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富士山に向かって縦走!甲州アルプス上にあるふたつの頂|アウトドアショップ「エルク」が案内!山梨百名山の楽しみ方#14

山梨百名山の魅力や楽しみ方を伝える、アウトドアショップ「エルク」の綾井です。

2023年3月から始まった、山梨百名山100座全て登って魅力を伝える「山梨百名山チャレンジ」。富士山を残して2023年を終了したこの取り組みは、現在登った各山の紹介ブログをエルクのホームページ上で随時アップしています。

そしてこちらのランドネWEB連載も、2024年富士山登山を終えるまでいまで登った山梨百名山の中から、私がみなさんにぜひ登ってほしい”推し山”を紹介させていただきます!

#14で紹介する山は、日本百名山にも選ばれている大菩薩嶺のとなり、近年「甲州アルプス」と呼ばれる稜線上にあるふたつの頂です。

小金沢山、大蔵高丸~富士山に向かって縦走!甲州アルプス上にあるふたつの頂~

大菩薩嶺から滝子山に向かって南に延びる長大な尾根を、小金沢連嶺と呼びます。近年はこの尾根(山塊)を甲州アルプスという、ご当地アルプスとして絶賛売り出し中ですが、日本各地に散らばるご当地アルプスのなかでも、歩き応えや景色の良さ、そして縦走を楽しめるという意味では、アルプスの名に恥じぬ山の魅力をもっています。

▲小金沢山

小金沢山は、小金沢連嶺の名前になっている通り、この山脈の主峰となる山です。大月市の最高地点にして、秀麗富嶽十二景のなかで唯一の標高2,000メートル越え。大菩薩峠から約1時間半で着くことができますが、大菩薩に比べれば山頂を目指す人は少なく静かな山歩きを楽しめる山になります。

▲大蔵高丸

大蔵高丸はさらに南、日本一長い山名の牛奥ノ雁ヶ原摺山(うしおくのがんがはらすりやま)や、黒岳などを越えた先にある標高1,781mの山になります。雪解けから秋にかけて数多くの花が咲くお花畑もあり、富士山の絶景もありと山単体でも魅力的。

▲上日川峠

この二座を訪れたときは、大菩薩の登山口である上日川峠から歩き始め、小金沢山、大蔵高丸、さらに滝子山を越えてJR笹子駅まで縦走しました。しかし一般的にはハードルートとなるので、今回は小金沢山、大蔵高丸に絞って登山のようすや山の魅力をお伝えいたします!

上日川峠から小金沢山

▲石丸峠へ

大菩薩の登山口にはまだ朝日が出ていない時間とはいえ、すでに多くの登山者が続々と到着し、大菩薩の人気の高さが伺えました。私たちパーティは大菩薩方面へ向かう登山者とは別方向、石丸峠方面へと足を進めました。

石丸峠に向かう人は私たち以外だれもおらず、ようやく出てきてくれた朝日を浴びながら静かに気持ちの良い樹林帯を登っていきます。

石丸峠に着けば大菩薩から続く、笹原の稜線に合流となります。大菩薩嶺に登りに来た場合でも、ここま足を延ばして上日川峠へ下山するのがおすすめです。石丸峠は開放感のある笹原が広がり、下山ルートのぎりぎりまで稜線の景色を楽しむことができます。

▲眼下に大菩薩湖

今回の山行はまだまだ先が長く、石丸峠から進路を南へ変え稜線を進んでいきます。山をひとつ越えれば、眼下には大菩薩湖と甲府盆地、その先には南アルプスの山々の景色。標高2,000m前後の稜線ですが、稜線上は笹原が広がり大きな木が少ないので、この景観をしばらく見続けることができました。

甲州アルプス、小金沢連嶺の魅力は清々しい笹の稜線が続き、中低山ながら眺望があるところではないでしょうか。私たちが歩いたのは山では晩秋の11月、朝日に照らされる笹が稲穂のように輝き美しく、とても幻想的な風景。登山開始から間もなく、こんなに気持ちの良い場所ならと何度も休憩を取ってしまいました(笑)。

