テント用防水スプレー10選|おすすめ・選び方・長持ちさせる方法も紹介
FUNQスタッフ
- 2022年09月27日
INDEX
買った当初は水を弾いていたテントも、長年の使用で防水・撥水効果が低下し、テント生地に水が浸み込みやすくなります。「古いテントだから仕方ない」と諦めている方も多いのではないでしょうか。しかしテント用防水スプレーを使えば、またしっかり水を弾くようになり、快適にテントを使えるようになります。
そこで今回は、テント用の防水スプレーについて以下のような内容で詳しく紹介します。
- テント用防水スプレーの選び方
- テント用防水スプレーの使うタイミングと注意点
- おすすめのテント用防水スプレー10選
- テントの防水効果を長持ちさせる方法
「雨の日はテントに水が浸みこんできて困っている」「お気に入りのテントを長く使いたい!」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
テントに防水スプレーは必要?
通常、新品のテントには防水・撥水加工がされており、水が浸み込んでくることはありません。しかし長年使用して加工が劣化すると、水を防げなかったり弾かなくなったりして、水が浸透しやすくなってしまいます。
ちなみに「防水加工」とは、水が中に入らないようにする加工のことをいいます。対して「撥水加工」とは、水が球体状になり、コロコロと生地の表面を流れ落ちるようにする加工のことです。
撥水効果が落ちたテントにはメンテナンスを
一度落ちた防水効果は、残念ながら素人では復活させることは難しいといえます。しかし撥水効果に関しては、メンテナンスすることで、撥水加工を復活させられます。再び水をよく弾くようになるので、快適にテントを使用できるでしょう。
撥水加工が落ちる理由とは
撥水加工が落ちる原因として一番に考えられるのは、長年の雨や紫外線です。またテントの汚れをそのままにしていることも、加工を劣化させる原因です。さらにテントを乾燥させないで収納していると、加水分解によりコーティングがベタベタになり剝がれ落ちてしまいます。
テント用防水スプレーを選ぶポイント
ここからはテントの撥水効果を復活させる、テント用防水スプレーの選び方について詳しく紹介します。
テント用防水スプレーとは、正確にいえば「撥水スプレー」のことを指します。一般的に「防水スプレー」という言葉が浸透しているので「防水」という言葉が使われますが、実は撥水効果を復活させるものです。少しややこしいですが、どちらにしても水がテントに浸み込まないようにするスプレーです。
テント用防水スプレーを選ぶポイントは、以下の2点が挙げられます。
- 撥水剤で選ぶ(シリコン系 or フッ素系)
- 塗り方で選ぶ(スプレー or 塗る)
それぞれ詳しく解説していきます。
撥水剤で選ぶ(シリコン系 or フッ素系)
テント用防水スプレーに使用される撥水剤は、「シリコン系」と「フッ素系」の2種類に分けられます。それぞれメリットやデメリットがあり、テントの種類やパーツによって適した撥水剤が違います。
シリコン系
シリコン系テント用防水スプレーは、フッ素系に比べて有効期間が長く、安価なのがメリットです。
ただし繊維の隙間を埋めて、生地表面を全体的にコーティングするため、通気性や透湿性が悪くなるのがデメリットです。タープやテントのフロア部分など、通気性に影響のないパーツの使用に適しています。
シリコン系のメリット
- フッ素系に比べ有効期間が長い
- フッ素系に比べ安価である
シリコン系のデメリット
- 通気性や透湿性が悪い
フッ素系
フッ素系テント用防水スプレーは、繊維一本一本をコーティングし水を弾きます。繊維の隙間が残るため、通気性や透湿性に優れています。そのためゴアテックス素材など、透湿素材にも使用可能です。もちろんテントの、どのパーツにも向いている撥水剤です。また油も弾くので、油汚れにも強くなります。
やや高価で有効期間が短いのが、デメリットといえるでしょう。
フッ素系のメリット
- 通気性や透湿性に優れている
- 油汚れにも強い
フッ素系のデメリット
- シリコン系に比べ有効期間が短い
- シリコン系に比べ高価である
塗り方で選ぶ(スプレー or 塗る)
テント用防水スプレーと一言でまとめていますが、実は「スプレータイプ」以外に「塗るタイプ」の撥水剤も多数販売されています。それぞれ特徴や適したシチュエーションがあるので、詳しく紹介します。
スプレータイプ
道具も要らず、初心者でも簡単に使えるのが「スプレータイプ」です。メンテナンスの時間が取れない方にもおすすめです。ただし、塗りムラが出やすいデメリットがあります。キャンプ中など、応急的な使い方がおすすめです。
塗るタイプ
