慣れたころが危ない!? 登山の万が一、そのときどうする?

美しい景色を見せてくれる山だが、一方で一歩間違えると、命の危険に陥ることもある。山の中での不測の出来事はいつでも起こりえる。特に慣れた頃が危ないとはよく言われることだ。今一度、万が一に備える意識を強くしたい。

Q.道に迷ってしまった。どうすればいい?

A. 道に迷ったときは、なにはともあれ来た道を戻る。下りの途中で迷ったとき、特に疲れているときには登り返すことに心理的な抵抗が働いて、さらに下ろうとして深みにはまるケースが多い。また日没がせまってくると焦ってしまい、余計にどこにいるのかわからなくなったりする。少しでも不安を感じたら早めに引き返すことが大切だ。特に初心者が沢に下るのはリスクが高まるため、絶対に避けること。

なお、登山では紙の地図を携帯するのが基本。スマホの地図だけを頼りにすることは厳禁と覚えておこう。壊れたり電池が切れたりしたら使えなくなるからだ。ただし電波が圏外でもGPSを使ってナビゲーションできるアプリもあるので、万一のための保険としてインストールして使い方を覚えておくのもひとつの手段だ。

Q.低体温症や熱中症対策は?

A. 山での時間を楽しむために、身に着けるウエアや水分・カロリー補給に気を配ることはとても重要。長時間にわたって野外で行動する登山では、そういった一つひとつが、体に大きな影響を及ぼす。例えば、乾きにくい綿の下着などを身に着けていると汗が体温を奪い、夏でも低体温症になることも。速乾性のある化繊やウール素材のウエアを選び、環境に応じたレイヤリングをしよう。また、特に女性はトイレを気にして水分の摂取が少なくなりがち。水分が不足すると、熱中症や筋痙攣、血栓など生命にかかわることも。こまめな水分補給を心がけよう。

【低体温症】
濡れたウエアを着続けたり、強風にあたることで体温が奪われ、体の中心部の体温が35度以下まで下がった状態。これが進むと生命活動に支障をきたし、最悪、命取りになることも。山では適切なウエアリングをし、熱が奪われないよう対処を。

【熱中症】

熱中症はめまいや頭痛、しびれ、痙攣などの症状を起こす。体内の水分が少なくなると体温が上がり、熱中症になりやすくなるので注意しよう。『早め&こまめ』な水分補給が大切。

Q.仲間がケガをしてしまった。そんなときどうする?

A. ケガが軽い捻挫の場合はテーピングテープで固定し、仲間が肩を貸したり、トレッキングポールなどを使って、なるべく痛めた足に負担をかけないようにしながら、治療を受けられるところまで移動する。無理をして症状を悪化させないように注意しよう。自力で歩けない場合や、骨折の疑いのあるときは動かさず、速やかに救助要請を。待っている間は、患部を心臓より高い位置に保って安静にするが、じっとしていると体温が奪われるので、防寒対策も忘れずに。ケガの応急処置は事前に講習を受けておくと安心だ。

【外傷】
清潔な水で洗浄し、傷の中に異物が残らないようにした後、滅菌ガーゼを当てて伸縮包帯などで固定。出血していれば、ガーゼの上から圧迫して止血する。

【捻挫】

捻挫の処置の基本は、患部を冷却、圧迫して炎症や腫れの広がりを抑え、動かさないように固定し、安静にすること。応急処置の講習を受けておきたい。

Q.コースタイムよりかなり遅れてしまい、日没になってしまった…… 。

A. まずは事前の計画でゆとりのある設定をしておくことが基本だが、何らかの理由で日没になってしまったときは臨機応変に、早めにビバークを決断するほうが安全。ヘッドランプでの行動は視野が狭く、周囲の地形的サインに気づきにくいことから、道迷いや転滑落の危険性が高まる。

普段からツエルトなどの非常用シェルター、予備の防寒着やアンダーウエア、非常食、予備の水、ストーブとクッカーなどの装備を携行しておこう。とはいえ、いきなりビバークという選択肢は不安なもの。夏に安全な場所で、仲間とビバーク体験&練習しておくのがおすすめ。

Q.仲間が滑落してしまった!山での緊急時にはどうしたらいい?

A. 自分もパニックになって、二次遭難を起こさないことを最優先に、まずは落ち着いて、冷静になること。現場の状況から救助を要請したほうがいいと判断した場合は、速やかに警察に連絡する。携帯電話が圏外の場合は、最寄りの山小屋か電波が通じるところまで移動する必要があるが、できるだけ2人組で行動し、単独行動は避けるようにしよう。警察には事故発生の日時、場所のほか、事故者の名前、緊急連絡先、事故の状況やケガの状態、他のメンバーの避難場所の有無など、さまざまな情報を正確に伝えることが必要。これらに迅速に対応するためにも、事前に登山計画書をしっかりつくっておくことは必要不可欠だ。

(編集 M)

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