登山ガイド・伊藤伴さんに教わる「Instinct 2 Dual Power」の実践的使いこなし術|後編
PEAKS 編集部
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山ではGPSスマートウォッチをほとんど使っていないというビギナー2名に、ガーミンアンバサダーであり登山ガイドの伊藤伴さんが、自身の愛用機でもある「Instinct 2」の使い方をレクチャーする本企画。
前編では登山前にInstinct 2の設定や特長、使い方の基本などを机上で講習。後編となる今回は、実際に山を歩きながら実践的な使いこなし術を学んでいく。
*前編はこちら
INDEX
文◉泥谷範幸 写真◉後藤武久
ルートを選択してナビゲーションスタート
伊藤 登山口の阿夫利神社下社に着きましたね。大山山頂に向かってここから歩き始めるので、時計を操作してナビゲーションを開始しましょう。
レイコ 開始するにはどうしたらいいですか?
伊藤 まずは右上の「GPS」のボタンを押すとアクティビティ選択画面になるので、「ハイキング」もしくは「登山」を選びます。
伊藤 次に「コース」が出てくるので、ここで「Garmin Connect」から時計に取り込んだ今回のコースを選択します。「track」と表示されているものですね。
レイコ 表示を変えるとコース全体の高低図なども時計で見られるのですね。
伊藤 歩いていったらグラフの色の濃さが変わり、実際にどれくらい進んだか、登ったかひと目でわかりますよ。あと右上の数字は累積高度で、今回の山行でトータル550m登るという意味です。山頂までずっと登り、山頂からは逆にずっと下る単純な道なので、合計距離である3.6kmの半分の距離、約1.8kmでほぼ550m登ることになり、それなりの斜度になると思います。このようにルートの概要が見えていると、全体のペース配分に役立てることができますし、なにより気持ちの準備もしやすいですよね。
では、いよいよ歩き始めるので「開始」を選んで、ナビゲーションを開始しましょう。
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ソーラー充電の状況が一目瞭然
ムン さっきまで太陽が雲に隠れていましたが、また日が差してきましたね。
伊藤 せっかくなのでソーラー充電の状況を見てみます。2.4kルクスとでているので、24,000ルクスですね。薄曇りで直射日光は当たっていないですが、グラフを見るとそれでもしっかり充電されているようです。曇りであっても装着し続けていれば充電されるので、僕のように頻繁に外で使っている場合、電源から充電する回数はかなり少なく済みます。
ムン さらに日が出てきたので、ルクスの数値が2.4kより上がってきました。こうやって充電状況がリアルタイムで見られるのはおもしろいですし、使いながら同時にバッテリーが充電されていくのはうれしいですね。
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太陽光の下でも見やすいディスプレイ
伊藤 太陽が出てきましたが、時計を見ていてなにか気が付くことはありませんか?
レイコ とくに変化はない気がしますが……。
伊藤 スマホなどは日射が強いと反射で画面が見えにくくなりますよね。でもInstinct 2は視認性が落ちることなく、直射が当たってもクリアに見えるんです。
レイコ たしかに文字盤全体が明るくて、数字や文字などもすごく見やすいですね。バックライトが強くなったんですか?