刷毛(はけ)や付属のスポンジで「塗るタイプ」は、スプレータイプに比べて手間と時間が掛かります。しかしムラなく塗れるので、自宅でしっかりメンテナンスしたい方におすすめです。
テント用防水スプレーを使うタイミングと注意点
テント用防水スプレーには、使うべきタイミングと使用上の注意点があります。安全により効果を発揮させるため、しっかりと押さえておきましょう。
テントに防水スプレーを使うタイミング
これから新しくテントを買う方には、テントを初めて使う前に防水スプレーを使用することをおすすめします。テント本来の撥水効果が長持ちし、汚れが付くのも防いでくれます。
既にテントを持っている方は、「水の弾きが悪くなった」と感じたタイミングで防水スプレーを使うと良いでしょう。
使用時に注意すべきこと
テント用防水スプレーの使用上の主な注意は、以下の3点になります。
- 乾燥できる状況で
- 周りへの配慮
- 色落ちやシミができないか確認
それぞれ詳しく解説します。
乾燥できる状況で
テント用防水スプレーは、塗布した後に乾燥させることが必要です。それぞれの製品で乾燥時間が違い、長いものだと、丸一日掛かる場合もあります。特にキャンプ場で使用する際は、乾燥する前に雨が降ってくると、薬剤が流れてしまい効果が無くなります。乾燥完了まで、雨に濡れないか確認してから使用しましょう。
周りへの配慮
テント用防水スプレーを使う際は、周囲への配慮が必要です。特にスプレータイプは、風で成分が流れていきます。人体に入ると有害な場合もあるので、周囲に人がいる場合は注意が必要です。また周囲のテントサイトにも、迷惑を掛けないよう配慮しましょう。また塗るタイプであっても、乾燥中に子供やペットが触らないようにしてください。
色落ちやシミができないか確認
シリコン系のテント用防水スプレーは、テント生地が色落ちしたりシミができたりする場合があります。使用前に目立たない箇所に塗布して、問題ないか確認してから使用すると安心です。
テント用防水スプレーおすすめ10選
ここからはおすすめのテント用防水スプレーを、「シリコン系」と「フッ素系」に分けて紹介します。自分のメンテナンス方法に合う防水スプレーはどれか、チェックしてみてください。
シリコン系防水スプレー
有効期間が長く、比較的安価なシリコン系防水スプレー。大型タープなど、広い面積を塗りたい方におすすめです。気軽に使えるスプレー式を中心にピックアップしました。
CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ) テント用防水スプレー
アウトドアブランド、キャプテンスタッグの「テント用防水スプレー」。面でカバーするシリコン系で、防水機能が低下した縫い目部分をしっかりカバーします。傘やレインウェアなどにも使用可能です。
- メーカー参考価格:1,650円
- 内容量:300ml
- 使用可能面積:約5㎡
- 撥水剤種類:シリコン系
- 塗布方法:スプレー
RUST-OLEUM(ラストオレウム) Never Wet NEO(ネバーウェットネオ)
驚異の撥水力を誇る、アメリカ生まれの防水スプレー「ネバーウェットネオ」。コットン生地やスウェードなどさまざまな素材に使えます。乾燥に24時間が必要。キャンプ場に出かける前に、スプレーしておくと良いでしょう。
- 内容量:325ml
- 撥水剤種類:シリコン系
- 塗布方法:スプレー
NIKWAX(ニクワックス) テント&ギアソーラープルーフ
イギリスの防水製品メーカー「ニクワックス」。アウトドアギアなどの防水ケア製品を展開しています。「テント&ギアプルーフ」は、UVプロテクト効果もプラスした撥水剤です。紫外線による撥水効果の劣化を防ぎます。
- メーカー参考価格:1,980円
- 内容量:500ml
- 撥水剤種類:シリコン系
- 塗布方法:スプレー
信越化学 POLON-T(ポロン-ティー)撥水剤1kg
広い用途で使われ、高い撥水効果を発揮する「ポロンT」。刷毛や吹付け、漬け込みなど、やりやすい方法で塗布できます。塗った部分の色が濃くなり分かりやすいので、塗り残しにくくなっています。1~2時間で乾燥終了。時間の無い方にもおすすめです。
- 内容量:1kg
- 撥水剤種類:シリコン系
- 塗布方法:含浸、吹付け、刷毛塗り
Grangers(グランジャーズ) テント&ギア リペル
「環境になるべく影響を及ぼしたくない!」という方にピッタリの、環境に優しいウォーターベースの撥水剤です。鼻にツンとくる匂いが無いのも、嬉しいポイントです。テントを水洗いし濡れた状態でスプレーすることで、まんべんなく全体に塗布できます。
- 内容量:500ml
- 撥水剤種類:シリコン系
- 塗布方法:スプレー
フッ素系防水スプレー
透湿素材にも使える、フッ素系防水スプレー。しっかりメンテナンスしたい方におすすめの、塗るタイプや洗濯式のものもピックアップしました。
