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ちいさな一歩で、大きな自然に近づける 何度も訪れたい、カナディアン・ロッキーの旅

ランドネ前編集長の佐藤泰那さんが昨夏はじめて訪れ、すっかり惹きつけられたカナディアン・ロッキー。大きな原生の自然に抱かれて過ごしたレポートとともに、何度でも旅したくなるアルバータ州の魅力を前後編に分けてご紹介します。

 

アウトドアを始めて、海外でもハイキングを楽しむようになったころから、いつかはカナダを訪れてみたいと思っていました。遠いイメージから二の足をふんでいましたが、昨夏ふとしたきっかけで調べてみたところ、成田からアルバータ州カルガリーまで直行便があることが判明。思い立ったが吉日と、航空券をとり、旅へ出ることにしました。

計画するなかでまず驚いたのは、フィールドへのアクセスの良さ。カナディアン・ロッキーは、アルバータ州とブリティッシュコロンビア州のあいだを南北に走る山脈で、主要な玄関口となるのはカルガリー。カナダ西部に位置し、かつて冬季五輪が開催されたこともある町です。空港から車でわずか1時間ほど走るとそそり立つ山々が迫ってきます。アルバータ州には、メジャーな街から1時間以内でアクセスでき、気軽にハイキングを楽しめるコースがたくさんあるのです。

カナディアン・ロッキーで山登りを楽しむうえで最適なシーズンは、雪が溶けて色とりどりの花が咲き始める6月中旬から、カラッと涼やかな風が吹き抜ける盛夏、そして山々の秋の装いが終わりを告げる10月上旬まで。混雑する時期はキャンプ場の予約はすぐに埋まってしまうほどの人気。ときにはグリズリー(ハイイログマ)など野生動物と遭遇する可能性もあるので、不慣れな海外で不安な方は登山ガイドのツアーを頼むこともひとつの手です。

わたしはまず、カナディアン・ロッキーのふもと、キャンモアの町を拠点に、カナナスキスと呼ばれるエリアへ。友人の谷剛士さんにガイドをお願いしました。谷さんは、日本人で唯一、カナダで国際山岳ガイドの資格をとっている方です。

入山前には、Peter Lougheed Park Discovery & Information Centreというビジターセンターを訪れました。針葉樹が広がる森や山に暮らす動物などの生態系や、もともとこの地域に暮らしていた先住民について学ぶことができ、これから歩く山へのイメージを膨らますことができたことは、大きな収穫となりました。

いざ登山口に降り立つと目の前にはアッパー・カナナスキス湖が広がり、湖畔ではピクニックや犬の散歩、カヤックなどを楽しむ人の姿がちらほら。青々とした湖とその奥に連なる山々への期待を抱き、2泊3日のテント泊登山に出かけました。

針葉樹の森を抜け、険しい山々のあいだを縫うように平原を奥へと進み、氷河からの水が注ぐ湖を眺めたり、湖のほとりのテントサイトでゆっくりひと晩を過ごしたり。一日のなかで変化し続ける景色を味わいながら、登山者よりもたくさんのピカ(ナキウサギ)とマウンテンゴート(シロイワヤギ)と出会い、大自然に浸った3日間。

カナダでは一般的に、車でアクセスできて日帰りできる場所をフロントカントリー、道路がなく日帰りでは行って帰ってこられないエリアをバックカントリーと呼びます。このテント泊登山では、二日目に手つかずの自然が広がるバックカントリーへと入り、カナディアン・ロッキーを1100キロメートルにわたって貫くグレート・ディバイド・トレイルの一部を歩きました。

他の登山者に誰ひとり会うこともなく、聞こえてくるのは歩く私の足音と森のざわめき、そして川を流れる水のせせらぎ。荒々しくも壮麗なカナディアン・ロッキーの一部になれた感覚を味わえたのがとても印象的でした。

そんな原生自然のなかですが、テントサイトは整地されていて、熊よけのために食料を格納できるボックスやトイレが設置されています。ほどよく管理者のひと心地を感じられる空間に、一日の緊張がほぐれ、野生動物の気配に気を配りながらも、星空を存分に堪能しました。テントの布一枚越しに感じたカナディアン・ロッキーの夜更けはいつまでも忘れられない思い出になりそうです。

下山した翌日からは、キャンモアの町を散策しました。キャンモアには、個性のさまざまなアウトドアショップが数軒あり、オーガニックカフェやパブとしても賑わうクラフトビール醸造所、自然志向のコスメショップや雑貨店など、お買い物やグルメをたのしめるスポットがたくさんあります。

町のどこから見渡しても、目の前にカナディアン・ロッキーがそびえ立つ景観を眺めることができ、この地で暮らす住民もその景色を愛しているのだそう。キャンモアのシンボルともいえる3つの山が連なったスリーシスターズと呼ばれる山の姿には、滞在期間中すっかり愛着を感じるようになっていました。

今回わたしが泊まったホステル「HI CANMORE」も、山好きには足を延ばしてほしい場所。重厚な木造りの建物に、カナダの山岳の歴史を物語る貴重な展示や山岳書や写真集が並んでいます。カナダ山岳会のクラブハウスでもあり、カナディアン・ロッキーを訪れる登山者が宿泊するので、その人々と交流できるのも楽しみのひとつです。

しっかり堪能したあとは、拠点をバンフの町へ。キャンモアとおなじく、町にも魅力的なスポットがたくさんあり、わたしのGoogle mapには訪れたい場所をまとめたお気に入りのフラグがずらりと立っています(笑)。

