姿勢が立ちすぎている|お悩み別ランニングフォーム改善トレーニング集
RUNNING style 編集部
- 2021年03月05日
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プロのコーチが読者ランナーのフォームをチェックし改善メニューを提案してきたRunning Styleの好評連載企画から、よくあるお悩み別に改善メニューをまとめてみました。あなたのフォームとそっくりな読者ランナーが見つかるかも? メニューを参考にフォームを改善して、快適ランを手に入れましょう! 今回のテーマは「立ちすぎの上体を適切な前傾姿勢に」。姿勢が立ちすぎていると、足が前に出にくくエネルギー効率が悪い走りになってしまいます。コーチによる弱点克服メニューを参考に、エネルギッシュでスピードのあるフォームに近づけることが可能です。
チャレンジャー吉田晃雄さんのケース
目下の目標はサブ4達成というランニング歴6年の吉田さん。しっかり胸を張っていますが、やや上半身が地面に対して垂直になりすぎています。足が前に出やすい適度な前傾姿勢に修正して、スピードアップを目指しましょう。
【フォーム改善1】背中の柔軟性を高め、自然な前傾フォームを意識
まず、両手と両ヒザをついた状態で、腹に力を入れて背中を一直線にキープします。そして、背中の丸みをつくるように引き上げたら、次にヘソを下へ突き出す動きを10〜20回繰り返しましょう。呼吸は、背中を丸めながら吐き、反りながら吸います。
【フォーム改善2】コアの集中強化で前傾フォームをつくる
前傾姿勢をキープするうえで欠かせない腹まわりの筋力を強化しましょう。うつ伏せの状態から、ヒジを肩幅について両ヒザを浮かせて10〜15秒維持します。このとき腹圧をかけ、でん部に力を入れることで体幹部を安定させる。さらに、片足をあげて5〜10秒キープ。
【フォーム改善3】全身を使ったコアドリルで前傾姿勢を身につける!
ヒザを曲げた状態で仰向けになり、ヒザの間でペットボトルなどのアイテムを挟みます。両手で頭を支えるようにし、ヘソを覗き込むように腹筋を使い上体を起こします。10回から始め、慣れてきたら回数を増やしていきましょう。上体を起こしたときにヒザを伸ばさないこと。
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チャレンジャー中川亜紀さんのケース
自己流のフォームを一度プロに見てもらいたい!と参加してくれた中川さんの悩みは、毎回異なる部位に痛みが出ることなのだそう。全身を使って走れているものの、姿勢が立ちすぎているため走りにブレーキがかかってしまっています。大久保コーチは、筋力不足のために前傾姿勢がつくれず、不安定なフォームになってしまっていると診断。筋力アップのためのドリルを見ていきましょう。
【フォーム改善1】体幹とでん筋を鍛えるヒップリフト
まず仰向けに寝て、両ヒザを立てます。そこから片ヒザを45度の高さまで上げていきます。このとき、床を押さえたりせずに、股関節から徐々に脚を上げていくことがポイント。そして体幹とでん筋を意識しながら体をゆっくり持ち上げ、ゆっくり下ろします。体幹を意識し、息を止めないこと。
▼さらに詳しい中川さんのフォーム改善エクササイズはこちら
チャレンジャー横田渉さんのケース
中学・高校時代に陸上部で短距離走をやっていたという横田さん。フルマラソンへの挑戦を控え、疲れにくいフォームに改善したいというご希望です。基本的にはきれいなフォームですが、やや直立気味の上体を前傾に修正し、スピードアップをはかります。
【フォーム改善1】推進力を得られる前傾姿勢を身につける
前傾姿勢からスムースに脚が出る感覚をつかむためのエクササイズ。カカトの先から頭の先まで一直線に斜めに倒し、パートナーに体重を預けて支えてもらいましょう。一人の場合は、腕で壁などの支えを使いましす。この状態から、パートナーに避けてもらいます。このとき、自然に前方へと走り出す感覚を身につけていきます。全身リラックスし、顔は正面を向いて行いましょう。
さらに応用編として、より力強く推進力を得るために、ハムストリングスをしっかりと使ったダイナミックなフォームを身につけるエクササイズもやってみましょう。前傾姿勢を支えてもらった状態で、その場でリズミカルにカカトを10回ほど蹴り上げる。その勢いのまま前方へと走り出す。
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チャレンジャー青木真さんのケース
運動不足解消のためにランニングを始めたばかりという青木さんの希望は、故障を起こしにくいフォームを身につけること。フォームにまだクセは少ないもののの、姿勢が立ちすぎているのが気になると真鍋コーチは診断しました。この姿勢で長時間のランを続けると、疲れとともに骨盤が後傾してしまう可能性があります。前傾姿勢を意識づけるドリルを紹介します。
【フォーム改善1】ふくらはぎをやわらかくするストレッチ
両手・両足裏を床に着け、尻を高く突き上げます。このとき、ヒザが曲がってしまうとストレッチ効果が得られなくなってしまうので注意。体が安定したら、片足を軸脚のヒザにのせ、ゆっくり外側へ押し出していきます。軸足のふくらはぎが伸びていることを確認したら10秒キープ。深呼吸しながら左右10秒ずつ行いましょう。
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チャレンジャー玉村幸伸さんのケース
トライアスロンにも取り組んでいる玉村さん。フルマラソン3時間20分切りを目標に、これまでバラバラだったトレーニング内容を見直していきます。真鍋コーチは、姿勢が垂直になってしまっている点を指摘。推進力を生む前傾フォームを手に入れましょう。
【フォーム改善1】腹筋への意識を高める
ヒザを立てて仰向けに寝て、手のひらは太モモに軽く乗せます。頭から丸めていくイメージで上体を起こし、元の姿勢に戻します。3秒かけてゆっくりと、5セット。あわせて、脚を上げながら仰向けに寝て、上体を起こすV字腹筋を、5〜10回くらい丁寧に行うと効果的です。仰向けに寝て、脚を持ち上げ左右交互にクロスする動きも10回を目安に行うとさらに効果的。
あわせて、脚を上げながら仰向けに寝て、上体を起こすV字腹筋を、5〜10回くらい丁寧に行うと効果的です。仰向けに寝て、脚を持ち上げ左右交互にクロスする動きも10回を目安に行うとさらに効果的。
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上体が適度に前傾になると、自然と大きく脚が前に出て、ぐっとフォームはダイナミックに、スピードも得ることができます。ただしその姿勢をキープするには筋力も必要ということですね。使うべき筋肉への意識づけを行うドリルも、ランニングの前後に取り入れると大きな効果が期待できます。ぜひ参考にして取り入れてみてください。
コーチ紹介
真鍋未央
現役時代、資生堂で実業団選手として活動した経歴をもつランニングアドバイザー。現在は、楽しく、美しく、速くをモットーに、クラブや企業などを対象にしたランニングイベントを開催。
公式ブログ:「Miobiyori 〜Beautiful Running Life〜」
大久保絵里
マラソンランナーとして、コナマラソン優勝、ストックホルムマラソン2位など、多くの国際マラソンで活躍。プロアスリート転向後はファイバーゲートに所属し、国内外のレースを転戦している。ベストタイムは、2012年東京マラソンの2時間26分08秒。
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PROFILE
RUNNING style 編集部
ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。
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