BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo

STORE

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ
  • Bicycle Club BOX

豪雨災害から復興へ。歴史ある九州自然歩道をめぐり、地域と触れ合うイベントが開催されました

熊本県にある人吉球磨地域は、令和2年に起こった豪雨災害によって大きな被害に見舞われた場所。いまでは、地域の活性化を図るためにさまざまな取り組みが行なわれています。なかでも「歩く」をテーマに人吉球磨地域を盛り上げようと、活用の取り組みを進めているのが「九州自然歩道」です。

九州自然歩道は、九州地方をひとつなぎにしたロングトレイルのこと。全長は約3,000㎞。雄大で美しい阿蘇の景色や、地域に根付いている多彩な歴史や文化を楽しむことができるトレイルコースで、近年ハイカーから注目を集めています。ルートの大半が舗装されている道で、登山初心者や体力に自信がない人でも安心して歩くことができるのも特徴です。

「九州自然歩道をより多くの方に活用してもらいたい」。そんな思いから、地域住民の方やハイカーを対象に、「九州自然歩道の今後の在り方を探る」3つの参加型イベントが、2024年2月に実施されました。

ありのままの棚田にテントを張り、トレイルの活動拠点へ

「つなぐ棚田遺産」(旧:日本の棚田100選) にも認定されている、標高150~250mの山腹に大きく広がる松谷棚田を舞台に、低コストながらも気軽に宿泊ができる場所として「棚田キャンプ」を提案。「九州自然歩道沿いに広がる棚田は、ロングトレイルを楽しむハイカーたちの活動拠点となるのではないか?」という可能性を探るため、棚田でのキャンプを試行してみることに。

このイベントには、棚田特有の土の柔らかさによってテント設営の難易度が上がることをふまえ、キャンプ中級者がモニターとして招待されました。

▲43段、105枚もの田からなる棚田。車で5分ほどの距離にある「松谷棚田展望所」では、棚田の全体を正面から望むことができる。

ここは、地元の人たちの営みによって長く守られ、愛され続けてきた棚田です。全国的に農家の高齢化が進み、作業が厳しい棚田では遊休農地が増加傾向にあるなか、この松谷棚田も例外ではありません。廃校を活用して地域振興のために運営をしている施設「田舎の体験交流館さんがうら」は地域と連携して、そのような状況にある棚田の保全活動を行なっています。

▲元小学校の校舎を活用している体験宿泊施設。古き良き雰囲気が残されている。

実際に棚田キャンプを体験することで、新たに発見された魅力は、一面に広がる美しい自然に囲まれながら、棚田でキャンプ体験ができるという特別感。キャンプ使用可能と定められている棚田であれば、自分の好きな場所にテントの設営が可能。区画が棚田ごとに分かれており、プライベート感も抜群。広々としたキャンプ場のような開放感を味わうことができます。

また、さんがうらの施設の人たちと交流できることも楽しみのひとつで、地域で行なわれているイベントや地域の歴史について話を聞く参加者の姿も。「地域と触れあいながら、歩くことを楽しみたい」ハイカーにとって、まさにぴったり。今後、野営できる滞在地として棚田キャンプを楽しみながら、九州自然歩道を歩く旅を実現することができるかもしれません。

復旧作業中のくま川鉄道沿線を歩く

地域において必要不可欠な交通機関とされている「くま川鉄道」。大正13年3月末に「湯前線」として開通し、一時は廃線の危機に見舞われることもありましたが、民間の協力によって「くま川鉄道」として新しく開業されたローカル鉄道です。

今年で開業から100周年。その記念として「くま鉄駅員と沿線を歩くガイドツアー」を開催されました。豪雨災害によって使用できなくなった区間がコースになっているため、普段は入ることのできない場所を歩いている特別感も感じられ、募集定員はすぐに満員。「被災後の線路の上を歩いてみたい」という参加者のなかには、福岡県や鹿児島県から足を運んできた人たちがいるなど、多くの人からの興味関心を寄せたイベントに。

このツアーガイドを担当したのは「ばやし課長」としてYoutube の公式チャンネル「くま鉄チャンネル」に登場する下林さん。歩いているなかで「応援しているよ、ちょっとしか応援できないけど」「復旧するまでのいましか、線路上を歩けないもんね」と、参加者が声をかけている印象的な姿も。「お客さまから直接励ましの声を聞くことができてうれしかった」と下林さん。

ゴール地点の肥後西村駅では、景品のくま鉄記念切符のほかに、駅員のみなさんからぜんざいのおもてなしが。特別感のあるレールの上を歩き、美しい景色に魅了されたり、下林さんとの会話を楽しんだり、普段はなかなかできない線路を歩く体験をしたり。イベント後のアンケートでは、家族や知人におすすめしたいという項目で100%を達成するほどに、満足度の高いイベントとなりました。

地域を自由に周遊できるフォトラリー

くま川鉄道湯前線沿いおよび、九州自然歩道を歩くことのできるコンテンツとして、参加者同士で自由に各所をめぐるフォトラリーも併せて開催。徒歩だけでなく、鉄道やレンタサイクルの使用もでき、気軽に参加できてうれしいという声も。

カフェや施設で人々との交流を楽しみ、地図を読んでポイントを目指す「ロゲイニング」を体験しながらエリアを周遊。記録用にアプリを使用することで、自分が移動したデータを残すことができたり、他の参加者が通ったルートを見ることができたりと、参加者を飽きさせないような工夫がたくさん。長崎県から訪れたという、ロゲイニング好きな若者も参加。

▲まったりとチェックポイントをめぐりながら、町歩きを楽しんでいる参加者のみなさんも。
▲ほとんどの参加者が、移動手段としてくま鉄を利用。

チェックポイントは、おかどめ幸福駅から湯前駅までのエリアを中心に配置しており、酒蔵や和菓子屋、なにげない田園風景などにも設定。長距離を移動しながらもポイントをしっかりと集める人や、小さいエリアを集中的に移動してのんびりと楽しむ人など、参加者それぞれが多様な楽しみ方をしているのが印象的なイベントに。

景品には、くま鉄のオリジナルグッズがずらり。ほかにも、地域で作られているお菓子やお酒などの特産品が用意され、ポイント数によって景品が増えていくシステム。鉄道好きな小学生の参加も多かったこともあり、各所からは喜びの声が!

九州自然歩道を歩く旅に出かけてみよう!

普段から何気なく歩いている道の途中には、地域で長いあいだ大切にされてきた歴史や文化、食、自然、風景などと出会うきっかけがあります。また、九州自然歩道を歩くことで、地域で暮らしている人々と触れ合い、豪雨を乗り越えてきた過去、いま乗り越えようとしている姿に出会うことができるのも、人吉地域ならではの魅力です。

近年、少しずつ復興が進みつつあり、温泉や宿、観光施設、商店が再開し始めています。今回紹介したイベントのような、九州自然歩道を活用するための地域への取り組みは、今後も継続していく予定。九州自然歩道へ歩くことで、地域の応援に大きくつながるため、人吉球磨の九州自然歩道の魅力をもっと知りたい方は、ぜひ九州自然歩道を訪れてみてください。

活動の詳細はこちらから!

SHARE

PROFILE

ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

No more pages to load