休憩後は笹原をさらに越え、樹林帯の登りを進んでいけば、小金沢連嶺の盟主・小金沢山に到着です!
山頂も樹林に覆われており、富士山を望む南側だけ視界が開けています。

小金沢山から大蔵高丸

小金沢山から大蔵高丸までも、引き続き笹の稜線歩きを楽しめますが、ここからは富士山がよく見え、まるで富士山に向かって歩くように縦走することができます。飽き性な私は似たような景色が続くと飽きてしまうのですが、むしろこの笹の稜線がずっと続いてほしいと願うくらい、気持ちの良い稜線です。

▲牛奥を越えて近づく富士山

大蔵高丸までにいくつかのピークを越えますが、顕著なピークとして、まずは日本一の長い山名の牛奥ノ雁ヶ原摺山(うしおくのがんがはらすりやま)に到着です。ここも山頂から富士山の景色がすばらしいのですが、だんだんと富士山が大きく見えるようになりました。

▲白谷ヶ丸に到着

さらにアップダウンが続く稜線を進み、胡桃沢の頭、黒岳とピークを越えていけば、思わず立ち止まって景色を眺めるに値する、白谷ノ丸(しろやがまる)に到着しました。

ここの景色はサプライズでしたね~。富士山だけでなく、丹沢や南アルプスの景色が見られる180度のパノラマが広がります。手前の黒岳で休憩するよりも、もう少し頑張って白谷ノ丸で休憩するのがおすすめです。

白谷ノ丸からは湯ノ沢峠まで一気に下ります。湯ノ沢峠は車でアクセスすることができるので、登山シーズン中であればタクシーを手配することによって上日川峠~湯ノ沢峠をワンウェイで縦走することができます。

▲湯ノ沢峠

ここまででそこそこの疲労感はありますが、大蔵高丸は湯ノ沢峠からコースタイムにして40分。晩秋の時期だったので見ることができませんでしたが、この道は貴重な高山植物の咲き誇るお花畑が広がります。

▲大蔵高丸

ぽこんとした穏やかな山容の大蔵高丸まで急登はなく、開けた広い山頂に到着しました。大蔵高丸も秀麗富嶽十二景に選定されている、富士見の山です。とはいえこの稜線をずっと歩いていれば、富士山の景色は見飽きるくらいかもしれませんが(笑)。

このあとも私たちは滝子山まで縦走しましたが、石丸峠~大蔵高丸までが”甲州アルプスらしい”笹の稜線歩きを楽しめる事ができる区間です。私たちのように一気に縦走するのもありですが、無理のない範囲で何日かに区切って甲州アルプスをつなげるのもおすすめです。

小金沢山、大蔵高丸立ち寄りスポット

私は、下山後のごはんとお風呂が楽しみで、これなしでは登りたくないほどです(笑)。「山百チャレンジ」を通してたくさんのおいしいごはん屋さんや、温泉に立ち寄らせていただきました。ここから下山後の立ち寄りスポットを紹介します!

笹一酒造「酒遊館」

私たちが下山した場所が笹子ということもあり、登山口からは遠いですが紹介させていただきます。

笹子に構える創業100年以上の老舗酒蔵の笹一酒造。笹一の直営ショップ「酒遊館」が笹子駅から徒歩5分の場所にあり、広いスペースには試飲専用のカウンターやギャラリースペースが設けられています。

電車で帰る予定だったので、下山後にたくさん試飲させていただきました。いかにも登山者の格好で恐縮でしたが、温かく接していただき、おいしいお酒をお土産に帰りました。説明を受けながら試飲ができ、お酒が買えるので、電車で帰られる際はぜひお立ち寄りください!

来月もエルク綾井が山梨百名山のおすすめしたい山を紹介しまが、いよいよ連載も残り2回です。次回は、山と温泉が同時に楽しめる山小屋がある山を紹介します。それでは次回vol.15もお楽しみに!

エルクスタッフ 綾井瞭
北岳の山小屋で勤務後、山梨の山が好きで移住し、エルクに入社し7年。登山、トレイルランニング、スキーと広く山を楽しんでいたが、ヒザを壊してからは山梨県の山を改めて登り始める。山梨百名山チャレンジ企画の担当であり、山梨県の山を登って魅力を発信することをモットーに山登りを続けている。

エルクブログ「山梨百名山チャレンジ」はこちらから!

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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