伊藤 ディスプレイに「モノクロ半透過メモリインピクセル」という技術が使われていて、太陽光の下でもディスプレイが光を反射して見にくいということがないんです。また、液晶を光らせるための主光源として太陽光や外光などが使用されるので、明るい方がよく見えるんですよね。
そのため、日中はほとんどバックライトが使われず、暗いときだけバックライトが点灯するのでバッテリー消耗が抑えられるんです。そのあたりもInstinct 2の長い稼働時間の一因になっていますね。
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心拍を管理する
ムン 登る前に話していた通り、やっぱりそれなりの斜度がありますね。おふたりのペースが速めなので、心拍がちょっと上がってきたかもしれません……。
伊藤 ではちょっと立ち止まってInstinct 2で心拍をチェックしてみましょうか。
155と出ていますが、これは一分間の心拍数を表示したものです。「閾値」(機種により「ハード」と表示)は5つの心拍のゾーン分けでいうと上から2番目、つまり心拍がそれなりに高い状況なので、もう少し心拍数が低い数値になるペースで行動するのが良いですね。
ムン どんどん心拍数が落ちてきて、表示がひとつ下の「モデレート」に変わりました。
伊藤 心拍数が落ちるスピードが速いのは、ムンさんが普段運動している証拠ですね。運動習慣がない人の場合、心拍数が上がるのが速く、さらに落ちるのもゆっくりなんです。
急な登りでもこのモデレートくらいのペースで歩けば、身体への負荷が少ないので後半になっても疲れが溜まりにくいと思います。心拍が上がってきたかも、と感じたら心拍数をチェックしてペースを調整していきましょう。
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途中経過をデータで確認
伊藤 半分近く登ってきたので、ここでひと休みしましょう。せっかくなので経過を時計でチェックしてみましょうか。
レイコ これまでの総上昇量や距離などが出てきました。全体の総上昇量が550m、現在が287mなので、ちょうど半分くらい登ってきましたね。途中経過がわかるとあとどれくらい時間が掛かりそうか、体力的な負荷がありそうか、具体的に想像がしやすい気がします。
伊藤 ルートの軌跡も確認することができます。実線が予定ルートで、破線が実際に歩いてきたルートですね。ピッタリとは一致していないですが、ほぼ予定ルート通り歩いてきたことがわかります。
この歩いてきたルートの軌跡はすごく大事なんです。Instinct 2には「トラックバックルーティング機能」というのがあり、ピストンのように歩いてきたルートで戻るときには、このルートから外れるとアラートが出てコースアウトを教えてくれるんですね。今回はピストンでも復路のコースも含んだデータを取り込んでいますが、コースを使わないで同じ道で戻る際には、この軌跡が役立ちます。
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予定ルートを外れた際にはアラームでお知らせ
伊藤 今日の大山までのルートは案内もしっかりあり、ほとんど迷うこともないと思うのですが、試しにルートを外れてみましょう。分岐で別の方向に進んでみますね。
あっ、アラームが鳴りました! 「コース逸脱」(機種によっては「オフコース」と表示)とディスプレイに表示されていますね。
ムン 僕の2Xも同じ表示になりました。アラームだけでなくバイブレーションでも知らせてくれるんですね。これなら見逃すこともなさそうです。
伊藤 では今度はルートに戻りましょう。
……あ、「コース走行中」と出てきました。まだ完全に元のルートには戻ってはいないですが、かなり近づいていますね。位置情報の取得状況によってどうしても多少の誤差は出てしまうので、最終的には自分で道を確認しつつ補助的にアラームを役立てると良いと思います。
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日の出・日没時間を即座に確認
伊藤 山頂に到着しましたね。ひとまずおつかれさまです!
ただ晩秋は日が短いので、少しだけ休憩したらすぐに下山しましょう。
レイコ ――スルスル下っていっているので、夕暮れ前には余裕で到着しそうですね。ところで、今日の日没は何時ですか?
伊藤 ではそれぞれのInstinct 2でチェックしてみましょう。ナビゲーション中でも表示画面を変えるとすぐ出てきますよ。
ムン 出てきました! 日の入が16時45分になっていますね。下に「トワイライト」という表示もありますが、これはどういう意味ですか?
伊藤 日が沈んでも一気に暗くはならず、30分くらい掛かって徐々に暗くなっていきますよね。これはそのまだ光がある時間を表しているんです。日の出のトワイライトも、同じように日の出前に明るくなる時間を意味しています。
あと、場所によって日の出や日没時間は異なりますが、Instinct 2はその時点の位置情報に基づいて時間を表示してくれるので、かなり精度が高いです。
山のなかだと遮るものが多いので、日没やトワイライトの時刻ギリギリまで行動できると過信してはいけないですが、逆算して何時までには下山しないといけないなどという目安としておおいに役立ちます。
レイコ まだ日没まで余裕はありそうですが、万が一に備えてヘッドランプを取り出しやすい場所に移動させておきますね。
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歩いたデータをチェック
伊藤 無事に阿夫利神社下社まで下山してきましたね。おつかれさまでした。
すぐに休憩したいところですが、その前に時計のナビゲーションを終了させておきましょう。
ムン 終了するのを忘れてしまったら、記録されるデータが乱れてしまいますよね?
