でさっと方角を確認したいときなどに便利ですね。
ムン 右上のウィンドウには時計の先端、自分が向いている方位が表示されるんですね。
伊藤 設定を変えるとコンパスと高度、気圧を同時に表示させたりもできます。カスタマイズするともっと使いやすくなりますよ。
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手首で計測する光学式心拍計を搭載
伊藤 ちょっと時計を裏返してみましょう。真ん中に2カ所、光が見えますよね。この光が皮膚を通過して血液中にあるヘモグロビンに反射することで、心拍数も計測できるんです。
レイコ ランニングなどの激しい運動なら心拍の計測も必要だと思うのですが、ゆっくり歩く登山でも役に立ちますか?
伊藤 走らなくても急な登りなどでは登山でも心拍が上がりやすいんです。実際にお客さんのなかでは、運動に慣れている人は心拍が上がりにくくても、運動や登山をあまりしていない人はすぐに心拍が上がって、さらに落ちにくかったりするんです。そんなとき、心拍数が数値として見えると、どのくらいの負荷が掛かっているのかが客観的にわかるので便利なんですよね。
ムン 心拍数って意識したことがないですが、実際に歩きながら変化を見られたらおもしろいですね。山でチェックしてみようと思います。
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コンディションの確認に役立つ「ボディバッテリー」と「睡眠スコア」
伊藤 心拍計を応用して他にも身体の状態をデータで見ることができるんです。そのひとつが「ボディバッテリー」。これは身体のエネルギーレベルを表すもので、100から0の間で“身体のバッテリー残量”をチェックすることができます。
レイコ 朝の時点で57だと、睡眠であまりエネルギーがチャージされていないということですか?
伊藤 そうですね、じつは昨夜あまり長い時間は寝られなかったので、チャージが足りないかもしれません。ちなみに過去のデータも残っているので、残量の推移を確認することもできておもしろいです。
レイコ ちゃんとチャージされると100まで回復するんですね。
伊藤 そのときどきの体調の目安になるので、「今日はあまりエネルギーがないので、予定よりもコースを短くしよう」など、体調に合わせて計画の変更もしやすくなりますね。
あと睡眠に関しても、同じようにデータで表示されるんです。こちらは「睡眠スコア」として出てきます。
ムン 100のうちの65だから、そんなによくなさそうですね。
伊藤 睡眠時間が約5時間と、やっぱり短めですね。でも「短く十分な深い睡眠」とあるとおり、質は悪くないみたいです。眠りの深さレベルとそれぞれの時間もわかるので、確認してみます。
時間は短いですが、グラフで見ると青色の低い部分、深い睡眠がそれなりに取れているみたいですね。なので、今日は普段通りの調子で登れそうです。安心しました!
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メールやSNSの通知機能も
レイコ あれっ、いきなり「新着メッセージがあります」って通知が入りました!
伊藤 「Instinct 2」はスマートウォッチでもあるので、スマホと連携してメールやSNSなど通知を確認することができるんです。もちろん、通知が頻繁に入って気になる場合はオフにすることもできます。
レイコ 伊藤さんは山でも通知はオンですか?
伊藤 僕は山も含めていつでもオンにしています。そうすれば、メールやSNSでメッセージが入っても、いちいちスマホを出さずに用件が確認できて便利ですよ。初期設定だと「新着メッセージがあります」と出るみたいですが、設定を変えればメッセージの一部を表示させることも可能です。ちょっと変更してみますね。
レイコ 変わりました! だれからのメッセージかも表示されるようになりましたね。これなら用件がすぐにわかって便利そうです。
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時計にルートを取り込み、いざ山へ
伊藤 では最後に、今日歩く大山のルートのデータを時計に取り込みましょう。「GPX」というファイル形式になっているのですが、これは地図アプリで作ったり、ウェブで公開されている山行記録などからダウンロードして「Garmin Connect」に取り込むことが可能です。アプリに取り込んだら、あとは時計に転送すれば、時計でルートのデータが見られます。
ムン 出発地の大山阿夫利神社から、大山山頂までのルートが時計に出てきました。ルートは線で表示されるんですね。
伊藤 上位機種の「fēnix(フェニックス)」だと時計に地図も出てくるんですが、「Instinct 2」は地図は表示されずルートの線のみになります。もちろん地図が出てくれば現在地の確認などもしやすいですが、アプリとうまく併用すれば問題ないですね。
レイコ ルートのデータにはコースの標高差なども入っていておもしろいですね。
伊藤 歩く距離、登りや下りの累積標高などもわかるので、どれくらい体力を使いそうかの目安になりますよね。山中では「どれくらい歩いて、登ってきたか」とか「残りどれくらい歩く、登るのか」などの経過も出てくるので、それを見るのもおもしろいです。
ざっと「Instinct 2」の基本的なポイントをお伝えして、時計やアプリの準備もできたので、そろそろ山に向かいましょう。後編では実際に歩きながら、時計の便利な機能をお伝えしていきますね。
*後編は2024年12月中旬公開予定
今回使用したInstinct 2 Dual Powerはこちら
Garmin Instinct 2 Dual Power
(ガーミン・インスティンクト 2 デュアルパワー)
- 62,700円(税込)
- 本体サイズ:45.0 x 45.0 x 14.5mm
- 重量:52g
- ケース素材:繊維強化ポリマー
- ガラス素材:コーニング社製 Gorilla Glass DX
- ベルト:シリコン、QuickFitバンド(22mm、別売り)にも交換対応
Instinct 2X Dual Powerはこちら
Garmin Instinct 2X Dual Power
(ガーミン・インスティンクト 2エックス デュアルパワー)
- 68,200円(税込)
- 本体サイズ:50.0 x 50.0 x 14.5mm
- 重量:67g
- ケース素材:繊維強化ポリマー
- ガラス素材:コーニング社製 Gorilla Glass DX
- ベルト:シリコン、QuickFitバンド(26mm、別売り)にも交換対応
Instinct 2のその他おすすめ記事はこちらから。
問い合わせ:ガーミンジャパン
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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