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ジャパントレイル「塩の道」を歩く~古から続く、海から山へと塩を運んだ道~

ロングトレイルは長く歩くだけが魅力じゃない。
自分の気に入ったエリアを見つけて、さっくりとショートトリップを楽しむのにも向いている。
ジャパントレイルの一部、塩の道トレイルを舞台に山と街を楽しむ1泊2日の旅へ。

ジャパントレイルとは

レイル構想」。今回訪れた「塩の道トレイル」を含め、全国にあるロングトレイルをベースに、それらをつないでいく。

「ジャパントレイル」を通じて、国内はもちろん、海外の人たちに対しても、思い思いに歩く旅を創り出してほしいという思いが詰まった夢のトレイル。
“歩く”速度で旅をすることで、これまで見逃していたかもしれない日本ならではの魅力的な風景や人に、もっと出会えるはずだ。

ルートを確認できるアプリもあり

各地の歩行ルートを検索したり、ルート詳細をスマホアプリ「JAPANTRAIL」で確認できる。

App Storeはこちらから
Google Playはこちらから

山道案内人をつとめるのは、大隝真紀子さん

長野県出身のアウトドアガイド。18年前に白馬村に移住。白馬山案内人組合に所属し、近隣の山々を四季を通じてガイディングしている。塩の道トレイルには何度も訪れていて、古道の歴史などにも詳しい。

古の人々も歩いた、豊かなブナの森に佇む

塩の道トレイルでも難所とされる、大綱峠にある美しいブナの森。大隝さんが塩の道の中でもっとも好きな場所だ。道幅が広く、深く掘れているのは、かつては人間だけではなく、荷運びの牛なども通った痕跡

「ここ、すごく好きなんです」
ガイドの大隝真紀子さんが足を止めて上を見上げる。場所は「塩の道トレイル」。新潟県と長野県の県境に位置する大綱峠だ。

「塩の道」とは、新潟県糸魚川から長野県松本まで続く千国街道の別名で、かつては海で採れた塩を内陸へと運ぶための物流の道だった。
その古道を整備して生まれたのが塩の道トレイル。総距離は120㎞、と聞くと無理無理と思ってしまうけれど、セクションハイクという歩き方がある。このトレイルでは、日帰りで歩けるルートも多く設定されている。

「雨飾山麓 しろ池の森」の登山道から入って30分ほど歩くとしろ池に到着。かつては茶屋があって、大綱峠という難所を越えた旅人たちがひと休みした場所。そこからさらに山道を上がっていくと、日本海も見えてくる。遠くに望めるのが雨飾山。戸倉山へ続く道もある

この日は、塩の道を何度も歩いているガイドの大隝さんがとくにおすすめだという白池から大綱峠までの往復2時間程度のハイキングを楽しむことに。短い距離のハイキングだけど、美しい白池や、ササユリ、サンカヨウなどのさまざまなお花、山の上から見える日本海、そして冒頭のブナの森など、バリエーションに富んだルートだ。
ブナの森の豊かさには、正直言って驚かされた。もっと歩きたい! という場合には、根知駅と平岩駅を結ぶ約20㎞(約7時間)のコースも設定されている。

「残雪の季節もすてきなんですよ。雪の白、幹のグレー、そして芽吹きの緑のコントラストがとてもきれいなんです」と大隝さんが教えてくれる。紅葉のシーズンは言わずもがなのうつくしさだろうし、季節を変えて何度も歩いてみたい、そんな場所だ。

里山風景を歩きながら昼は本格カレー、夜は地元の山菜に舌鼓

■カフェ 十三月:塩の道からもアクセスしやすい古民家カフェ。写真は季節によって食材が変わる「本日のカリー(1,280 円)」。地元の野菜をたっぷり使った副菜も美味! ほかに、店主こだわりの自家焙煎コーヒーや、「かぼちゃプリン(480 円)」などもある。美人顔の看板猫にも癒される

ブナの森の美しい緑を満喫したあとは、小谷の「カフェ 十三月」で昼食にする。
このカフェの敷地のすぐそばを塩の道トレイルが通っていて、歩き途中にも寄りやすい場所。季節の野菜をたっぷり使った本格的なカレーを前に、横を見れば美しい里山の風景が広がる。こういう寄り道も、ロングトレイルならではの醍醐味だ。

  • 住所:長野県北安曇郡小谷村中土11738
  • 電話番号:0261-85-1781
  • 営業時間:10:00~18:00
  • 定休日:火・水曜 (※冬期休業12月~ 4月上旬)

池原集落では、水が張られたうつくしい棚田の中を歩く。こうした日本の原風景に出会えるのも塩の道トレイルの特徴のひとつ

次に訪れたのは池原集落。絵に描いたような里山風景で、暮らしを眺めながら歩ける場所だ。
これで自販機があれば最高の補給ポイントなんだけどなぁ、なんて考えてたら、タイミングよく移動販売車がやってきた。商店が近くにないから、おもに食料品をこうして販売して回っているのだ。里に物資を届けるという塩の道の役割は、いまも形を変えて続いている。