伊藤 このあとケーブルカーに乗りますが、とくに乗り物で移動しまうとデータが一気に乱れるので要注意です。ケーブルカーで下りたら、スマホを使ってデータを確認しましょう。
レイコ データはアプリの「Garmin Connect」でチェックするんですか?
伊藤 はい、今日のデータが自動でアプリに転送されるんです。スマホでいろんなデータが見られるのでおもしろいですよ。
伊藤 こちらは基本的なデータです。トータルの距離、時間、平均の時速、総上昇量、消費カロリーなども見られますね。
レイコ グラフというのも、各所の通過時間や心拍数のゾーンの割合が見えて興味深いですね。
伊藤 レイコさんの場合、「モデレート」や「閾値」がほとんどないので、だいぶラクに歩けたんじゃないでしょうか? 統計もチェックしてみると平均心拍が87なのでかなり低めです。実際にキツそうな雰囲気は全然ありませんでしたよね。
レイコ そうですね。デイハイクなので荷物も軽いですし、そんなに速いペースと思わなかったので、負荷は少なかった気がします。でもこうやって数値で表示されると、体感とリアルの答え合わせができておもしろいですね。
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体験を終えての感想は?
伊藤さんに教わりながらInstinct 2を初めて使ってみたムンさんとレイコさん。今回の体験を通じてInstinct 2にどのような印象を持ったのだろうか?
ムン 僕が使ったのは通常モデルよりも大きな2Xだったので、やはり数字や文字が非常に見やすかったです。でも重量はあまり気にならず、装着していても非常に軽く感じられました。
あと操作方法がボタンのみでタッチはないので、グローブをしていても素手と同様に操作できそうなのも良いですね。
デザイン的にも無骨な雰囲気が個人的にそそられます。今回は試さなかったですが、ウォッチフェイスを変更したら、さらに自分好みにできそうなので、カスタマイズしがいがありそうだなと思いました。
ナビ機能に関しては、ルートが線で表示されるというシンプルなユーザーインターフェイスなので慣れが必要と思いましたが、コースからの離脱を教えてくれるなど、サポート役としておおいに役立ってくれそうな気がします。
レイコ GPSスマートウォッチを使うのが初めてだったのでちゃんと扱えるか不安でしたが、順を追って伊藤さんに使い方を教えてもらったおかげで無事に使えて安心しました。
使っていて感じたのはボタン操作の便利さです。ディスプレイがあまり大きいわけではないのでタッチよりも誤操作が少なそうですし、ボタンごとの役割がきちっと決まっているので慣れたらすぐに目的の機能や表示が呼び出せそうだと思いました。
シンプルな機能ですが日の出・日の入とトワイライトの時刻表示も山ですごく役立ちそうですね。スマートフォンでも見られるとは思うのですが、電波の有無に関係なく見られますし、簡単な操作ですぐに確認できるのが山ではなによりありがたいです。
あと個人的な話ですが、身体を使う仕事なのでボディバッテリーも重宝しそうだなと思いました。疲れていても山だとつい無理しちゃいがちですが、客観的なデータとして自分の体力状態を把握していたら、ペース配分を考えたり、予定を変更したり、冷静な判断ができそうです。
今回使用したInstinct 2 Dual Powerはこちら
Garmin Instinct 2 Dual Power
(ガーミン・インスティンクト 2 デュアルパワー)
- 62,700円(税込)
- 本体サイズ:45.0 x 45.0 x 14.5mm
- 重量:52g
- ケース素材:繊維強化ポリマー
- ガラス素材:コーニング社製 Gorilla Glass DX
- ベルト:シリコン、QuickFitバンド(22mm、別売り)にも交換対応
Instinct 2X Dual Powerはこちら
Garmin Instinct 2X Dual Power
(ガーミン・インスティンクト 2エックス デュアルパワー)
- 68,200円(税込)
- 本体サイズ:50.0 x 50.0 x 14.5mm
- 重量:67g
- ケース素材:繊維強化ポリマー
- ガラス素材:コーニング社製 Gorilla Glass DX
- ベルト:シリコン、QuickFitバンド(26mm、別売り)にも交換対応
Instinct 2のその他おすすめ記事はこちらから。
問い合わせ:ガーミンジャパン
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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