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山は自分の原点に戻れる場所――塩野目望さん|だから、私は山へ行く#31

山を愛し、山とともに生きる人に迫る連載「だから、私は山へ行く」。今回は、さまざまな視点で国立公園と関わってきた塩野目望さん。「一つひとつの国立公園にある“物語”を伝えたい」。そう話す彼女が、日本の山や自然を愛する理由とは。

「だから、私は山へ行く」
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山好きにとって、国立公園は身近な存在だ。けれど、日本にいくつの国立公園があるかを即答できる人は、そう多くはないだろう。

「日本にはいま、35カ所の国立公園があります。一番新しいのは、2024年に指定された北海道の『日高山脈襟裳十勝国立公園(ひだかさんみゃくえりもとかちこくりつこうえん)』です。じつはグーグルマップでデフォルトの日本地図を見ると、国立公園のおおまかな陸域の区域が薄い緑色で示されているんです。『ここも国立公園だったの!』と驚かれる方も多いんですよ!」

ほがらかな声で教えてくれたのは、環境省でレンジャー(自然保護官・国立公園管理官など)として活動し、現在はゴールドウインに出向中の塩野目望さんだ。

憧れのレンジャーになる

栃木県の東部に生まれ育った塩野目さんにとって、幼いころから〝自然〞は身近にあるものだったという。

「いとこの家の裏山をきょうだいで走り回ったり、お父さんとアユ釣りをしたり……。茨城との県境に近い田舎で育ったので、本当に自然は当たり前のようにある存在でした。山は『行くぞ!』とがんばって出かけるというよりも『ちょっと行ってくるね』という距離感にある場所だったと思います」

▲塩野目さんが生まれ育った那須烏山市は、那珂川などの清流や八溝山系の山々に囲まれた自然豊かな場所

そんな塩野目さんがレンジャーを目指すきっかけは、とあるテレビ番組だったという。

「偶然、海外の自然保護区で活動するレンジャーの番組を観て『こんな仕事があるんだ!』と感動しました。自分も自然が好きだし、動物や植物を守る仕事に関わりたい。高校生になるころには、レンジャーになりたいと本格的に考えるようになっていました」

その後、県外の大学の農学部に進んだ塩野目さんは、2017年に、環境省に入省。晴れてレンジャーとしての一歩をふみ出した。

地域の人々とともに国立公園を次世代へ

自然公園法に基づく許可や認可の窓口や手続き、標識や展望デッキの整備、自然観察会などのイベント企画、国立公園の魅力の発信……。レンジャーとして手がけてきた仕事は、じつに幅広い。

「国立公園は複数の自治体にまたがっていることが多いので、たくさんの関係者がいます。地域を愛するみなさんと、国立公園のこれからを考えていく仕事は、とてもやりがいがあります」

▲大山隠岐国立公園にある日御碕(ひのみさき)。夕日や白い灯台、柱状節理が織りなす美しい景色を見るために何度も訪れたお気に入りの場所

塩野目さんにとって、思い出深い場所のひとつが、入省3〜4年目に赴任した大山隠岐国立公園だ。

「当時は松江管理官事務所に所属し、大山隠岐国立公園の島根県側(島根半島・三瓶山)を担当していました。初めて赴任した国立公園で緊張や不安もあったけれど、地域のみなさんがとても優しく受け入れてくださいました。在任中はいっしょにいろいろな取り組みをさせていただいたこともあって、いまでは〝第2のふるさと〞と思えるほど大好きな場所です」

大山隠岐国立公園にある標高1126メートルの三瓶山(さんべさん)は、塩野目さんのお気に入りの山だ。

「三瓶山は地元の方に愛される独立峰で、一番高い男三瓶山頂はふもとから2時間くらい。周辺には温泉や草原、集落もあって、ロープウェイで山に上ることもできる身近な存在です。自然のなかで遊んでいた子ども時代の原点に戻れるというか、『私、やっぱり自然が好きなんだ』と思える山なんです」

▲「室の内」と呼ばれる窪地を取り囲むように、主峰・男三瓶山をはじめとする峰々が環状に連なる三瓶山の風景
▲三瓶山の西山麓にある浮布池は、大蛇と娘にまつわる伝説が残る天然湖沼。晴れて風のない日には、水面に映る「逆さ三瓶」を眺めることができる

松江時代を経て、本省の国立公園利用推進室で国立公園のプロモーションを担当。現在は、ゴールドウインに出向している。

一つひとつの国立公園に大切な〝物語〞がある

「ゴールドウインが進める国立公園の取り組みはプロダクトやウェブサイト・SNSでの情報発信、ツアーの企画などさまざま。私自身、これまでとは異なる目線で国立公園に携わっています。お客さまと国立公園を訪れ、地域の魅力を体感いただいたあとに、『国立公園をもっと知りたくなった』とお声をいただけることが本当にうれしい瞬間です。国立公園での体験が来てくださった方の思い出として残り、また訪れるきっかけになっているといいなと思います」

▲山歩きはもちろん、ダイビングなどの海遊びもこよなく愛する塩野目さん。写真は、沖縄の座間味島

さまざまな視点で日本の自然と向き合ってきた塩野目さんにとって、国立公園の魅力とは?

「日本にある35カ所の国立公園に共通するのは〝日本を代表する風景地〞であること。そして、一つひとつの風景の背後には、異なる自然や文化、歴史、地域の人の思いが紡いできた〝物語〞があると思います。私にとって国立公園の魅力は、豊かな〝物語〞に触れられること。これからも多くの方にその〝物語〞を伝えていきたいんです。それが、日本の国立公園を未来に引き継ぐことにもつながると思うから」

塩野目 望さん
2017 年に環境省に入省し、レンジャーとして国立公園の保全管理等に携わる。現在はゴールドウインに出向中。同社の国立公園のプロジェクトなどに携わる
https://nationalparks.goldwin.co.jp

 

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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