塩の道トレイルは、自分のスタイルに合わせてさまざまなプランニングができるところも魅力のひとつ。今回のようにクルマを使ってポイントを回りながらハイキングを加えるスタイルのほかにも、小谷エリアは線路と並行する場所が多いので、公共交通機関だけで完結するプランニングも可能だ。
もちろん、いつかはスルーハイクですべての行程を一気に、という夢を見ることだってできる。

■ロッジ基:1階の共有スペースには薪ストーブや囲炉裏があり、まったりすごせる。キャンプ場も併設し、ロッジ周辺では山菜やキノコ狩りも楽しめる

この日のお宿は「ロッジ基」。木の温もりを感じる古民家風の建物に感激していると「料理もすごいんですよ」と大隝さん。その言葉どおり、出てきた夕食は息を飲む豪華さ。ウドブキ、ミズ、ネマガリダケ、アザミなど、地元で採れた山菜がたっぷり。素材の味を引き立てつつ、疲れた体にもしっかり染み渡る絶妙な塩味がうれしい。当然、季節によってメニューは変化する。これはもう、通い決定のクオリティなのだ。

地の物をふんだんに使った料理は超豪華。リピーターが多いのも納得

山を歩いたあとに、そこで採れた山菜を食べるというぜいたくに、身も心もお腹いっぱい。しかも夜になると各種お酒も提供してくれる。とうぜん地のお酒もたくさんあるし、天然温泉も入り放題。サウナも完備という、文句の付けようがないホスピタリティ。糸魚川からスルーハイクで歩いてきたときにここに辿り着いたら、もはや天国にしか映らないに違いない。

  • 住所:長野県北安曇郡白馬村落倉高原14718-199
  • 電話番号:0261-72-5245
  • チェックイン/アウト:15:00~/10:00
  • 料金:■1泊2食付8,500~10,500 円/大人1人 ■1泊朝食付:6,000~8,000 円/大人1人 (※小学生は大人の80%、2歳~小学生未満は大人の50%、乳児1,000 円 ※シングルユースの場合は2,000 円プラス)
  • 定休日:なし

白馬エリアへ。北アルプスの高峰を仰ぎ見つつ、塩の道を行く

白馬エリアに入ると、オンロードがメインになるが、横を見ればすぐそばに北アルプスの高峰たちがズラリ
小谷村にある「前山百体観音」。かつては西国三十三番、秩父三十四番、板東三十三番の、合わせて百体だったが、現存するのは80余体。神秘的な空気感が流れる場所
白馬岩岳スキー場の麓にある「霧降宮諏訪神社」

翌日は塩の道の白馬エリアをめぐる。オンロードが主体になるけど、「前山百体観音」「観音原」「霧降宮諏訪神社」など、神社や石仏などがいたるところにあり、昨日の自然あふれるエリアとはいいコントラスト。
街と山をつなぐのが日本のロングトレイルの醍醐味とも言えるから、ルートを忠実になぞることにこだわらず、もっと自由に旅をしたほうがいい。とかなんとか言い訳を作って、「かっぱ亭」に立ち寄り、白馬産のクラフトビールをグビリ。自家栽培のフルーツほおずきを使ったドリンクやチーズケーキなども楽しめる。

「かっぱ亭」で「ほおずきジュース」をいただく。砂糖や添加物を一切使用していない、ほおずき100%のジュース

文字どおりオンとオフの両方を楽しめるのが塩の道トレイルの魅力だと思う。ロングトレイルだからとあまり構えずに気に入った場所を気軽にハイキングすればいし、山と街を両方楽しむプランニングもしやすい。
北アルプスのハイマウンテンの圧倒的な景色に息を飲むのもすてきだけれど、生活に根付いた古くからの道をゆっくりとめぐることで、山と街をつなぐという別の楽しみ方が見えてくる。

耳より情報!塩の道沿いのおみやげご紹介

山も楽しみつつ、街や里も地続きに楽しめるロングトレイル。今回訪れたルート上にも、ご当地ならではの食品やグッズが数多くある。塩の道をたどった記念に、そしておみやげにもうってつけな品々をいくつかご紹介。

小谷村醤油

小谷村産の大豆と小麦を100%使用し、松本の老舗「丸正醸造」にて作られた本醸造の濃い口醤油。サイズ違いで数種類あり(購入場所:道の駅 小谷)

きなこプリン

地元のきなこをたっぷり使ったプリン。濃厚な味わいとクリーミーな食感で、口の中で、きなこと牛乳、クリームの風味が広がる。3個セット(購入場所:道の駅 小谷)

ぼろ織り

小谷村では、古くからボロの布地も捨てずに再利用する文化があった。いまでは、各種ぼろ織りのお土産品が販売されている(購入場所:カフェ 十三月)

白馬地ビール

左が「ハクバ・ブルーイング・カンパニー」で、右が「ハクバクラフト」のクラフトビール。ハイキング後にもぜひ(購入場所:古民家カフェ かっぱ亭)

ほおずきジャム

上)ほおずき、甜菜糖、レモン果汁のみで甘さを抑えたジャム。下)ほおずきにナチュラルチーズとブランデーを
加えたクリームチーズ(購入場所:古民家カフェ かっぱ亭)

雷鳥のカラビナ

大町市を代表する銘菓「雷鳥の里」生誕50 周年を記念した雷鳥型のカラビナ。登山用ではないのでキーホルダー
的な使い方を(購入場所:白馬駅)

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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