LOGOS(ロゴス)強力防水スプレー
大型ドームテント1張りに使える、ロゴスの「強力防水スプレー」。スプレーしたら、約30分で乾燥終了。キャンプ場でも気軽に使えます。比較的高価なフッ素系ですが、こちらのスプレーはお手頃価格となっています。
- メーカー参考価格:1,180円
- 内容量:420ml
- 撥水剤種類:フッ素系
- 使用可能面積:大型ドームテント約1張分
- 塗布方法:スプレー
アライテント 塗る撥水剤
テントやシェルターを扱うメーカー「アライテント」。テントを知りつくしたメーカーが作った「塗る撥水剤」。2人用テントのフライシートに、丁度良い容量です。ゴアテックスなどの透湿素材にも使用可能です。
- メーカー参考価格:1,760円
- 内容量:100ml
- 撥水剤種類:フッ素系
- 塗布方法:付属スポンジ
WHITEBARE(ホワイトベア) テント&タープ強力防水撥水スプレー
虫の嫌がる香りの青森ヒバの抽出液を配合し、虫除け効果も期待できる一石二鳥の撥水スプレーです。持続時間の短さがデメリットのフッ素系ですが、特殊ワックスも配合し、効果の持続時間が長く続きます。
- 内容量:420ml
- 撥水剤種類:フッ素系
- 塗布方法:スプレー
TEMPO テント用強力防水液パラウェット
スキーワックスなど、スポーツに関するオイルやワックスを製造するメーカー、テンポ。「テント用強力防水液パラウェット」は1Lの大容量。広い面積に塗布したい方におすすめです。刷毛で塗るタイプですが、蓋を容器として使えます。サラッとした液体で塗りやすく、乾燥にも時間を取りません。
- メーカー参考価格:3,850円
- 内容量:1L
- 使用可能面積:250×250cm
- 撥水剤種類:フッ素系
- 塗布方法:刷毛
NIKWAX(ニクワックス)TX.ダイレクト WASH-IN
シリコン系でも紹介した「ニクワックス」の、透湿素材にも使える「TX.ダイレクト WASH-IN」。洗濯式なので、まんべんなく全体が撥水コーティングされます。登山テントなど、小さめのテントに使いたい方におすすめです。
- 内容量:300ml
- 撥水剤種類:フッ素系
- 塗布方法:洗濯式
テントの防水性能を長持ちさせる方法
テントは使い方やメンテナンス方法によって、防水性能を長持ちさせられます。お気に入りのテントを長く使うために、ぜひ以下のコツを取り入れてみてください。
防水性能が長持ちするコツ
テントの防水性能を、長持ちさせるコツは以下の5点です。
- テントをしっかりピンと張る
- グランドシートを使う
- 汚れはこまめに落とす
- 使用後は陰干しする
- 劣化したシームテープは張り直す
それぞれ詳しく解説します。
テントをしっかりピンと張る
テントがたるんでいると水が流れにくくなり、撥水効果が活かせません。また水が長時間付着することで、撥水加工の劣化にも繋がります。テントはしっかりピンと張って、水が流れやすくしましょう。
グランドシートを使う
テントの下にグランドシートを敷くことで、テントの汚れを防ぐことができます。地面からの湿気も防げるので、テント内の結露も軽減します。汚れや湿気を防ぐことで、撥水加工の劣化を遅らせることも可能です。
汚れはこまめに落とす
テントの汚れは防水・撥水加工を劣化させます。汚れを見つけたら、こまめに拭き取ったり、ブラシでこすり落としたりするとよいでしょう。落ちにくい汚れでも、中性洗剤をブラシなどで塗り、水拭きするとほとんど落ちます。
使用後に陰干しする
テントの手入れの基本は、しっかり乾燥させることです。防水・撥水加工を長持ちさせるには、紫外線による劣化を防ぐため陰干しがおすすめです。
劣化したシームテープは張り直す
シームテープとは、テントの縫い目から水が浸入するのを防ぐため貼られているテープです。シームテープが剥がれたり穴が空いたりすると、そこから水が浸入しやすくなります。シームテープは張り替え可能なので、補修用テープで張り替えましょう。
テントのメンテナンス方法もチェック
テントやタープの製造やメンテナンスを行う「アライテント」の広報・福永さんに、テントの手入れや防水スプレーの使い方、補修方法など、メンテナンス全般について教えていただきました。ぜひチェックしてください。
テントの防水性能を高めて雨でもアウトドアを楽しもう
長年使ったテントでも、撥水効果を復活させるテント用防水スプレー。
お気に入りのテントなら、なるべく長く快適に使いたいものです。テント用防水スプレーの使用やメンテナンスを続けることで、さらにテントと長く付き合ってくださいね。
- TAG :
- BRAND :
- ランドネ
SHARE
PROFILE
「好き、を生きよう」を地で行く、FUNQスタッフ。 初心者から上級者まで、知りたい情報をわかりやすくお届けしています。