そしてやっぱり、なによりの魅力は、大きな自然。「バンフ国立公園」の名前は、アウトドアに親しむひとなら、一度は聞いたことがあるでしょう。カナダ初の自然公園で、カナダ連邦が誕生した1867年のわずか20年後に発足したというエピソードには、いかに自然を重んじる国であるかと驚かされます。国立公園が掲げる理念のひとつに、「自然を守る心を育てるには、その自然がどれほど素晴らしく、大切なものかを知ることから始めなければならない」という考えがあります。そのため、公園の運営には、自然保護とレクリエーション促進、この両軸が大事にされています。

この両軸に触れるため、わたしは対照的なふたつのフィールド、レイク・ルイーズとレイク・オハラを訪れました。
ビクトリア女王の娘・ルイーズ王女にちなんで名付けられた氷河湖のレイク・ルイーズは、カナディアン・ロッキーの宝石とも称される観光地です。湖畔には豪華なホテル、フェアモント・シャトー・レイクルイーズが隣接し、多くの観光客や登山者で賑わっていました。ぼんやりとエメラルドグリーンの湖を眺めるだけでも気持ちがいいし、SUPやカヤックをしている人の姿にも惹かれました。

レイク・ルイーズを出発して、湖を見下ろす山の上へと登ったり、間近に迫る氷河を眺めに行ったり。日帰りで気軽なハイキングに出かけることもできます。レイク・ルイーズはどんな人でも自然を楽しめる、カナディアン・ロッキーの懐の深さを感じる場所でした。自然を大切にしながらも、人間が楽しみ、ビジネスが生まれ、自然を守る資金となる、というよいサイクルができています。

一方のレイク・オハラは、アウトドア好きならば誰もが訪れたいと憧れる場所。入山数には厳しい制限があります。自然保護のためにマイカー規制が敷かれていて、入山には基本的に、完全予約制の専用バスを利用します。このチケットは人気で入手は困難なのですが、運良く訪れることができました。

レイク・オハラ周辺には、氷河から流れる水が溜まった氷河湖がいくつもあり、どの湖も少しずつ色が違うので一つひとつの青さを眺めるたびにうっとり。そして入山規制されているため、これだけ美しい場所なのにレイク・ルイーズとは打って変わって訪れる人の姿が圧倒的に少ないことに驚きました。

野生動物の活動も活発です。わたしは初めてマーモットに出会い、その可愛らしさに釘付けに。ピカ(ナキウサギ)の鳴き声も耳にし、多様な野生動物の息吹に満ちあふれていることを感じました。今回は日帰りでしたが、湖畔のコテージがとても素敵だったので、いつか再訪してゆっくりと滞在してみたいなと思っています。

秋にはカラマツ(Larch)がきれいな黄色に輝き、冬が近づくと白い雪をまとう姿も、見てみたいものです。

次に訪れる際に、足を運びたいと思っているのは、ウォータートンレイク国立公園。お隣のアメリカ合衆国モンタナ州にあるグレイシャー国立公園と合わせて世界遺産に登録されています。夏には高山植物が咲き乱れる花の宝庫で、カナディアン・ロッキーでここだけに咲く花もあるそうで花好きにはたまらない場所。
200以上の湖や池があり、ボートにのって氷河が作り出した渓谷を眺めることもできるのだそうです。

昨年私が訪れた8月後半は、夏の花の最盛期は過ぎていましたが、日本の高山植物に似た花がたくさん咲いていました。アルバータ州の緯度は、北海道よりもさらに高いため、日本では高山でしか見られない植物を比較的標高の低いエリアでも見ることができるのです。

山火事の後に最初に咲くといわれるファイヤーウィード(ヤナギラン)や、ブラシのような姿から「先住民の絵筆」という意味を込めて名づけられたインディアンペイントブラシなど、見たことのない種類も。

これらのお花を使ったハーブティやアロマオイルをお土産にするのも、おすすめです。そして花々がだんだんと姿を消す秋には、カラマツやポプラが色づいて森全体が黄色となり、秋晴れの青空と白い氷河とのコントラストがとても美しいのだとか。次は、季節を変えて訪ねてみたいと思っています。

最後に、旅の発着点となるカルガリーをご紹介。カルガリーは、人口140万人を超えるアルバータ州最大の都市。豊かな自然を常に感じられる街です。前述の通り、カナディアン・ロッキーに近いこともさることながら、街の中には川が流れ、緑あふれる公園がいくつもあります。また、大きなショッピングモールがあり、お買い物やグルメも楽しみやすい場所。アウトドアショップもたくさんあります。カナダと言えば、アークテリクスやソレル、最近日本でみかける機会が増えてきているルルレモン、カナダらしいグッズが揃うRootsなど。個性豊かなパブやレストランも豊富にあり、カナダ旅を最初から最後まで堪能できる拠点としてピッタリです。

一歩ふみ入れた瞬間から、カナディアン・ロッキーの壮大な景観に身を浸すことができ、さらに奥へと進んでフィールドの魅力を深く長く楽しむこともできるアルバータ州。自然をめぐる旅の選択肢が多いのは、なによりの魅力です。

そんな冒険へと軽やかに旅立つために注目したいのは、2024年4月4日から運航再開するウエストジェットの成田(東京)とカルガリー(アルバータ州)を結ぶノンストップ便。
往路は成田を夕刻に出発すると、時差の関係で、カルガリーには当日お昼に到着。その日から町に繰り出せます。復路はカルガリーをお昼すぎに出発し、翌日は成田に夕方ごろ到着します。その晩しっかりと休息をとれば、次の日からはお仕事に復帰することもできる、ワーキングパーソンにもありがたいスケジュールです。

海外旅行やアウトドアのビギナーも、まずはご自身の五感で味わってみてはいかがでしょうか。きっと帰り道にはもっと知りたくなり、次の旅の計画を立てることになるはずです。

 

アルバータ州&ウエストジェット航空の情報はこちら

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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